サイトへのリンク元の種類 及び それらの計測方法と特徴


サイトにユーザーが訪れる場合には必ず「流入元」というものがあります。この流入元を分類し、特徴を書いてみました。まずは流入元を以下のように分類してみました。

リファラー無し

 ブックマーク
 メールソフト(メーラー
 URL直打ち
 リファラー送信拒否
 リダイレクト
 httpsからのアクセス
 QRコード
 ローカルからのアクセス
 その他

リファラーあり

 サーチワード
 リスティング
 アライアンス
 プロモーション
 アフィリエイト
 ユーザーリンク
 API/RSS
 その他


※軸の切り方が「リファラー無し」と「リファラーあり」で若干違いますが、ご了承くださいませ。まずはリファラー無しから見てみましょう。


ブックマーク

説明:ユーザーがブラウザーでURLを「お気に入り」や「ブックマーク」し、そこからアクセスがあった場合のリンク元

計測方法:通常の方法では計測不可。サイト内に「このページをブックマークする」というリンクを置き、そこでクリックされた回数をon clic関数を使って取得。これにより、「ブラウザーのリンク経由でブックマークした回数」の取得はできるが、実際に何回ブックマークから来たかまでは取得できない。

特徴/補足:当然と言えば当然だが、リピーターのアクセスが多い。また、そのページが更新されるようなページでは無いTOPページのようなところをブックマークしている場合、離脱率が低く出る。サイトの流入元としてある意味もっとも優れているもので、初めての訪問でコンバージョンするようなページではない限り、ブックマークを獲得することは非常に重要である。ただし、上記にも記載した通り、計測がほとんどできないのが難点。昔はfavicon.icoという画像ファイルで計測する方法も考えられたが、最近のブラウザのようにタブやメニューにicoファイルの画像が表示されている昨今では、正確な計測は難しい。


メールソフト(メーラー

説明:メールマガジン等の配信で、OutlookやBecky等のWebメールではないメールソフトからリンクをクリックした場合のリンク元

計測方法:リファラーが取得できないため、通常のURLのままでは計測ができないが、リンクにパラメータを入れることにより、そのパラメータからのアクセス数を取得。メルマガごとに(あるいはメルマガのリンクごとに)パラメータの値を変えれば、より精緻な数字の取得が行える。

特徴/補足:ブックマークと同じようにリピーターが多く、またコンバージョンにつながりやすいタイプのリンク元である。もちろんリンクの飛ばし先が計測範囲になっている必要がある。HTMLメールであればパラメータを入れても違和感がないが、テキストメールのような物の場合あまり露骨にこれは計測用のパラメータであるというのを見せないほうが良い(例:?click=001 等)またメールソフトによっては、URLが途中で折り返され、ユーザーがリンクをクリックしたときにパラメータ部分が正しく取得できない可能性もある。


URL直打ち

説明:アドレスバーに直接URLを打ち込んだり、どこかからURLをコピーペーストしてアドレスバーに貼り付けてサイトにアクセスしてきた場合のリンク元

計測方法:計測不可

特徴/補足:計測の手法が無いのが難点。「雑誌を見てURLを直接打ち込んだ」「自分のメモ帳に貼ってあるリンクをクリックした」「送られてきたメールのURLをコピー&ペーストしてアクセスした」「2ちゃんねる等、プロトコルがttp://になっているものをhttp://に修正してアクセスした」など多岐にわたります。新規の比率が比較的高いと思われるが、サイトに興味があるユーザーである事が多い。サイトの目的を知っている場合がほとんど。モバイル端末からのアクセスに関しては直打ちはほとんどなく、QRコード(後述)を活用しているケースが多い。


リファラー送信拒否

説明:ユーザー側がブラウザあるいはモバイル端末でリファラーの送信を拒否している場合のリンク元

計測方法:計測不可

特徴/補足:計測の手法が無いのが難点。PCの場合はブラウザでの設定。モバイルの場合は端末側での設定になる。また、DoCoMo端末に関してはキャリアの仕様により一切リファラー情報を送ってこない。パラメータの設定等をしないと、リファラーがわからないため、通常であればとれるSEOからの流入・他のサイトからのリンク貼りなどが計測できない。数字に関しては諸説ある物の、ほとんどのサイトでの「リファラー送信拒否による流入比率」は5%未満と考えられる。


リダイレクト

説明:meta refresh等のリダイレクトを行い、別のページに飛ばしている場合、そのリンク元リファラー情報は引き継がれない。そういったケースのリンク元

計測方法:meta refreshを使わずに、300番台によるリダイレクト、あるいはJavaScriptを使ってリファラーを引き継ぐような設定を行う(前者の対応が一般的)事により計測が可能となる

特徴/補足:ユーザーのCookie情報をもとにリダイレクトをかけているような場合(前回「関西のTOPページ」を見たから、今回は「全国TOP」にアクセスしてきたけど、自動的に「関西TOP」にリダイレクトする等)に発生する。大抵はサイト側の改修で対応できるが、サイト設計時には割と忘れがちな内容であったりするので、導入時に検討・対応をしておく必要がある。


httpsからのアクセス

説明:前ページがhttpsのページの場合、リファラー情報が(一部の古いブラウザーを除いて)取得できない。そういったケースのリンク元

計測方法:リンク元からリンク先に貼るURLにGETパラメータ等をつけて、そのパラメータを取得。

特徴/補足:基本httpsのページから別の外部サイトのhttpのページへリンクをする事は非推奨。特にGETパラメータに重要な情報(会員IDなど)が入っている場合はリンク先のページでそのIDを(一部の古いブラウザーを使っていた場合)取得する事が可能となってしまう。通常はほとんど見受けられないケースである。


QRコード

説明:QRコードを携帯端末で取得し、サイトにアクセスしてきた場合のリンク元

計測方法:リファラーが取得できないため、通常のURLのままでは計測ができないが、リンクにパラメータを入れることにより、そのパラメータからのアクセス数を取得。

特徴/補足:当然モバイルユーザーからのアクセスが多い。出す媒体によってパラメータの値を変えておくことにより、「雑誌のどの号からアクセスがあったか」「どの駅の広告からアクセスがあったか」などオフラインの流入元とオンラインのデータが紐づけられる。アクセス解析では取得しにくい、リアルからのアクセスがわかることが非常に特徴的かつ強力な手法。

その他

説明:上記に分類されないようなリンク元。ローカルHTMLからのリンク、サイトをホームページにしていてブラウザを開いた場合、などがある

計測方法:基本不可

特徴/補足:特になし

リンク元無しの特徴として、その内訳を取得する事が非常に難しい事が挙げられます。いくつかのリンク元無しにはパラメータをつけることによって、効果捕捉出来ますが、特に多くの分析担当者が知りたがっている「ブックマーク」に関しては正確な数字を出すことが非常に難しいです。ブックマークユーザーの特徴としての「リピーターの多さ」「コンバージョンにつながりやすい」「他と比べて頻繁にアクセスしやすい」等の情報をもとに推測するしかありません。

では次に、リファラーありの場合を見てみましょう。


サーチワード

説明:SEOによる流入(検索エンジンクローラーが取得したURLを利用者が検索してクリック)のリンク元

計測方法:リンク元URLを見て、そのURLが検索エンジンのものかを確認する(ツールによっては事前登録・自動認識してくれるものもある)。リスティングとの違いは後述。

特徴/捕捉:検索ワードとセットで情報が取得できる。検索ワード・エンジンによって、傾向は若干違うが、基本的にはリファラーなしに比べて、新規のユーザーが多い。コンバージョンはワード・ランディングページ・説明文に大きく依存。多くのサイトではこの検索エンジンからの流入が一番多い。またサイトの新規流入を増やす方法としては、外部への支払いが無い正攻法である(サイトのSEO対策・力が順位にそのまま反映される)サイト内で行ったSEOの施策結果を見たり、リスティングの参考にしたり、サイトに流入してくるワードに対するコンテンツがあるか確認をしたり、利用方法は多岐にわたる。


スティング

説明:キーワードを購入し、その掲載エリアからユーザーが流入した場合のリンク元(例:Yahoo!のOverture や GoogleAdwords等)

計測方法:リンク元はサーチワードと同じ事が多く、区別をつけるため入校するURLにパラメータをつけ、そのパラメータの値と数を取得する。

特徴/捕捉:こちらもサーチワード同様、非常に重要な分析ポイントとなる。サーチワードと比較して、新規の傾向が若干高いが、サイトを利用する人の属性に依存する。特に有料で支払いを行っているため、SEO以上に流入数、直帰率、コンバージョン率を気にしてマメに対策を行う必要がある。金を出せば人は集められるが、ちゃんとコンバージョンさせられるかが大きなポイント。CPCだけ見ていてはサイトの売上につながっていかない。ワード単位でパラメータを変える事もあるが、入稿するワード数が多い場合は、グルーピングしてみたほうが良い。


アライアンス

説明:自社サイト以外へのコンテンツあるいは情報提供を行い、そこから流入してきた人のリンク元

計測方法:アライアンス先のリンク元URLを把握しておく、あるいはパラメータをつけてもらう。

特徴/捕捉:内容は多岐にわたる。他のコンテンツプロバイダーで情報を載せてもらいそこからのリンクであったり、他の媒体でバナーを購入しそこからの流入であったり。定義によって「プロモーション」にも入るケースがある。多岐にわたるため、流入してくる数やコンバージョン数も大きく変わる。極端にコンバージョンが低いようなところは、アライアンス先とCPAで握っていない場合は、掲載を控えたほうが良いかもしれない。どこの出稿するかで大きく結果が変わってきます。ちなみに「Jword」に関しては、Yahooだとサーチワード結果の直前(上部)に広告っぽく無く表示されるため、ユーザー側が「アライアンス」ではなく「サーチワード」として認識し流入している可能性がある。


プロモーション

説明:プロモーション専用のページをサイト外に作ったり、告知したりした場合、そこから流入してきた人のリンク元

計測方法:アライアンス同様

特徴/捕捉:これもプロモーションの内容によって結果は大きく変わってくる。ポイントがもらえる系サイトなどでは新規が非常に高いが定着率も悪かったり(=質の悪いユーザーが集まりやすい)、プロモーションページのコンテンツ・クリエイティブによってそのあとの流入数やコンバージョン率が変わってくる。


アフィリエイト

説明:自社が出稿しているアフィリエイトから流入してきた人のリンク元

計測方法:パラメータを入稿するURLに付与。アフィリエイトを提供している会社あるいは、一部の広告配信サービスでは掲載URLを公開してない事もあり、リンク元だけで見ていくのは現実的ではないケースが多い

特徴/捕捉:こちらは多岐に渡るリンク元からの流入があるが、定期的なおかつコンバージョンするようなリンク元は非常に限られている。広告配信会社やアフィリエイトは多数あるため、それぞれの特徴をつかみ自分のサイトに最適なところを選ぶ必要がある。また媒体側とツール側でのコンバージョンの定義が違い、コンバージョン率の数字がずれるケースがある。掲載されるサイトによって、流入数やコンバージョン率は大きく影響される。


ユーザーリンク

説明:ユーザーが掲示板・ブログ・ウェブサイト・記事等で取り上げ、リンクを貼ってくれた場合のリンク元

計測方法:リンク元URLを見る

特徴/捕捉:定期的な流入数は望めないが、局地的な大量流入が発生することもある(サイトの元々の規模によっては気にするほどでもないが)また利用者は良くも悪くもリンク元に記載されている内容のイメージを持ってサイトに流入してくる。流入元としての効果を期待するより、自分のサイトについてどのように描かれているか等、定性的な情報を取得するリンク元URLとして重要。

API/RSS

説明:APIRSS、その他にもブログパーツ等、上記に分類されない情報ソースからのリンク元

計測方法:パラメータを付与し、その値からの流入数を調べる。またリンク元URLも参考になる。

特徴;/捕捉:ユーザーに偏りが出やすい。またブログ等を除き、企業が運営しているようなサイトではよほど上手く流通させない限りは流入元としての比率は少ない(ニュースサイト等、情報更新系のサイトは除く)。リピーターからのアクセスが多く、訪問回数も多い事が特徴的。


その他

説明:上記に分類されないようなリンク元。自社サイト間のリンク等。

計測方法:内容による

特徴/補足:特になし

リンク元が有るURLに関してはパラメータ付与を行うことにより非常に細かく分析ができる。基本入稿できるURLに関しては、すべてその効果が捕捉できるような仕掛けをいれるべきだ。またサーチワードを除き、ほとんどの場合は有料で掲載をしていることが多く、その効果を分析することは非常に重要である。定性的な情報も多く取得できるため、時間をかけるべき分析箇所ではある。

いろいろなリンク元(流入元)があり、それぞれについて分析出来ることが多い。理想はすべて無料で大勢の人を連れてきて、最終的にコンバージョンさせる事だが、サイトの規模、フェーズ、コンテンツ、ユーザー属性によって、常にその比率は変わり最適なものはない。「流入が多く、コンバージョンが高い所をどう増やし、流入が少なく、コンバージョンが低い所をどう無くしていくか」を常に念頭に費用対効果を考えていこう。