Google Analytics Premiumに関する短期連載になります。全3回を予定しております。
※追記:赤い字部分は記事を公表後に情報をいただき、修正をした箇所となります。
4月17日公開 Google Analytics Premium 短期連載(1):「Google Analytics」そして「SiteCatalyst」との仕様や機能比較
4月23日公開 Google Analytics Premium 短期連載(2):独自レポート「アトリビューションレポート」の機能を紹介
4月27日公開 Google Analytics Premium 短期連載(3):筆者が考えるPremiumとその周辺に関連する6の疑問への回答
では、さっそく第1回をはじめます。
Google Analytics Premiumとは?
Google社が提供している有料アクセス解析ツールです。Google社が提供している無料アクセス解析ツール「Google アナリティクス」をベースに作成されたアクセス解析ツールです。見た目や操作性などはGoogle アナリティクスとほぼ同じです。
紹介動画(英語)
Google Analytics Premium 10の特徴
おさえておきたいポイントは以下の10の内容になります。
1.現時点では米国・カナダ・英国のみの提供。日本でも春〜初夏に提供予定
2.レポートの違いは少なく、現時点ではアトリビューションモデルのレポートのみが追加されている
3.多くの「件数制限」が緩和されています
4.Premiumの場合はログデータのオーナーは自社。無料の場合はGoogle。
5.利用料はドル換算で約100万円/月(米国の場合) PV量に依存しないのが特徴的
6.Google AnalyticsからGoogle Analytics Premiumへの移行には計測記述の変更は必要なし(変数周りは要確認)
7.画面上のインターフェースに大きな変化はなし
8.返金にも対応したSLAの締結が可能
9.ログデータのダウンロードは現時点では不可
10.認定パートナーによる導入・トレーニング・サポートも料金に含まれる (とのことですが代理店経由の場合は要確認です)
機能比較表
Google Analytics、Google Analytics Preimum そして有料アクセス解析ツールの代表格でもあるSiteCatalystとの比較表を用意しました。以下をご覧ください。またファイルもダウンロード出来るようにしております。
■利用時の注意点
1)2012年4月12日時点の情報となります
2)正確性については万全を期しておりますが、不正確な記載や誤記などを含む場合がございます。内容の正確性、有用性、道徳性、安全性などについては、いかなる保証を行うものでもございません
3)その他の内容に関しては備考をご確認ください
4)Google Analyticsに関する情報は、Googleの公式サイトの情報を利用しておりますが、一部情報に関しては認定代理店の情報を利用しています
5)内容に関する誤りなどございましたら、ぜひTwitter等でご連絡ください!
項目 | Premium | 通常版 | SiteCatalyst(参考) ※1 |
開発元 | Adobe | ||
値段 | $150,000(約1,200万円)10億ヒットまで ※2 | 無料 | 非公開 |
サポートチーム | ○ | × | ○ |
アカウントマネジメント | ○ | × | ○ |
導入スペシャリスト | ○ | × | ○(別料金) |
トレーニング | ○ | × | ○(別料金) |
ヘルプセンター・フォーラム | × | ○ | ○ |
パートナー(代理店)サポート | ?(代理店に依存) | ○ | ○ |
機能 | Premium | 通常版 | SiteCatalyst(参考) |
月間分析ヒット数 ※2 | 10億 ※3 | 1,000万 | 10億以上の実績あり。上限は不明 |
レポートでの表示行数 | 200万 | 5万 | 50万 ※4 |
サンプリング | あり/なし | あり | なし |
サンプル開始訪問数 | 5,000万 | 50万 | なし |
データ反映時間 | 4時間(98%以上) | 24時間以上 | レポートの種類で変わる(数分〜1日) |
マルチチャネル分析 | ○ | ○ | △ |
アトリビューションモデリング | ○ | × | × |
キャンペーン測定 | ○ | ○ | ○ |
アドワーズ連携 | ○ | ○ | × |
カスタム変数 | 50 | 5 | 75x2 ※5 |
目標設定数 | 20 | 20 | 100 |
アドバンスセグメント | ○ | ○ | ○ |
リアルタイムデータ | ○ | ○ | × |
サーバーでの事前集計・変換処理 | × | × | ○(別料金) |
ユーザー管理機能 | ○ | △ | ○ |
ローデータ取得 | × | × | ○(別料金) |
Cookie | 1st Party | 1st Party | 1st/3rd Party |
データ収集保障 | 99.90% | × | 不明 |
レポート正常表示保障 | 99% | × | 不明 |
データ保存期間 | 不明 | 25ヶ月保障 | 3年保障 |
※1 Ver15に準拠
※2 ヒットとはイメージリクエストが送られた回数。ページのアクセス以外にも、イベントやeコマースでの送信も含む
※3 超える場合は、別アカウントを取得すれば対応可能
※4 月単位で取得出来る変数(例:キーワード)が50万件まで
※5 利用方法が違う2種類の変数がそれぞれ75個ずつ用意されている
感想
米国の100万円/月 程度のコストを考えると、利用出来る企業は限られてくるのではないでしょうか。Google Analytics Premiumを利用するケースは大きく分けて2つあるかと思います。「既にGoogle Analyticsを利用している人がPremiumに移行する」「別の有料アクセス解析ツールを利用している人がPremiumにスイッチする」のいずれかです*1。
では、この2つのケースがどのような状態になったら、Premiumを検討するべきかというのが以下の内容になります。
既にGoogle Analyticsを利用している場合
■月間1,000万PV以上の大規模サイト
■実装サポート・問合せ・トレーニングのサポートが必要
■サンプリングや上限設定など、どうしても解決したい「制限」がPremiumで解決できる場合
現在別の有料ツールを利用している場合
■機能面でGoogle Analyticsより劣っているツールを利用している
■実装サポート・問い合わせ・トレーニングに対する不満がある
■コスト的に現在利用している有料ツールよりGoogle Analyticsのほうが安い
どちらのケースが多くなるのかは正直わかりません。
詳しくは第3回で執筆予定ですが、有料アクセス解析ツールには「月間数万〜数百万PVまで対応している中規模サイト向けツール」と「月間数千万〜数十億PVまで対応している大規模サイト向けツール」があります。Premiumは後者に属するツールとなり、このカテゴリには「SiteCatalyst」「CoreMetrics」「Visionalist」などが該当します。
該当するカテゴリのツールは全て利用経験がありますが、レポート面・機能面共に大きな差はありません*2。そうすると、これらのツールの差別化要因は以下の通りとなります。
■サポート(トレーニング・実装・問い合わせ)の質
質=スピード・人員数・人員のスキル
■レポートのレスポンスやUXなどの使いやすさ
例)ナビゲーションのしやすさ・カスタマイズの有無、1ヶ月分のキーワードレポートを表示するのにかかる時間 など
■その中でもツールによって発生する機能差
例)ローデータのダウンロード・マスターデータのインポート・権限管理の豊富さ(レポート単位・IP制限)・iPhone/Androidアプリの有無 など
これらの差別化ポイントはものによってはお金がかかります。
ぜひ、これらの有料ツールを検討する時は
「本当に必要な要件の洗い出し」
「トータルコストの算出(ツール利用料だけではなく、サポート・運用・入れ替えコストなど)」
「ツール利用者の確保」
などを考慮しましょう。
今回はここまでとなります。後半はほどんど雑文でしたね。次回はPremiumにしかないレポート「アトリビューション分析レポート」についてその詳細や活用シーンを紹介していきます!
4月17日公開 Google Analytics Premium 短期連載(1):「Google Analytics」そして「SiteCatalyst」との仕様や機能比較
4月23日公開 Google Analytics Premium 短期連載(2):独自レポート「アトリビューションレポート」の機能を紹介
4月27日公開 Google Analytics Premium 短期連載(3):筆者が考えるPremiumとその周辺に関連する6の疑問への回答