【ウェブアナリストの稼働・収入・業務】売上1億円を超えた2022年を振り返る

毎年恒例の株式会社「HAPPPY ANALYTLCS」年間振り返り記事です。年末の暇つぶし的に見ていただければ!昨年の記事は以下から

 

analytics.hatenadiary.com

 【目次】

長いので3段でまとめると

1)稼働時間1,795時間(前年比6%増)。売上は1.25億円(前年比64%増)。コストは0.94億(前年比57%増)。純利益率は25%(前年比+5pt)。セミナー登壇や勉強会講師件数は昨年とほぼ一緒(2021年:137回、2022年:124回)。売上増加は主にGA4コンサルと自社開催有償講座が要因。

 

2)仕事の内訳自体は大きく変わらず。コンサル関連で53%(前年比-1pt)・セミナーが28%(前年比-3pt)・その他(執筆・会社周りの雑務)が19%(前年比+4pt)。GA4本を出したので執筆時間が伸びました。1年の感想としては、とにかくGA4祭りでした。7月以降はすべての社内勉強会をお断り、9月以降は新規案件をSTOP。

 

3)稼働時間は、ほぼ増えていないが、売上とコストが上がっているのは他の方に案件を依頼したり、サポートいただいたのが要因です。その分、私自身の「稼働」は増えていないのですが、気しなければいけないことは増えました。ということで1年の大半を通してメンタルは不調。環境変化の予定もあり、来年は稼働時間と売上andコストを大幅に減らしにいく方針転換を行います。

  

 

簡単に自己紹介

ウェブサイト分析や改善提案、コンサル、講師、執筆などを行う「ウェブアナリスト」。リクルート・サイバーエージェント・アマゾンジャパン等の事業会社で10年以上働いた後、2015年にフリーに。2017年1月に「株式会社HAPPY ANALYTICS」として法人化。

単著8冊、その他共著多数。詳しくは以下公式プロフィールサイトをご覧ください。

 Taku Ogawa(小川 卓)

 

HAPPY ANALYTICSについて

happyanalytics.co.jp

ウェブサイトの分析や改善コンサル、教育、執筆などを行う、私(小川)の個人会社。社員は私と奥さん。それ以外にも秘書やスタッフの皆さまや、弊社主催の育成講座の卒業生に日々の運用や経理、分析業務のお手伝いをしていただいております。今年で7期目に入りました。詳細は上記ウェブサイトを御覧ください。

  

2022年の主な取り組み

2022年1月

・前年から引き続きGA4の導入や勉強会案件などを複数実施

  

2021年2月

・GA講座✕4回をschooで実施。 

schoo.jp

・今年一番大変だった分析案件の完了。オンラインとオフラインデータを繋げ、Tableauでわちゃわちゃしてました。

・忙しさのため、宣伝会議で講師業終了。累計で100回以上お話させていただきました。貴重な機会をいただき感謝です。

 

2022年3月

・GAの計測停止のアナウンスが行われ、一気に世の中がGA4モードに。多数の問い合わせや実装依頼が。このあたりから忙しくなりはじめる

・PHP研究所やWebDesigningの取材を受ける

・GA4の情報サイトGA4ガイドをオープン。サーバー設定ミス等で落ちまくる

www.ga4.guide

・GA4ガイドのサイト自体は2021年10月くらいから仕込んでいました。計測停止のアナウンスがあったので、3月中に一気に仕上げてリリースしました。

・HIT-MALLでの連載開始

https://www.hit-mall.jp/blog/management/column-046.html

 

2022年4月

・GA4に関する相談が更に増え、このあたりから新規案件は、ほぼGA4絡みに(実装あるいは勉強会のいずれか)。

・SORAMICHIとアドバイザー契約

prtimes.jp

・Media✕Techに寄稿

www.mediatechnology.jp

・Web担当者Forumにインタビュー掲載

webtan.impress.co.jp

・Web Designingに寄稿

https://www.amazon.co.jp/dp/B09XWWNS56/

 

2022年5月

・提案型ウェブアナリスト育成講座9期スタート

・自社主催の有料講座を開始(以後、毎月開催)

・過去最大の単月売上

・Web担当者Forumミーティング2022春 登壇。登壇人気ランクング1位

webtan.impress.co.jp

・schooのGA4版講座開始

schoo.jp

 

2022年6月

・GA終了1年前導入のため、6月末締め切りのGA4導入案件が集中。今年1番働いた月に。

・上場後、初めての株主総会に参加(ニフティライフスタイルの社外取締役として)

niftylifestyle.co.jp

・大型コンサル案件のスタート

・監修したGoogle Tag Manager本が発売

 

 2022年7月

・HAPPY ANALYTICS第7期の始まり。 

・このあたりから社内勉強会をすべてお断りに(結果的に年内で20社ほどお断りしてしまいました 汗)

・忙しさのためメールマガジンの配信停止

 

2022年8月

・ひたすらGA4

・第6期の数値報告を税理士さんから受ける、順調に成長

・Web担当者Forumに記事掲載

webtan.impress.co.jp

・日経XTRENDにて取材いただいた内容が掲載。

xtrend.nikkei.com

 

2022年9月

・ひたすらGA4(以下略

・GA4本の校了

 

2022年10月

・ウェブアナリスト育成講座第10期開始

happyanalytics.co.jp

・GA4本の発売

 

 

2022年11月

・Web担当者Forumミーティング秋2022登壇。2回連続で満足度ランキング1位に。

webtan.impress.co.jp

・はてな公式ブログで連載(全3回)

business.hatenastaff.com

・新規案件受付STOP

 

2022年12月

・気づいたら年末に 

 

次に1年間の稼働時間や仕事の内訳を紹介いたしますね。

 

稼働時間

今年の稼働は約1800時間。2016年からの数値は以下の通りです(移動時間除く)

2016年:約1,700時間(月平均142時間)

2017年:約2,100時間(月平均175時間)

2018年:約1,873時間(月平均156時間)

2019年:約1,740時間(月平均145時間)

2020年:約2,290時間(月平均190時間)

2021年:約1,700時間(月平均142時間)

2022年:約1,795時間(月平均150時間)

 

前年比でわずかに増加。ただ様々な案件を見る機会が増えたので、時間の伸び以上に精神的な負担は大きかったです。特に3月以降はGA4の情報収集しつつ(これは稼働時間には入れていない)、発信・執筆・設定・実装などをやっていました。ただGA4以外にもいくつか面白い案件が複数あったので、新鮮でありつつ楽しかったです。

 

稼働時間と時間単価は以下の通り

  案件を取捨選択及び自社有償講座開催により、単価は増加。2022年の時間単価で約7万円(前年比+24,000円)

 

仕事内容の割合で見ると以下の通り。割合はほぼ前年と変わらす。

分類の定義は以下の通り

 

■役員コンサル

Chief Analytics Officerや取締役として働いている、UNCOVER TRUTH、AVANCELLMONT、FaberCompany、Sozo、日本ビジネスプレス、ニフティライフスタイルの合計。


■コンサル

株式会社HAPPY ANALYTICSとして依頼を受けて私自身が行っている分析やコンサル案件(他の方にお願いしている案件は私の稼働時間に含まず)

■セミナー

社内勉強会などの特定多数、講演など不特定多数向けてのレクチャーなど


■執筆
書籍の執筆・監修や、外部媒体等での連載、メルマガなど

 

■会社(HAPPY ANALYTICS)
経理、社内ミーティング、MAツールの活用、スタッフとのやりとりなど自社整備に使っている時間

 

 

 年別の稼働時間内訳と前年比(単位=時間)

 

役員
コンサル

コンサル セミナー 執筆 HA 合計 月平均
2016年 948 251 319 188   1,706 142.1
2017年 631 552 396 429 104 2,112 176.0
2018年 386 799 538 84 66 1,873 156.1
2019年 261 598 416 125 340 1,740 145.0
2020年 360 965 598 183 181 2,287 190.5
2021年 214 699 528 155 100 1,696 141.3
2022年 259 689 506 235 106 1,795 149.6
前年比 121% 99% 96% 152% 106% 106% 106%

 

コンサルやセミナーに関してはここ数年上限値という形ですね。社内勉強会等断っていなかった場合は、100-200時間くらいは増えていた予感。執筆に関しては書籍の執筆で時間が増えた形になります。

 

月別の稼働時間は以下の通り

ここ2年くらいは同じですね。平均150時間、200時間は絶対に超えないように注意しています、

 

次にぞれぞれの項目についてもう少し詳しく見てみましょう。

 セミナー(137件【2021年】⇒ 124件【2022年】)

年間営業日ってだいたい250日なので、平均すると2日に1回講演や勉強会をしている事になりますね。GA4が大半。宣伝会議での講師終了 及び 夏以降は意図的に減らしたので前年減で済みました、依頼件数だけで言えば、今年が一番多かったです。

 

役員コンサル(214時間【2021年】⇒ 259時間【2022年】)

+45時間ですね。主にFaber CompanyのGA4導入案件で増えました。8月くらいからコンスタントに複数案件が動いている状態です。またUNCOVER TRUTHいくつかの大変だけど面白い案件に携われました。

 

コンサル(699時間【2021年】⇒ 689時間【2022年】)

ほぼ変わらず。受けている案件数は前年より増えていますが、外部への依頼部分が増えている感じです。結果として、私の稼働時間は変わらずという感じです。

 

執筆(155時間【2021年】⇒ 235時間【2020年】)

メルマガストップによる減少以上に、複数媒体での連載及び書籍執筆で伸びました。来年も書籍(改訂版)の執筆やGA4ガイドの更新予定などがあるので、あまり変わらない予感はしています。

 

HAPPY ANALYTICS(100時間【2021年】⇒106時間【2022年】)

社内運用周りはある程度体制が整っているのでここ1-2年は大きな動きはなしです。新たに導入した新規システム等も無いです。良い意味で安定。

 

2022年の売上・コスト・利益

年間の売上推移は以下の通り。2014年(Amazon在籍時の給料+講演や執筆などの合計)を100として計算。2015年4月にフリーになり、2017年1月に会社設立となります。今年は前年比較で+62.2%と大きく伸びました。2014年から比べると9.6倍ですね(汗)。まぁ私の給料は変わっていませんが。

前述の通り、育成講座の卒業生への案件依頼や、自社有償講座の開催などが売上増加に大きく貢献しています。



 

細かい月別の売上(=月別の入金額で算出)は下記のとおりです。こちらは2016年1月からの推移となります。2022年5月に過去最大の単月売上。5月~10月に売上のピークが作れています。GA4需要と、11月以降は仕事量を押さえにいったのが要因ですね。

 

コストは前年比1.57倍となっており、増加分のほぼ全ては外注費(オレンジ線)+税金(黄色線)です。

以下は四半期別の売上・コスト・利益(2017年~)

 

コストの内訳は以下の通り

 

 小川給与:私が会社から毎月いただいている給料です

スタッフ・外注:秘書やスタッフへのお支払い及び、案件の外注費用

システム系:Salesforce / Pardot / AWS / さくらインターネット / AWS / Freee / Slack などのシステム利用料

保険・税金等:各種税金、及び退職金の積立など

その他:事務用品・消耗品・通信費・接待交際費・旅費交通費・会議費など

というわけで、外注費ががっつり増加。今年の売上増加に大きく貢献してくれました。前年の約3倍です。それ以外は費目は、金額的に去年とほぼ変わらずでした。

 

最終的な数値は以下の通り(12/28時点なのでここ数日で微修正はあるかも)

売上 コスト 利益 利益率
2017 ¥30,964,514 ¥-21,778,632 ¥9,185,882 30%
2018 ¥52,776,746 ¥-32,355,147 ¥20,421,599 39%
2019 ¥53,175,480 ¥-38,200,831 ¥14,974,649 28%
2020 ¥70,720,413 ¥-47,769,845 ¥22,950,568 32%
2021 ¥76,251,667 ¥-59,846,487 ¥16,405,180 22%
2022 ¥125,262,817 ¥-93,906,453 ¥31,356,364 25%
累計 ¥409,151,637 ¥-293,857,395 ¥115,294,242 28%

今年の振り返り

GA4に支配された1年でした。本当に大変でした。
特に3月からは、GA4への移行が大企業・中企業を中心に進みました。
弊社で今年は合計30社以上の移行を手伝いました。

 

ECサイトもあれば、Single Page Applcationのサイトもあれば、
100個以上のイベントを移したり、1社で数十サイトあったり、
2時間でさくっと終わるような内容など様々です。

このあたりは育成講座の卒業生を中心に大勢の方に助けていただきました。ありがとうございます!

 

私もGA4について情報収集⇒実践⇒アウトプットを続けた1年でした。
GA4ガイドやGA4資料の公開とアップデートも定期的に行い、
自社主催の勉強会や書籍なども発売しました。

 

外注先(ほぼ育成講座の卒業生)が増えた事により、受けられるキャパも
増えました。その結果外注費は3倍になりました。
しかしそれ以上に需要があり、全部対応することは出来ませんでした。

 

また見る件数も増えた結果、気にしなければいけない事がそれだけ増えるため
(つまり私が直接設計や実装を行っていなくても、途中での確認、QA対応、最終チェックなどが発生)精神的なストレスはここ数年で一番大きかったです。

 

これの対処の第一弾として
1)夏からの社内勉強会はすべてお断りさせていただく
※確実に小川の工数を使ってしまうため
2)同じく夏以降の、GA4新規導入・移行・分析案件をストップ
3)既存コンサル案件のうち、いくつかを終了
という形を取らせていただきました。

 

まだ既存案件が残っているため、上記対応を行った上でも今年は年末まで
忙しかったですが、来年以降は落ち着くはずです。

 

結果としては売上とコストは大きく増加し、利益額としては過去最大となりました。
また1億円超えの年間売上を達成しました。

 

しかしこの6年間の中でわかったことは、この状態を継続していくためには、今行っていることの再生産再拡大が中心となり、それを私自身は望んでいません。

 

更に外注先を増やして仕事や勉強会を受けていけば、今の売上の1.5倍、2倍も来年は可能かもしれません。しかし、会社を大きくして稼ぐというのは私のモチベーションにならない事がわかり、逆にストレスを抱えることがわかりました。

 

そこで、来年は大きく方針を変えようという判断を11月に下しました。
どのように変わるのか。以下をご確認ください。

 

来年に向けて

2022年はたくさんのお仕事をさせていただきましたが、会社名の通り「HAPPY ANALYTICS」だったかというとそうではありません。

 

仕事量の多さで自分も含め、不健康でHAPPYでは無い状態が1年の大半を占めました。
個別のクライアントが悪いということはなく(皆様本当にとっても協力的でした)
単純に私のキャパオーバーでした。

 

来年は家族環境も変わりそうなので、家庭と自分のHAPPYを最優先します。

 

そのため来年の方針として

1)社内勉強会だけではなく、外での登壇も極力減らす
  すでにお付き合いあるところは今後も基本ご一緒できればと考えております

 

2)新規のGA4導入案件は、HAPPY ANALYTICSとしては基本断る。
  Chief Analytics Officerを努めているFaber CompanyやUNCOVER TRUTH、
  アドバイザーとして入っているSORAMICHIなどをご案内し、
  弊社は関わらない形とします。
  既存コンサル案件に関しても少しづつ減らしていく予定です。

 

3)自分が好きなアクセス解析の情報収集と発信を強める
  GA4を活用した「分析と改善」についても、もう少し突き詰めていきたいです
  このあたりはすでにいくつか予定があり、随時発表できれば。
  書籍の改訂版も出す事になりそうです。

 

4)GA4で困っている人向けのサポートのプラットフォームを構築する
  こちらは夏頃になるかとは思いますが、現在模索中です
  初心者~中級者向けの困っている社内担当者に向けての
  サポート+αのイメージを想定しています(微課金を想定)
  
5)収入源は主に毎月の自社講座・既存コンサル・役員関連の仕事とする
  提案型ウェブアナリスト育成講座に関しては1年ほどおやすみをいただき
  来年後半に第11期を開催予定です
  自社講座に関してはライブ販売にも、動画販売を1・2ヶ月中に開始します


2023年の目標は、売上とコストの両方が今年の半分以下になることです。
普通、◯◯円以上と設定するかと思いますが、来年は売上とコストを減らすという
ところにコミットしたいなと。

その分の精神的そして肉体的な余裕を家族と、自分自身の知識アップに使います。

 


ほぼ私個人の会社なのでこういった形で大きな方向転換を設定することが可能です。しかし、それを来年実践する上で、「売上を伸ばしたい」とか「もっと直接役に立ちたい」という誘惑をいかに跳ね除けるかが重要かと考えています。

 

これは非常に強い誘惑でして、それを2021年・2022年は対応しきれませんでした。
特に今年はGA4の移行という一大イベントが有り(来年も続くのですが)
かなり体力と精神を使ってしまいました。

 

来年はスリム化した結果をこのブログで報告できればと考えております!

皆様良いお年を!来年もどうぞよろしくお願い致します。