私のアクセス解析人生に繋がった「Visionalist」 サービス終了に寄せて

国産のアクセス解析ツール「Visionalist」のサービスが2020年7月31日に終了する事となりました。

 

login.visionalist.com

 

という事で思い出語りを…

 

Visionalistとの出会い

小川とVisionalistの出会いは2004年と15年以上前になります。当時2社目である「WebMoney」に在籍していた時に、選定して導入したのが「Visionalist」でした。

 

 

www.webmoney.jp

 

初めてアクセス解析ツール(カウンター等は昔からありましたが)に触れたのがこの時でした。当時私は上司と2名のマーケティング部署におり、ウェブサイトの改善やコンテンツを作成していました。その効果を図るためにという事で導入したのです。

 

ちなみに当時、ちょうど日本に展開しに来たSIteCatalyst(=現Adobe Analytics)からの提案もありました。ただ当時はまだ日本オフィスが出来ておらず、英語版しかなかったので導入を見送った記憶があります。

 

さてVisionalistを導入は私にとって大きな契機になりっました。データでユーザー行動が分かる、自分たちの取り組みが数値となって評価できるという事が非常に印象的でした。この時に、この世界で生きていこうと決意しました(社会人3年目でした)。

 

そして2006年により大きな規模のサイトで分析を行いたいなと考えていた時に、入社したのがリクルートでした。なんとリクルートはその当時Visonalistを全社導入しており、それが決定打となり採用されました。

 

Visionlaistを使っていなければ、リクルートには入れなかったことでしょう(笑)。ツール採用でした!

 

リクルート時代のお仕事

そしてそのまま、全社スタッフ部門のVisonalistの運用担当となったのです。当時Visionalistを運営されていたデジタルフォレスト社との定期的なやりとりから、リクルート内での導入設計、勉強会の開催、サポート対応などありとあらゆることをやっていました。

 

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■2007年に今井さん松尾さん伊藤さん と作成した社内用の分析マニュアル。13年前から行っている分析と今であまり変わらないですね(笑)

 

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■2008年に作成&プレゼンしたリクルート開発者向けのVisionalistのガラケー版の導入と各種レポートの説明資料

 

当時はガラケー全盛でしたから、ガラケーサイトの導入も多かったです。この時代を知っている方に懐かしい単語が沢山ありました。

 

・パケットキャプチャーサーバー

・サブスクライバID

・uid=NULLGWDOCOMO

・SSLアクセラレーター

 

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■2008年に作成したVOS導入フロー。多くのサイトの導入担当をしてきました。

 

 

デジタルフォレスト社とのやり取り

デジタルフォレスト社の皆さんには大変お世話になりました。大勢の方とやりとりをさせていただき、ツールの利活用を進めておりました。

 

弊社が当時一番大きい顧客だったということ、また多くの人がリクルート内でツールを利用していたという事もあり要望も沢山出させていただきました。その結果、Visonalistのカスタマイズ版「VOS(=Value of Stream)」が出来上がっていきました。

 

弊社の要望でローデータの検索&ダウンロード機能が追加されたり、様々なカスタマイズが行われたのです。しかし、これが後々大きな問題になってしまうのでした。

 

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■要望リストは100件を超えていきました。

 

カスタマイズしすぎたことによる代償

カスタマイズをして独自の物になってきたことにより、色々な課題を抱えてしまいました。ログインや閲覧に関する障害、機能的な不全などが発生してしまったのです。

 

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■障害対応管理票。月に何度も障害が発生する状況になってしまっていました。

 

社内で活用を促進しようというして様々な要望を取り入れていった結果、返って使いにくくなってしまったという事です。Visionalist本体(通常版)の新しい機能リリースにもシステムの差異が大きく反映することが難しい状態となりました。

 

そこで「安定化プロジェクト」が立ち上がります。期間を決めて、安定化を最優先し、稼働率を上げるための取り組みです。毎週、私もデジタルフォレスト社に伺ってミーティングを続けながら、社内の壁に稼働率やアクションリストなどを貼りながら、一丸となって改善を進めていきました。私は出来ることが少なかったのでドーナツの差し入れをするくらいでしたが(汗)。

 

その結果、目標の稼働率は達成し、かなりの改善がなされました。先方社内の達成会でなぜか私が表彰いただき、卓上扇風機をいただきました(今でも使っています)。

 

Visionalistとの別れと得た教訓

その頃から部署で新しい解析ツールの導入検討が始まりました。私がリクルートに入ってから2年程経ったときです(2008年~2009年)。新しいツールの検討が進む中で、私は最初はそのプロジェクトには否定的でした。

 

新しいツールを全社で導入することは大変ですし、Visionalistへの愛着が誰よりもあったのだと思います。社内で抵抗をしていたのですが、他ツールとの機能差など様々な要因によって最終的には新しいツール(=SIteCatalyst)への導入プロジェクトにがっつりかかわっていくことになったのです。

 

チームで決済を取り、2年間で150サイト導入し600人を教えていくことになるのですが、その話はまた機会があれば。

 

というわけで、Visionalistの正式な解約が決まりました。個人的には心苦しい判断ではありました。弊社としてカスタマイズを要望しすぎた事が要因であり、その中でそれに応えようとしてくれたデジタルフォレスト社の皆様には感謝の言葉しかありません。

弊社のカスタマイズや要望が世の中のトレンドとはずれてしまったこと、ツールを専業にしている方に、会社の方が合わせることの必要性を痛感しました。弊社の場合は家の屋根に、(良かれと思って)独自の考えで新しい部屋や木を植えようとしていたのです。

 

ツールリプレイス後も良くしていただき、2011年には先方のクライアント向けの勉強会で講師をさせていただいたり、当ブログでVisionalistのレビュー記事なども書かせていただきました。

 

 

analytics.hatenadiary.com

 

そして何より私のアクセス解析人生のきっかけになったツールです。

 

2020年7月末にサービス終了という事になりましたが、改めて感謝を述べて終わりたいと思います。

 

Visionalistに関わった皆様、本当にありがとうございました。