サイトの閲覧パターンを可視化!「UserHeat」をレビューしようと思ってみたが…

素晴らしいレビューがあったのでそちらを紹介し、本記事では趣向を変えてUserHeatの活用方法を中心について書いてみようと思います。


素晴らしいレビューはこちら。
Garbagenews.com サイトの閲覧パターンがみるみる解る「User Heat(ユーザーヒート)」……解説編
Garbagenews.com サイトの閲覧パターンがみるみる解る「User Heat(ユーザーヒート)」……実践編

利用する際の注意点

以下のルールを理解しておくと、使いやすいかと思います。

-解析データが構築されるにはある程度のアクセス数(1ページあたり1000〜1500ページビュー)が必要になる

-1日10万PV以上アクセスがあるサイトには設置しないでください

-クエリーストリングでページを判別している場合、管理画面でクエリーストリングを設定すれば、それぞれ別のページとして正しく認識してくれる

-現在のページにレイヤーをかぶせる方式なので、ブログTOPのようにしょっちゅう中身が変わるページよりは、ブログ単体の記事URLのほうがより意味があるデータが取得出来ます

では、以下本編です。

UserHeatの活用方法

UserHeatが出力してくれる3つのレポートを活用方法という観点から紹介してみます。

MouseTrack(マウスの軌跡を表示)


仕組み:ランダムで5つの軌跡をページ上に図示してくれます。マウスのスクロールや停止位置を元に情報をあらわしています。数字がある場所が停止した場所。数字そのものは停止した順番、円の大きさは停止時間・・・かなと。


活用:このレポート単体で何か判断をするのは難しかいかなと思います。複数回リロードしてみて、リンクじゃないのに良くクリックされるような画像がある場合は、それをリンクに変えたりする事によって、遷移率が上がる可能性はあります。何も無いところをクリックしているのは、スクロールであったりユーザーの癖もあるので、仕方が無い部分かもしれませんね。


ClickMap(クリックされた箇所を表示)


仕組み:クリックした場所を表示。赤い所が良くクリックされている。青はクリックされているが回数が少ないところ。


活用:これは非常に便利な機能です。サイト作成者の意図通りクリックをされているか?などを確認する事が出来ます。画像の効果であったり、各メニューの相対的なクリック率などが一発で分かります。オススメな手法としては、若干コンテンツやレイアウトを変えた「同じ用途のURLが違った二つのページ」を用意して、A/Bテスティングを行ってみることです。


ランダムでどちらかのページが表示されるようにしておけば、視覚的にそれら二つのコンテンツのクリック箇所の違いが分かります。サイト作成者が「よりクリックして欲しい箇所をクリックしているのは、どちらのパターンか?」というのが分かります。


ただ、一点注意が必要なのは、よりクリックされている=コンバージョンが高いという事ではないという事です。ですので、事前にアクセス解析などを使って「売上が上がりやすいクリックや遷移」を分析しておいた上で、「そのリンク」がよりクリックされるのがどちらのパターンなのか?というのを分析する必要があります。


「やっぱりここが良くクリックされているよね!」だけで終わってしまうと活用には繋がらないので、もう一歩深く使ってみましょう。


GazeHeatMap(良くみられた箇所をヒートマップで表示)


仕組み:マウスの軌跡データをサマリーし、密度が多い部分を赤で表示、少ない部分を青で表示。


活用:特に読んで欲しいコンテンツがある場合に有効なレポートです。読み物系ページでのスクロールによる精読度合いや、キャッチとして用意した画像がどれくらいみられているか?を把握する参考になりそうです。また、前述の
ClickMapとあわせて、「良くみられているけどクリックされていない箇所」あるいは「あまりみられていないけど良くクリックされている箇所」を可視化泥ます。


こういった事例をストックしていく事により、サイト特有の効果がある、レイアウト・画像の配置・効きやすいクリエイティブなどを把握する事が出来そうです。


まとめ

UserHeatは、データだけ あるいは デザインだけ ではなく、その両方を可視化させた事に意味があり、だからこそ、そのあわさった情報を有効活用する事が大切です。上記のように事例のストックをためたり、他のサイトのレポートも公開されているので、それらサイトの良いところを盗む事も出来ます。


また、こういったレポートは上長への報告の際には非常にインパクトがあります。可視化された情報にその見方(知見)を添えてあげれば、サイト改善や改修承認の後押しになる事でしょう。また、サイトのデザイナーとアクセス解析担当が建設的な会話を行うための重要な材料にもなります。「サイト作成者の思い」と「ユーザーの現実行動」が一致しているかを理解するのにはもってこいのツールです。


最近よく思うのは、アクセス解析だけではなく、実際にユーザーに聞いてみることの大切さです。そのためにはグループインタビュー・アンケート・アイトラッキングでも良いです。しかし、これらの手法は時間とお金がかかります。そこまですぐに手を出せないけど「ユーザーの行動」を知りたい場合に、UserHeatはぴったりのツールです。


「無料で簡単に」使え、分析内容も豊富。本格的なビジネス判断のために使うには注意が必要ですが(他のアクセス解析サービスの併用が必須でしょう)、ユーザーの閲覧行動を可視化するという意味では、非常に優れたツールで多くのサイトに使って貰いたいツールです。ぜひ、皆さん試してみてください。今まで気づかなかった事が目の当たりになります。


参考

いくつかのサイトのUserHeat結果例です。参考になるようなデータを見つけられるでしょうか?

Webやぎのめ
HIS
広告会議
Vector
kotobank
nanapi
百式
なかのひと
MoneyBox
F.Ko-Jiの「一秒後は未来」
毎日.jp MAINICH KiReI

参考記事

この記事で紹介している「リードスコープpro」は有料ですが、コンバージョンのデータも出すことが出来、UserHeat以上の分析をしたい場合には向いているかと思います。