ページ単位の滞在時間分布も見られるログ型アクセス解析ツール「LogChaser」レビュー

株式会社アクセントが提供しているサーバーログ型のアクセス解析ツールLogChaser」を使う機会がありましたので、レビューさせていただきました。


注意:
1)ツールの使用時間は10時間ほどです。一部の機能や設定を見逃している可能性があります。
2)過去のツール紹介記事と同様「広告記事」ではありません

LogChaserの概要

LogChaserは、サーバーログ型のアクセス解析ツール。ログファイルをFTPサーバーに置いておくと*1、株式会社アクセントが自動でログを毎日取得して、集計を行い、その結果をウェブ画面で表示します。料金に関しては、月間PVが15万PV以下であれば、初期費用3万円+月額費用3万円から利用する事が可能です。

LogChaserの主な機能

ここでLogChaserの主な機能を、どう使うか?という事とあわせて紹介します。

使い勝手が良い絞り込み機能

LogChaserでは、アクセスログのデータを簡単に絞り込むことが出来ます。曜日・時間帯・ページ/ディレクトリー・検索ワード/エンジン・ドメイン/IPと様々な条件が用意されています。


例えば時間限定のキャンペーンを行った時のデータだけを絞り込むことによって、その期間だけの分析を行う事が可能です。逆にキャンペーンを行っている期間に、キャンペーンの情報を除外したい場合もあるかと思います。その場合は、専用のランディングページがあるのであれば、そのページ「以外を入り口としてアクセスした人」を設定する事によって、キャンペーンのデータが混ざっていない分析も行うことが出来ます。


大きなサイトでは、コンテンツやディレクトリーごとに担当が違う場合もあります。そういった時も、ディレクトリーごとに分けてあげる事により、対象コンテンツの評価(アクセス数・滞在時間等)がより行いやすくなります。


多くのツールでは、「絞り込んだ状態」と「全体」という比較をするのですが、LogChaserでは「絞り込んだ状態」と「絞り込んだ状態以外」という分析を行うことが出来ます。


指定した上での動線分析

動線関連の機能を紹介します。多くのツールで用意されている、入り口・出口・特定ページの前後のページの機能は用意されています。そして、特徴的なのが、一人一人の動きを条件設定してみる事が出来るところにあります。


特定のドメインやアクセス日時、閲覧ページビュー数や閲覧ページを指定出来ます。

絞り込みを行うと、その結果として、該当セッションの詳細を見ることが出来ます。競合や営業をした会社がサイトを見に来たか?どのようなページに興味を持ったか?などの分析が可能です(相手の会社のドメインIPアドレスがわかっている場合ですが)。ちなみにデータは最大50000行までダウンロード可能です。

また、「成果」を達成したという観点での絞り込みも行うことが出来ます。こちら特定の「ページ」に辿り着いた成果だけではなく、「●●ページ以上閲覧」「●●分以上閲覧」という設定も可能です。いわゆる成果ページが無いような、メディアサイトでも使える機能です。


例えばサイトでの成果を達成した人の平均閲覧ページ数が10ページであれば、「10ページ以上」を設定すると、結果画面で10ページ以上の閲覧が発生した条件と10ページ未満の閲覧が発生した条件を見る事ができます。


10ページ以上

10ページ未満


基本的な分析指標

通常の分析項目も一通り用意されております。

これら通常レポートの中で個人的に「イイな」と思ったポイントを2つ紹介します。


★「検索エンジン」がドメインではなく、日本語に置換されている。ドメインだけだと若干わかりにくい あるいは Yahoo!がひとまとめにされて詳細がわからないというケースが多いのですが、下記の画像のように、日本語で書かれていると非常にわかりやすいです。


Yahooが通常の検索以外に「画像」「登録サイト」「ニュース」「ブログ」「音楽」などもある事が一目でわかります。


★非常に大切だと思っている「ページ単位での滞在時間の分布」を見ることが出来ます。個人的にはこのツールの一番のウリなのでは?と思っています。

多くのアクセス解析ツールではページの平均滞在時間は分かりますが、その分布まではわかりません。しかしLogChaserはページ単位でも分布を見せてくれます。同じ平均1分でも「全員が1分アクセス」「半分が10秒アクセス、残り半分が1分50秒アクセス」では意味が大きく違ってきます。


欲しい機能

LogChaserを紹介してきましたが、「この機能があったらより便利に使えるのに」と思ったものがいくつかあったので、簡単に紹介します。


1つはデータのソート機能は欲しいと思います。例えば滞在時間のレポートでは滞在時間の長いページからの降順になっていますが、上位の多くは1ページだけの閲覧も出てきます。これをページビュー数が多い順にソート出来れば便利なのですが、今のところその機能は実装されていません。こちらはぜひ欲しいところです。


また上記とあわせて、レポートでの検索機能も欲しいところです。特定の文字列や名称が含まれる行の検索などは必要かなと思います。特にページ単位のレポートなど行数が非常に多くなってしまうものは、検索があるとより便利かなと思いました。


最後にもう一つ要望としては、トレンドが見えたらと思っています。時間別・日別・週別等のデータはアクセス数のレポートに関しては見えるのですが、リファラーや検索ワードなどでも上記の期間での(時間別はいらないとは思いますが)トレンドが見えたら、より便利に使えるのでは?と感じました。


まとめ

サーバーログ型の便利なツールです。集客を行っているタイプのサイトでは、広告関連の機能は無いため単体で使うのは難しいですが、別のツールと併用で、特定の条件をマッチするセッションの細かい分析などは無料ツール等では提供されていない機能です。


繰り返しになりますがページ単位での訪問分布は、私が今まで使ってきたツールでは提供されていなかった機能で、ページの改善施策を考える上で新しい気付きを与えてくれそうです。ログ型でのアクセス解析を行いたい企業は、検討してみてはいかがでしょうか。


サイトへのリンク:「LogChaser

*1:DVD・メール・郵送で渡すことも可能だそうです