【秘書レポート】2016年10月18日(火) a2iセミナー「Google アナリティクス アドバンスド ~無料版GAでここまでできる~」

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株式会社HAPPY ANALYTICS 公式サイトよりお読みください。

 

【追記:2016年10月28日】

本記事で転載となり得る画像の掲載 及び スライドの公開に関する認識誤りがございましたため、内容を一部修正させていただきました。関係各位の皆様にはご迷惑おかけしたことお詫び申し上げます(小川 卓)。

 

こんにちは。秘書です。

今回は、”小川が講演しなかった、でも聞きたかった!” Google アナリティクスについてのセミナーの内容を共有いたします。

 
■イベント概要

「Google アナリティクス アドバンスド ~無料版GAでここまでできる~」
日時: 2016年10月18日(火)午後2時〜午後5時30分
場所: 秋葉原UDXギャラリーネクスト  (東京都千代田区)

a2i.jp

こちらにチーム小川メンバーが参加しましたので、学んできた内容をご報告させていただきます。

 
■セミナー概要

目次
第一部:古賀 雄高 氏(Google 株式会社)

 「Measurement ProtocolとData Import

   ~Google アナリティクスによるOnline-Offline連携のベスト プラクティス~」

第二部:村山 佑介 氏(アユダンテ株式会社)

  「チャネルやパラメータを駆使した集客やアトリビューション分析」
第三部:木田 和廣 氏(株式会社プリンシプル)

  「ローデータレベルで汎用的な分析を実現するための方法と分析例」
第四部:山田 良太 氏(株式会社オロ)

  「拡張eコマース実装のベストプラクティス」

 

 

 ■第一部:古賀 雄高 氏(Google 株式会社)

 「Measurement ProtocolとData Import

   ~Google アナリティクスによるOnline-Offline連携のベスト プラクティス~」

 

定員160名の会場がほぼ満席となり、はじめにご登壇されたのはGoogle株式会社の古賀様でした。

最近お客様から「オンラインとオフラインのデータをつなぐ」ニーズが増えてきたそうです。それを解決するための2つのGoogle アナリティクスのソリューションを紹介されました。

それが、 

  •  Data Import(データ インポート)
  •  Measurement Protocol (メジャーメント プロトコル)

です。ただ、この2つの機能は大きく異なります。

 

Data Import は、すでに計測されているデータに外部データを紐付けるものです。

  • 概念:「ディメンションを拡張する」※開発時の名前はDimension widening
  • 手法:カスタムディメンションにCSVファイルをインポートする だけ
  • 制約:✕目標設定、✕eコマース設定、△広告機能はリマーケティングのみ


一方、Measurement Protocol は、実際にHITを発生させてデータを計測する ソリューションです。

  • 概念:実際に(「Client ID」をキーとした)Hitログを送ってデータを計測する
  • 手法:例えば実店舗で購入時、またはHit Builderなどのツールを利用して擬似的にオフラインのHITを生成します。
  • 制約:計測したデータはGAのあらゆる機能で利用可能(目標や拡張eコマースも)。Hitが発生しているので、コンバージョンが計測できます

 海外の例になりますが、「フランスの老舗百貨店でカード会員の行動をオフラインとオンラインで捕捉した結果、ROIを140%改善した」などの効果を挙げているそうです。

 

<まとめ>
  • 新規のソリューションを選ぶ際は、まず「何をしたいか?」整理しましょう。CSVデータをアップするだけの「Data Import」機能で事足りれば実装も楽です。
  • 分析することがゴールにならないよう注意しましょう。Google Analyticsで解析結果を見た後は必ずアクションすることが大事です。

 

 

第二部:村山 佑介 氏(アユダンテ株式会社)アユダンテ株式会社)

  「チャネルやパラメータを駆使した集客やアトリビューション分析」

お二人めは、「いちばんやさしいSEOの教科書」などを執筆されている村山様です。企業の中でSEOやリスティング運用を実践されていらっしゃり、最適にサイトを運営するための、より綿密なGoogle アナリティクスの利用方法についての講演となりました。

 

はじめに、Google アナリティクスの機能の利用状況に対し会場でのアンケートがあり

  1. utmパラメーター
  2. チャネルグループ
  3. コンテンツグループ
  4. モデル比較ツール

村山様は「これらの機能のいずれも使えていないと問題がある」と指摘されました。正しい設定・計測をすることが、Webマーケティング戦略の正しい判断につながるとのことです。具体的にそれぞれの機能を見ていきます。

 

1.utmパラメーター :「意図した単位での流入計測」を実現する

Google アナリティクス仕様では、外部からの流入は
 ・検索と認めていれば ”organic”
 ・ソーシャルメディアと認めていれば ”social”
 ・参照元情報がとれば ・参照元情報がとれば ”referral”
 ・AdWordsと連携していれば ”cpc ”
などと判断されます。
このような自動判断に任せず、コントロールできるリンク元については「utm (Urchin Tracking Module)パラメータ」を設定し、サイト運営者が主体的に意図した流入計測軸で分析しましょう、とおっしゃいました。

 

2.チャネルグループ: 「流入元サイトをグルーピングしよう」

「チャネル設定 > チャネルグループ」 を用いて数種の流入元サイトを「アフィリエイト、PRサイト」などと流入元をグループ化にしていきましょう、とおっしゃいました。

こちらに関してはGoogle アナリティクスの「チャネル設定」メニュー内にある「チャネルグループ」からグループを作成することが可能です。作成時には流入元URLなどを正規表現を使って設定いたします。

 

また、モバイルアプリからの流入を可視化する裏技も披露されました。アプリからの流入には特定のUser Agentが付く場合があるので、それをutmパラメーターに引き継いで流入時に分類することができます。設定はGoogleタグマネージャーのカスタムJSから設定可能です。アプリのUserAgent例やカスタムJSのスクリプトも提示されて、実践的な内容となりました。

 
3.コンテンツグループ :「着地ページの計測も整えましょう」

各ページをばらばらに見ていませんか?「トップページ」「コラムページ群」などページの種類に応じて「コンテンツグループ」でグルーピングすることで着地ページをグループごとに可視化できます。以下2種の定義が使えますので(併用も可能)

  • ルールの定義(スクリーン名、URL、タイトル で定義可)
  • トラッキングコードでの判別

設定してみましょう、というご提案でした。


4.モデル比較ツール

2,3にて設定したページグループや流入元グループがコンバージョンに対してどんな役割を担ったか分析できていますか?

作成したグループ単位でアシストコンバージョンを行っているかを確認するため、マルチチャネルレポートやモデル比較ツールの活用方法が紹介されました。

 

 <まとめ>

  • (サイト運営者が意図を持って)正しい流入計測をしよう
  • 各ページグループおよび各流入元のコンバージョンに対する役割を理解しよう

 

第三部:木田 和廣 氏(株式会社プリンシプル)

  「ローデータレベルで汎用的な分析を実現するための方法と分析例」

3番めにご登壇されたのは、

「できる逆引き Googleアナリティクス Web解析の現場で使える実践ワザ240 ユニバーサルアナリティクス&Googleタグマネージャ対応 」
「WEBマーケターのためのTableau入門(操作編)」
を執筆されている木田様です。Google アナリティクスを知り尽くしたからこそのGoogle アナリティクスの制約とそれを超えたソリューションの提案でした。

 

木田様は「2016年5月にGoogle アナリティクスにて ユーザーエクスプローラーを導入したことは衝撃だった。理由は、今まで「個人は追わない」と言っていたはずだが、Client IDを出したため。」という話から講演を始められました。

ただ、ユーザーエクスプローラーの画面表示では十分なミクロ分析はできないと感じており、Google アナリティクスの限界を超え、BIツール「TABLEAU」を使って、ユーザーのフルカスタマージャーニーを取ってみよう、というご提案でした。

 

なぜTABLEAUを使うか?Google アナリティクスの弱点は?
  • Google アナリティクスのエクスポート機能は、画面で見えたものしか取り出せない
  • カスタムレポートでは、ディメンションが5個までしか使えない
  • フィルタ機能が弱く、使いづらい
  • ユーザーエクスプローラーの画面からはClient IDや詳細レポートはエクスポートできない(※Google アナリティクス360ではローデータをエクスポートできるが有料)
BIツール「TABLEAU」できるようになること
  • カスタマ行動の詳細レポートを作ることができる
  • レポートに対し自在にフィルタをかけられる
  • ディメンションを増やすことができる
  • ページ滞在時間などの指標を平均ではなく分布で出すことができ、バラツキがわかる
  • CRMデータとの接続ができる
 
<まとめ>
  • ローデータを利用したからこそわかる考察もある(分布など)
  • 「ローデータ+API+BIツール+CRM連携」でGoogle アナリティクスの限界を超え、リマーケティングで成果を出そう
  • レポートだけ見ていてはダメ、アクションしないといけない。

 

 

第四部:山田 良太 氏(株式会社オロ)

  「拡張eコマース実装のベストプラクティス」

最後にご登壇されたのは、ブログ「SEMテクノロジー」も執筆されている山田様でした。「Google アナリティクスの『拡張eコマース』機能を実装したいが、実装の敷居が高いと思っている方」に対する具体的なアドバイスでした。まだまだ一般的になっていない拡張eコマースの実装についてきめ細かいアドバイスがありました。

 

拡張eコマースは、「どの商品が、 いくつ、いくらで購入されたか?」がわかります。ただし、これらを計測するためには、サイトの各所に各所にトラッキングコードを実装する必要があり、実装は難しいです。(※山田様の調べでは、現状のECサイトへの拡張eコマースの導入率は2%以下とのこと。)

 

はじめに山田様より実装のハードルを下げるためのアドバイスがありました。

  • 優先順位をつける: たくさんの計測項目があるが、まずは優先順位を付ける。不要な計測項目は切り捨て、必要になったとき計測項目を追加すればいい
  • プラグインを使う: 利用しているシステムによってはプラグインだけで簡単に導入きることもあるので、自サイトのECシステムを確認してみるといい。(実装が楽になる)
  • 社内分業: 解析担当者とシステム開発担当者が分業しないと成功できない。「知らない(苦手な)ことは、できる(得意な)人に任せる。解析担当者はやりたいこと(ゴール)を具体的にシステム開発担当者に共有する」のが成功の秘訣


後半はフルカスタマイズする際の手順について
「設計 → HTML/Java Scriptの実装 → Google アナリティクス、Googleタグマネージャー の設定」という具体的な方法が説明されました。

 

<まとめ>
  • 拡張 eコマースの導入は、「サイト制作者だけ」の力では実現すること難しい。
  • 導入を決めたら、「サイト制作者」「解析者」の間で役割分担を決め、互いに協力する必要があ。
  • 今後は、解析者自身が計測のためのJavaScriptコードを書くことが求められる時代になる。

 

以上です。皆様はどこまで使いこなせていたでしょうか。Google アナリティクスの知られざる機能や限界を知ることで、皆様の業務がレベルアップすることを願っております。