アクセス解析のデータとにらめっこ。ただ漠然とデータを見ていても気づきを得ることが出来ません。そこで分析をする際には4つの視点を忘れないようにしましょう。セミナー等で時々話しているのでご存じの方もいるかも。
4つの視点
1.トレンド
2.セグメント
3.ギャップ
4.金額換算
1.トレンド
データを見て得られる気づきの中に「トレンド」があります。どのような周期で値が変わっているのか、決まった法則性はないのか?これを見つけることによって有効活用出来るかもしれません。
よくあるトレンドは、月のトレンド(8月はアクセス数が多いとか、4月は新規率が高いとか)や日のトレンドです(週末のほうがアクセス数が多い/少ない)。
ある日だけ突然アクセス数が多いといったようなものは、トレンドではありません。あくまでも周期的に変動するデータのことをいいます。みなさんのサイトでこのようなトレンドが無いかを確認してみましょう。
自分のサイトのトレンドを言えるようになっておくと良いです。
2.セグメント
サイト全体のコンバージョン率を眺めていても、対策の打ち用がありません。データを分類して、分類ごとに数字を見ることで違いが際立ちます。アクセス解析のサマリーレポートで出てくるような数値は多くが「平均」になっています。これを分解してあげる事がポイントです。
サイトのコンバージョン率が2.5%だとします。これだけでは良いのか悪いのかもわかりません。そこで、データを集客施策別に分けてみましょう。
どの集客施策が問題かがわかりやすくなりました。更に分析する箇所、
打ち手を考える箇所はアフィリエイトですね。
※ただボリュームが大事なので、アフィリエイトからの流入数が少ない場合は優先度を下げても問題ありません。
例えば以下の図のように、主要な施策の流入比率とコンバージョン比率を把握しておくとよいでしょう。
3.ギャップ
上記のセグメントする事によってコンバージョン率の違いが生まれました。この違いは言い換えれば「ギャップ」ともいえます。平均からずれたところに、サイト改善のヒントが存在します。この考え方はあんけいさんのブログ記事「最適化のために重要なたった1つのこと」でも書かれている大切な考え方です。
「何故この日の新規率だけ、他の日の2倍なんだろう?」
「コンバージョン率が先週ものすごく下がっているけど、なんでだろう?」
データからギャップを見つけることによって新たな発見が出来ます。ギャップを見つけたときには以下の二つのことを行なっていましょう。
1)その日あるいは前後で何かしらサイトや集客に手を加えたか
2)流入元などでセグメントをしてみる。
例えばセグメントしてみると、どの流入元がピークの原因かがわかります。
4.金額換算
これは分析というよりは、分析結果や改善を実施する上でのコミュニケーション 及び レポーティングに必要な考え方です。
施策を実施した際にはなるべくお金の単位で話しましょう。「円が会話の共通項」です。
1)半年の目標であるコンバージョン率4%→5%を達成!
2)あるページからのクリック率15%Up、コンバージョン率20%Up!
比率にしてしまうと、なんとなく2)の方が凄そうに見えてしまいます。しかし、上記を金額に書き換えてみると…
1)コンバージョン率1%アップにより、売上が5,00万円増えました
2)このページからの売上アップは、5,000円でした。
明らかに1)の方に意味がある事がわかります。極端な例でしたが、金額換算する事によって、実施した事の評価・貢献がよりわかりやすくなります。また、アクセス解析を知らない人とのコミュニケーションでもなるべく金額換算をしましょう。
分析サイクル
よく、PDCAとかPDSとかで説明される事も多いのですが、ちょっと漠然としてしまうので、今日紹介した視点での分析サイクルを紹介します。
上記がサイクルになります。左上から始まります。
1)まずアクセス解析ツールのデータを見てみましょう。その際に「トレンド」と「セグメント」の視点でデータを確認します。
2)データを見て得た気づきを記録する事が大切です。データを見ている時に感じたことは、翌日になると結構忘れてしまいます。更に見つけたギャップのついても深堀りをして気づきを追加していきましょう。10〜20個くらいは出てくるかと思います。
3)見つけた気づきから施策を考えます。この時に金額換算で考えるのが大切です。少し難しい部分です。施策を考える際のポイントは「金額影響が大きい」「施策が行いやすい(改修の手間が少ない)」「結果が出るのに時間がかかりにくい」「測定がしやすい」といったあたりになります。
4)後は実際に直してテストをするという部分です。この結果をまたデータを見てトレンドやセグメントに変化が起きたかを確認しましょう。
これが1サイクルになります。全てのサイト改善がこの方法に従う必要はありませんが、考える際の一つのヒントになるのではないでしょうか。
まとめ
というわけで、4つの視点と1つのサイクルを紹介してきました。無意識に実施している方も多いかと思います。または、こういう考え方もあるのだと初めて理解されたこともいるかも知れません。分析をする際の参考になれば幸いです!
また別の機会に各STEPをもう少し詳しく紹介する記事を書こうかなと思っております。