アクセス解析ソフトウェアRTMetricsのASPバージョンとして、サービスを引き継ぎ使いやすくなった株式会社コンフォートマーケティングのComfyAnatlyicsを紹介いたします。
注意:
1)ツールの使用時間は25時間ほどです。一部の機能や設定を見逃している可能性があります。
2)過去のツール紹介記事と同様「広告記事」ではありません*1
ComfyAnalyticsの概要
PCサイトで使うタグ型のアクセス解析サービス。売上等のサイト独自の変数を取得しない限りは全ページ同じタグで計測が可能。取得したデータをまとめてから表示するのではなく、その都度計算して結果を表示するために事前に分析の定義を設定する必要がなく柔軟性に富んでいます。
またユーザーの行動にあってデータの表示方法や、アクセス解析初心者のために、いくつかの分析項目と説明がプリセットされています。料金は初期費用+PVに応じた月額運用費用。詳細は料金表のページをご覧ください。
では、ここからは使ってみた感じたComfyAnalyticsの主な機能や特徴を紹介いたします。
わかりやすいメニュー構成とすっきりとしたインターフェース
「現状把握」「課題解決」「詳細分析」「広告効果」「アドバンス」というメニューが中心になります。普段は「現状把握」や「広告効果」を見て、サイトに手を入れたい、あるいは課題を感じたときには「課題解決」「詳細分析」「アドバンス」を見ればOKです。
また、色使いやレイアウトの影響も大きいと思いますが、非常に爽やかな印象を与えてくれるツールです。アクセス解析ツールとしては珍しいのではないでしょうか。
一つのページ=一つのデータ ではなく、複数のデータを表示してくれる
実際にデータを見るシーンや印刷するシーンを想定するとわかりやすいのですが、アクセス解析ツールの中には、1レポート=1種類のデータ しか表示してくれない場合があります。
しかし、ComfyAnalyticsではレポートへのリンクをクリックすると、タイトルに関連した複数のレポートを表示してくれます。例えば「現状把握のメニューにある【ディレクトリ詳細】」を選択すると「TOP10の分類・新規/リピート分布・入口ディレクトリ・出口ディレクトリ・基本指標」の5つのデータを表示してくれます。
これによって1)複数のレポートをワンクリックで見られる 2)関連する情報も表示してくれるため、新たな気づきを見つけやすいといったメリットがあります。
ユーザー分類を設定して、いつでもフィルタリングが可能
ほとんどのレポートに「ユーザー分類」というプルダウンがついています。条件を設定しておけば、過去に遡って集計をしてくれます。自分が今見ているレポートで「会員登録した人だけを絞り込みたい」「訪問5回以上の人の流入ワードを知りたい」といった疑問にすぐ答えることが出来る優れものです。こういった形で簡単に条件を変えられるアクセス解析サービスは少ないので、ぜひ他のサービスでも実装して欲しいところです。
表形式のデータがユーザーの導線にあって表示される
多くのツールでは複数の指標を追加して一つの表で見せてくれますが、「現状把握」や「課題解決」では自動でセットされた項目が表示されます。この表示順番がユーザーの導線とあっています。例えば検索ワードのレポートの表を見てみると「セッション・直帰率・滞在時間・CV・CV率・再訪率」という風に、だんだんサイトの奥に進んでいく順番に数値が並んでいます。これは非常に分かりやすいです。
「現状把握」と「課題解決」ではレポートや条件がセットされている
アクセス解析ツールを導入した後に困るのが「どういったレポートを見たら、現状把握やサイトの課題を見つけることが出来るのだろうか?」という事を設計して分析する事です。ComfyAnalyticsでは、見るべきレポートや指標が事前にセットされています。分析方法を思いつかない場合、あるいはサイト改善のとっかかりに使えます。また、今まで考えていなかった、分析軸に気づけるというメリットもあります。
特に「課題解決」のレポート群はその傾向が強いので、2つほどレポートを見てみましょう。
もちろんカスタマイズ分析も可能です
しかし、プリセットされた項目では物足りない あるいは 全く違う観点で分析を行いたい場合もあるかと思います。そのために用意されている「詳細分析」や「アドバンス」のレポート群です。いくつかのレポートを紹介します。
詳細分析>シナリオ
遷移する条件などを設定しておき、実際にどれくらいの遷移が行われたかを分析するレポート。多くのツールで搭載されていますが、プルダウンから簡単にユーザー分類で条件を絞り込めるのが便利です。
非常に優秀かつわかりやすい導線分析機能
今まで多くの導線分析の機能を見てきましたが、その中でも非常にわかりやすいかつ自由度が高いのが、ComfyAnalyticsの動線解析機能です。ポイントは二つ。1)リンクをクリックしながら、スクリーンショット付きで20以上の遷移を見ることが出来る。2)前述のユーザー分類などを適用し特定の条件に絞り込んだ導線分析が可能。という事です。
また、ページ単位ではなくディレクトリ単位での遷移も見ることが可能です。
その他の便利な機能
今回対象としたサイトが広告をほとんど打っていなかったので紹介出来なかったのですが、間接効果を計る広告効果のレポート あるいは リスティングデータや広告マスターデータなどをアップロードし、その単位で分析する事も可能です。また、レポート単位での「コメント編集」機能などもあり、レポートごとの特徴や気づきなどを保存しておくことも可能です。
他にも良く見る表やグラフをまとめて表示する「マイレポート」機能もあり、定期的に見るレポート群がある場合は、工数削減に繋がります。フィルター条件や絶対・相対期間なども個別に設定した上でマイレポートを作ることが可能となっています。
細かい部分で気になるところ
使う人を非常に意識して作られている便利なツールですが、細かい部分で気になる点はいくつかあったので、列挙をしておきます。
ヘルプ機能がオンラインで用意されていない
非常に直感的な作られており、日本語も分かりやすいのであまり困ることはないのですが、いわゆる用語集・ヘルプといったコンテンツは用意されていません。オンラインで数値の定義を確認したり、基本的な用語を調べたり、何かを問い合わせしたい時のルートが確保されていないのは、少し気になるところです。
用語が一部わかりづらい
時々わかりづらい用語や一部名称から連想がしにくいメニュー名などがあります。
例えば「表示条件の設定でもある「表示条件の設定: セッション > 30 AND SS割合 (%) > 0.1;」という部分の「SS割合」のSSの意味が未だに分かりません(Sessionの略称?)*2。また詳細分析の「コンテンツ対策(A)」と「コンテンツ対策(B)」はメニュー名だけをみてもその違いがわかりません。慣れてしまえば問題ないのですが、マウスオーバーすると意味あるいは概要が出ても良いかもしれません。
レスポンスが遅い場合がある
「詳細分析」「アドバンス」で1分近くかかる場合や、グラフの部分が表示される前にブラウザで読み込みが完了してしまう事がありました。月間10,000PV程度のサイトが分析対象だったため、大規模サイトでの利用は少し心配です。といっても遅さは体感的な物もあり、ブラウザにも依存するので、あくまでも個人的な感想になります
レポートの提供方法を豊富にして欲しい
この辺はツールの方向性と相反する部分かもしれませんが、指定のメールアドレスに、定期的あるいは特定の条件発生時にレポートやアラートが送られてきたら非常に便利だなと思いました。また印刷が意識されたレポート結果画面だと個人的に思っているので、印刷ボタンの設置などもあると嬉しいです。
まとめ
名称の由来通り、非常につかっていて「心地よい」ツールです。過去にアクセス解析を導入したけど使い方がわからない、あるいは難しすぎて諦めてしまった人達には最適なツールなのではないでしょうか?
レスポンス・権限管理・レポート配信などの観点から、大規模な会社で複数サイトを持っているところでの導入は慎重を期する必要がありそうです。
ぜひ、オンラインマニュアルやサポートを充実していただき、より多くの人に広めていただきたいツールです。使ってみてはじめて分かるインターフェースやレポート内容の良さも多いので、体験版やデモサイトなども用意されると良いですね。
アクセス解析を使って苦労してきた人が作ったツールという印象を受け、他のツールとは一線を画した良い意味で特徴があります。そのため、今まで他のツールを使ってきた人にとっては若干慣れが必要ですが、分かりやすさ+出来ることの豊富さがバランス良く配置された個性的なツールなので、今使っているアクセス解析ツールを使い切れていない方は、試してみてはいかがでしょうか?