<お知らせ>
この記事は移転しました。約5秒後に新記事へ移動します。
株式会社HAPPY ANALYTICS 公式サイトよりお読みください。
こんにちは、雪の降らない新潟でウェブ解析をやっている、提案型ウェブアナリスト兼ウェブ解析士の杉山です。
あるようで無かった、ウェブ解析の最前線に立つ小川さんと、ウェブ解析士協会代表理事、江尻さんの対談。
Chromeのサードパーティークッキー、AIや自動分析、SafariのItpなど、今後のウェブ解析の行方は?対談の中で特に気になった5つをピックアップしました。同時接続人数も最大70名を超えており、30分ほどの延長となりましたが、多くの方が視聴しコメントをされていました。
2020年とそれ以降どうなるか?
小川さん(以下、小)Chromeが2年後に向けてサードパーティークッキーを使えなくする。UAを廃止して固定化するという検討も進んでおります。取得出来る情報自体が大きく減ってくるのは間違いないでしょう。
江尻さん(以下、江)ここ数年では一番大きい変更ではないんじゃないですか?
小:複数回来てもらうことでコンバージョンに繋がるサイトや、同業他社が多いところ、ECサイトなんかが集客しずらくなってくる。Safariがすでに違う方式で取り組んでいますね(ITP)。
そのため集客については今まで以上に、ブランド認知(サイト名や特徴を覚えてもらう)が大切になってくることは間違いありません。戦いにくくはなるかと思いますが、その分様々な可能性があるのかなと感じています。
江:広告主とユーザーのいい接点を作っていくということですね。
これから先はどうなるか?
江:2025年とするとどうなっていくと思いますかね?
小:逆に5年前と比べると実際そんなに変わっていないんじゃないですか?
ソーシャルやアプリの台頭はありましたので、Webサイトそのものの重要度は相対的に下がってきているし、今後もその傾向は続くでしょう。
江:2015年はRTBみたいな、アドテクとかですかね?。
小:そうですね、広告周りが進化していったり、画像動画・SNS系とかですかね。
今後はVRとかARもウェブマーケティングや解析の対象範囲になってくるでしょう。それに伴って、先ほどもお話ししたようなプライバシーの問題も今後大きなテーマになってくるでしょうし。
江:VRとか、ARが出てくると、そこの広告やユーザー行動のトラッキングが必要になってきますね。
小:そうですね、ウェブサイトだけの分析はすでにきつくなってきていますね、サイトは無くならないけれど、ソーシャルメディアやアプリなどの範囲自体は確実に広がっていって、そっちも見ないとわからなくなっていくし、実際に見る案件も増えています。
江:僕らがウェブ解析と言った時に「ホームページを解析」してるけど、変わるよねってことですね。
小:そうですね、解析ツールがどうなっていくかはわかりませんが、分析の自動化も少しずつ進んでいくとは思います。そのため分析そのものよりは、データの設計の部分は2025年も確実に存在するし、重要度は増すかなと。
江:他には「個人情報を守る」ということも大事な仕事になってくるんじゃないかと、例えばログデータ取らないなどマスキングすることも重要になってくると思ってます。
小:そういった仕事が増える可能性もありますね、解析で取得出来るデータで何がOKかNGか我々がしっかり認識し、ウェブ解析士協会としても発信する責任があるかなと。
江:VRやARなど、トレンドを知ることが重要ですね。オウンドメディア+αが必要になってきています。
Cookieに代わる対応策はあるんですか?
小:FingerPrintingとかですかね*1。
江:Googleは嫌がっていますが。
小:後は、ユーザーが同意した上での会員登録をしてもらうような仕組みとかをサイト側が整えるなどかなぁ。
江:ユーザーが望まない形で個人情報(Cookie)を使うのがアウトになりますね。
小:そうなっていくでしょうね。ただ取得出来るデータが減っても、分析や改善は出来ると思っています。例えば、5年ほど前にGoogle アナリティクスでは検索キーワードが取得できなくなりましたが、それでもどうにかなっていたりするので。
AIや自動分析が進む中でどう生きて行けばいいのか
江:僕らはAIにとって変わられるんですかね?
小:AIとか自動分析は進んだ方がいいですね。むしろ、とって変わられた方がいいと思っています。
ここ数年、データ設計の仕事がすごく増えました。設計が間違っていると正しいデータが取れないし、自動分析しても精度落ちますよね。
江:リスティング広告とかもだいぶ変わってきてますよね、解析も上手く使えるように設計する、そうなっていくんですかね?
小:改善案を考えられる時間が相対的に増えるので、我々にとっては追い風かなと。AIは今あるデータでしか判断できないが、改善案は人間が考える必要があり、自分の引き出しやノウハウから出てくるものですし、そこは無くならないと思います。
小川さん、江尻さん、二人の今後のウェブマーケティングのあり方について。
小:一つだけあるとしたら、ユーザーに取って価値のあるKPIとか数字をを考えて、設定して行って欲しいですね。
例えば、コンテンツ(オウンドメディアなど)はユーザー(読んだ人に)の態度変容をさせることじゃないですか、旅行したい、やってみたいなど。そこをどうにか計測していくことが重要かなと。
ユーザーに取って価値があるか無いかの指標を測る、ウェブマーケティングを意識していただけると良いかなぁと思います。
江:ユーザー軸のKPIやウェブマーケティングと言うことですね。それは僕は全く同感で、もう一つ言うと、そいういった事を経営層とか幹部層に適切に伝えて納得してもらいやすいのは、多分マーケターではなくて解析士なんかじゃないかと思っています。
小:そうですね、満足度が高いユーザーは繰り返し来てくれるとか、購入してくれる確率が高いなど、データで分かれば、そこもきれいに繋がりますね。ちょっと中長期的な指標になるかと思いますけれども。
江:中長期的な指標を大事にして、ユーザーを見ましょうということですね。
視聴しての感想
他にも音声検索や、アクセス解析の力をつけるための方法、地方のウェブ解析士の活動についてなどもありました。
比較的共通して言えることは「ユーザーの事を見て、解析設計や分析、改善提案を進めていく」事が大事かなと感じました。
地方にいると、ウェブの技術の進み方に必ずしも対応できると限らない(資金的にも、人員的にも)企業さんもいるのですが、無理して対応するのではなく、ユーザーを見て、できることをやっていこうかと思います。
ウェブ解析士協会では、もしかしたら今後も対談があるかもしれないとの事です、気になる方はこちらからどうぞ!
(一社)ウェブ解析士協会
江尻さんTwitter
*1:という話をしていましたが、前述のUserAgent回りの方針などを見ると、こちらは今後相当厳しそうですね