2018年も間もなく終わります。HAPPY ANALYTICS という自分の会社を作ってから、丸2年となります。
というわけで今年も1年間の取組を色々と振り返っていきます。最初に書いておきますが、長い(全部読むと20分くらい)ですので実家に帰省中とか、暇なときに一読いただければ!
去年(2017年)と一昨年(2016年)の記事へのリンクは以下からどうぞ。
長いので3行にまとめると
1)稼働時間1,873時間と前年比で若干減り、売上は1.7倍に
2)個人コンサルやセミナーの時間が増え、役員コンサルや執筆の時間が減少
3)自社主催の「中上級者向けの全10回育成講座開講」、Adobe Summit 2018 報告会の実施、観光協会やアフィリエイト協会など新しい場所での講演機会、書籍の監修、Lancersとの取組など新しい事にも色々チャレンジした
簡単に自己紹介
ウェブサイト分析や改善提案、コンサル、講師、執筆などを行う「ウェブアナリスト」として活動しています。事業会社で10年以上働きつつ様々な社外活動をした後、2015年にフリーに。2017年1月に「HAPPY ANALYTICS」として法人化。単著6冊、その他共著多数。詳しくは以下をご覧ください。
2018年の主な取り組み
2018年1月
・10月にリニューアルされるサイトの方針を決めるため、ごりごりウェブサイト分析
・改訂版の書籍に向けての変更・追加執筆
2018年2月
・@tsujさんのご紹介で、はてな公式ブログで3本ほど記事執筆。
・新規サイト立ち上げに向けた分析要件やKPIの設計
・監修した書籍「Googleデータスタジオによるレポート作成の教科書(マイナビ)」発売
2018年3月
・年度末でお仕事忙しさMAX。アプリの分析、コンセプトダイアグラムのワークショップ×2など
・そんな中、3月末にAdobe Summit@LasVegasに参加。情報とモチベーションのアップデート
2018年4月
・リニューアルを控える巨大ECサイトのGoogle Tag Manager / Google アナリティクス(拡張eコマース等)の各種設定やテストに大量に時間を使う
・新卒向けの研修等などもいろいろと
2018年5月
・中上級者のウェブアナリストを対象とした、自社主催の全10回講座「ウェブアナリスト育成講座」をスタート。第1期生は14名
※現在は2期生向けの授業を開講中、3期は2019年5月より開講予定
・Chief Analytics Officerを勤める、株式会社SoZoでのアドバンス講座開始
2018年6月
・顧問を勤めるウェブ解析士会議 2018で登壇
・「現場のプロがやさしく書いた~」の改訂2版が発売。1/3程内容を変更しました。(おかげさまで11月に増版かかりました)
現場のプロがやさしく書いたWebサイトの分析・改善の教科書【改訂2版】
- 作者: 小川卓
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/06/19
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2018年7月
・新たに愛媛での案件がスタート(12月に第1弾終了)
・電子書籍系サイトや、住宅系サイトのデータ取得設計などをごりごりと
2018年8月
・アプリ分析に関する講演
・「東京2020オリンピック絡み」の分析案件
・ログリー さんとの取組開始
2018年9月
・2日間で12時間の新人研修講師。。。
・ウェブアナリスト育成講座1期生卒業
・新規案件がいくつか開始
2018年10月
・初タイ旅行(’バンコク&プーケット!)
・ウェブアナリスト育成講座第2期開始(第2期は8名)
・ベーリンガーインゲルハイムとの案件スタート
2018年11月
・デジタルハリウッド大学院でのアクセス解析の講義開始(今年で5年目)
・ノートPC ( VAIO A12 )と携帯 ( Mate 20 Pro ) 買い替え。初Android端末メイン
・監修したGoogle Optimize本発売
Googleオプティマイズによるウェブテストの教科書 ~A/Bテスト、リダイレクトテスト、多変量テストの実際~
- 作者: 井水大輔,大柄優太,工藤麻里,瀧里絵,針替健太,松本大河
- 出版社/メーカー: マイナビ出版
- 発売日: 2018/11/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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2018年12月
・ランサーズさんとの取組開始
・自社でSalesforce Essentials 導入。来年から活用してまいります
稼働時間
2016年~2018年の稼働時間は上記の通り(移動時間除く・作業時間含む)。
年間で集計すると
2016年:約1,700時間(月平均142時間)
2017年:約2,100時間(月平均175時間)
2018年:約1,873時間(月平均156時間)
今年は2,000時間以内に収まりました。去年は新規の書籍執筆もあり、かなり時間を使いましたが、今年は大丈夫でした。ただ毎年3月~6月が稼働時間多くなりますね。そして寒くなり始めると少し落ち着くと(10月は旅行のため、12月は年末だからという感じですね)。来年も2,000時間以内に収めたいものです。
仕事内容の内訳
2年連続で、役員コンサルが減り、個人コンサルが増えました。そして書籍が大きく減り、セミナーの比率が2017年比較で増えていますね。時間にすると以下のような感じです。
役員コンサル | 個人コンサル | セミナー | 執筆 | 会社 | 合計 | |
2016年 | 948 | 251 | 319 | 188 | 1,706 | |
2017年 | 631 | 552 | 396 | 429 | 104 | 2,112 |
2018年 | 386 | 799 | 538 | 84 | 66 | 1,873 |
前年比 | 61% | 145% | 136% | 20% | 63% | 89% |
それぞれの定義は以下の通りです。
■役員コンサル
Chief Analytics Officerなどの役職あるいは役員として働いている、UNCOVER TRUTH、FaberCompany、Sozo、日本ビジネスプレス(NEW!)の4社の合計。
■個人コンサル株式会社HAPPY ANALYTICSとして直接依頼を受けている分析やコンサル案件
■セミナーデジタルハリウッド大学院の客員教授、社内勉強会、講演依頼をいただいての外部セミナー登壇、自社主催のウェブアナリスト育成講座(役員コンサルで行っている講演は、役員コンサル側にて時間計上)
■執筆
書籍に執筆、監修でのチェックや校正、外部媒体(雑誌・ネット)等での連載など文章を書いている時間
■会社
経理回り、毎月のミーティング、その他もろもろの業務(大半は秘書が担当)
セミナー
2011年以降のセミナー(社外講演・社内勉強会含む、大学院の授業除く)回数です。これ以上増えないかなと思っていたのですが、結果増えました。ここ数年、ご講演依頼件数が多い Markezine Day あるいは 宣伝会議 は減らず、新たに自社開催のウェブアナリスト育成講座が増えたのが一番の要因かなと。
月別で見ると
月 | 件数 |
1月 | 6 |
2月 | 15 |
3月 | 12 |
4月 | 8 |
5月 | 11 |
6月 | 10 |
7月 | 15 |
8月 | 11 |
9月 | 10 |
10月 | 7 |
11月 | 12 |
12月 | 11 |
合計 | 128 |
という感じです。意外と2月が多かった。4月や10月は年度始まりのところが多く、その時期は登壇が若干減りますね。1月も最初の2週間くらいはセミナーが少ない印象です。
今年も全国各地から、勉強会や講演依頼をいただき色々な所でお話させていただきました。東京以外では、大阪・栃木・名古屋・愛媛・富良野・郡山・札幌・福岡あたりですね。やはり色々な所にいけるのは大変楽しいです(滞在が24時間以内場合も多々ありますが)。来年もこのような機会を楽しみにしております!
セミナーはどれも印象的だったのですが、敢えて5つ(ウェブアナリスト育成講座除く)あげるとすれば
1:Adobe Summit 報告会 2018
ラスベガスで開催されたAdobe Summit 2018の報告会を行いました。自社で主催するセミナーって普段行っておらず(年1回くらい)、クリーク・アンド・リバー社にもご協力いただき、無事に100名集めることもできました。他ではなかなか聞けない内容だったかと思いますし、全体的に好評でした!2019年もAdobe Summitに参加し、報告会を行う予定です!
2:パーソル社での社内研修
最近はあまり話す機会が無い、アプリの分析に関するテーマでしっかりお話しできたということで、内容という面において特に印象的です。
3:富良野と郡山での観光協会向けの講座
11月に2か所の観光協会で講演させていただきました。富良野の観光協会では3時間の講義、郡山の観光協会ではワーク&発表もある2日間の講義でした。観光協会の現状を知ることが出来たり、地域ならではの情報交換や食事も楽しんだりと印象的でした。
4:UNCOVER TRUTHの大型イベント「USERDIVE connect 2018」とFaber Companyの大型イベント「ミエルカユーザー会」
Chief Analytics Officerを勤めている2社で、200人規模の大型のイベントが11月~12月に開催されました。前者では座談会のモデレーターを、後者では貴重講演を担当させていたいただきました。
まだ人数が少ないころから両社を知っていますし、一緒にお仕事した(している)方もたくさんいるので、こういった大型イベントが開催されるのは感慨深いです!来年も貢献できれば。
5:アフィエイト協会での講演
初めてのアフィリエイター向けの講演という事で、難易度や内容をどうするかをかなり迷いました。結果的に全部盛りの内容にはさせていただきました!分析TIPSから、具体的に改善施策そして各ブログの一言改善コメントなど。多くの方に喜んでいただけたようでよかったです!
他にも「IT Search+ の100回目記念講演での登壇」や「清水さんと一緒に行った講演」をはじめ印象的なものはたくさんあるのですが、これ以上書くと更に長くなりそうなので、これくらいにしておきますね!
役員コンサル
前年と比べて時間が減りました。UNCOVER TRUTH社が特に減りましたが、これはネガティブな理由ではなくアナリストの人員も倍以上に増えてしっかり運用が回るようになったからであり、私が自ら出ていく必要が無くなったというのも大きいかと思います。
それでもいくつかの案件でコンセプトダイアグラムを担当したり、有名アパレルブランドのユーザー軸での分析を行ったりなど、何度か登板機会がありました!
Faber Companyでは社内研修やミエルカユーザー向けの勉強会が中心でしたが、dShoppingのリニューアル時にGoogleTag ManagerやGoogle アナリティクスの設計・設定等を担当させていただきました。詳しくはこの辺り
SoZoでは、ブライダル式場の担当者向けのGoogle アナリティクス講座 なども行い、今年から新たにChief Analytics Officerを担当している、JBpress では毎月ブログ記事を執筆したり、提供しているCMS「Media Weaver」を導入している企業の分析・改善提案なども行いました!
というわけで時間は減ったものの、内容は充実していました。
個人コンサル
時期によって変わりますが、定期的にミーティングをしたり、スポット(数か月~半年くらい)で分析を行ったりと、同時進行している案件は大体10~15社になります。毎月定例を行っている会社が7社ほどあり、それ以外にスポットの案件が常に複数あるというような形です。
大企業、外資系の製薬会社、広告代理店、制作会社、ベンチャー企業まで対象会社やサイトは様々です。スポット分析もあれば、運用レポート作成もあれば、KPI設計もあれば、コンセプトダイアグラムのワークショップもあれば、GTMやGAの設定など幅は非常に広いです。
また去年も書きましたが、単純な分析案件は最近は少なく、ゴールやKPI設計そして、その先の実装設定系の案件がここ2年くらいは増えている印象です。
以下の図でいうところの「Define」や「Measure」系の案件ですね。
来年は少し幅を広げた案件もいくつか手掛けていきたいと考えております。早速来年1月から広島で新しい案件が始まるので、こちらも楽しみです!
執筆
今年は新しい書籍の執筆は無かったのですが、既に記載した「Google Optimize」と「Google Data Studio」の書籍を監修させていただいたり、マイナビから出している書籍の第2版を出したりというのが紙媒体での主な動きでした。昨年発売した、以下の書籍も何度か増版がかかり、9,500部となりました。
「やりたいこと」からパッと引ける Google アナリティクス分析・改善のすべてがわかる本
- 作者: 小川卓
- 出版社/メーカー: ソーテック社
- 発売日: 2017/08/09
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
その他、ウェブ上では様々な記事を今年も書かせていただきました。
・KOBITで毎月記事を書いています
・JBpressでもブログを毎月書いています
・他にも以下のような媒体で、執筆あるいは登場しています
"達人"が歩むデータ解析の道 - HAPPY ANALYTICS 小川氏:IT Search+スペシャルセミナー100回記念|データ分析|IT製品の事例・解説記事
小川卓氏が見せた! Googleアナリティクスのライブ解析。成果を生み出す秘訣を学べ | ウェブ解析士会議2018 | Web担当者Forum
流入数439%にアップ!利用者拡大に悩んでいたdショッピングが選んだ起死回生の方策とは (1/4)|ネット通販情報満載の無料Webマガジン「ECzine(イーシージン)」
【失敗から示唆を得る】パソナの事例に学ぶ目標を確実に達成するサイト改善 (1/3):MarkeZine(マーケジン)
パソナ事例から学ぶ、Webサイト改善における正しいKPI設定 (1/3):MarkeZine(マーケジン)
小川卓のブログ分析入門 カテゴリーの記事一覧 - 週刊はてなブログ
他にも多分色々あるかと思いますが、とりあえず検索して見つけたやつをぱらぱらと!
そういえば嬉しかったのは、以前6年間働いていたリクルートの社内報「かもめ」で、インタビューいただき記事として取り上げていただいたことです。覚えていてくれて有難いですw
会社
HAPPY ANALYTICSは、私と、社員ではないですがお手伝いいただいている方が現在2名います。秘書の工藤さんと、MA回りを見てくれる飯村さんです。去年も今年もこの3名体制で進めました。
会社として今年大きなチャレンジだったのは、「ウェブアナリスト育成講座」の開講ですね。自社での継続型セミナーという事で新しいチャレンジとなりました。今のところしっかり進めることが出来ており、現在は2期生向けに講座を行っています。来年5月から3期生も開始予定です。
講座設立の思い
第1期生振り返り
また今年はいくつかのマーケティング系ツールも導入し、さらなる効率化を図りました。2018年12月現在、HAPPY ANALYTICSは以下のシステム等を利用しています。
■ウェブサイト( http://happyanalytics.co.jp ) の構築「ferret One」
■リード管理やメール配信「Mautic」
■案件管理「Trello」
■日常のやりとり「Slack」
ウェブサイトに来たお問い合わせ等に関しては、Zapierを使ってSlack連携をしていたりなど、細々したことも試しています。
■会計管理「freee」
来年1月からはSalesforce essentialsの活用をはじめ、更に色々チャレンジしていこうと考えております。
収入
月別の売上(毎月の口座への入金額)での推移は下記のとおりです。さすがに実数だすとアレなので、なんとなく相対的に見ていただければ(フリーになった2015年4月より掲載)。
そして年単位で見た時は以下のような感じです。
2014年(Amazon在籍時の給料+講演や執筆などの合計)を100として計算。2015年4月にフリーになったその当時と比べると、収入は伸びました。2015年⇒2016年が40%増、2016年⇒2017年が8%増 そして、2017年⇒2018年が70%増となり、今年は大きく伸ばすことが出来ました。
今年、大きく伸びた原因を挙げるとすれば
・ウェブアナリスト育成講座の開講
・(単体で見てしまうと、売上貢献が低い)書籍執筆の時間が減り、その分の時間をコンサルやセミナーに充てることが出来るようになった
・4月~6月に大型の案件が集中した
・分析だけではなく、その手前の設計や設定など案件の幅が広がった(=案件の単価が上がった)
・業務の効率化
あたりかなと考えております。個人的には、出来すぎな一年でした。
月を軸にしたデータも、確認してみましょう。
そして月別の売上データを見ると特徴がありそうですね。
・10月は旅行に行くことが多く、仕事時間が少なくなり、その分11月~12月の収益が下がる。
・1月~3月は案件が多く、それの振り込みが4月~6月くらいに山となって出やすい。
・9月は8月のお盆休みの影響もあり稼働時間が少ないため下がりやすい(セミナー数がそもそも少ない)
ちなみに、コンサルティングやセミナー業がメインのため、経費等は一般の企業と比べるとかなり低いかと思います。
主な経費は、私の給料・工藤さんと飯村さんへの支払い・自宅のオフィス費(家賃の一部)・携帯電話利用料・各種サービス利用料となります。その結果、経常利益は売上の50%を超えています。
今年の振り返りと来年に向けて
今年は自分が想像していたよりも成果が出た1年でした。大きく体調を崩すこともなく、ご依頼いただいたすべてのセミナーに登壇出来ましたし、案件の遅延などもありませんでした。成果を出せた案件も多数あり(出なかった案件も当然ありました…)、特にセミナーや育成講座など様々な人に解析に必要性や魅力をお伝えできたと思います。
分析やコンサルティングという意味では、自分の得意領域を中心に少し広がった1年でもありました。2019年は自分の範囲を少し広げつつ、リード獲得の強化 及び その時の案件増に対応出来るための、分析を依頼できる人材を増やす(接点強化&育成)活動も行います。
この辺りは2018年にトライアル的にチャレンジしており、数名に複数の分析案件を依頼させていただき、無事に納品いただきました。
リード獲得に関しては、営業面においてサポートいただける人員が増えます。Salesforceなどもしっかり活用していこうかなと。なので来年は私+3名体制で頑張る予定です。
外部からのお仕事依頼の「窓口」を増やすために、まず第一弾としてランサーズでの取り組みが今月公開されました。
そして、それ以外にも(今のところ)2つほど更に取り組みを進めているところで、1月~3月の間にはお知らせできるかなと考えております。
また今の育成講座を地方の方や物理的に来れない方が受けやすい仕組みも準備中でして、こちらは来年の上半期にお伝えできればなと。
「上場したい!」とか「社員増やしたい!」という思いは設立当初から無く、今後も無いと思うので、引き続きこんな感じで進めていきたいと思います。健康を意識しつつ、楽しむ&自分自身と回りが成長する!という事を主眼に2019年も取り組んでいきます。
本記事に関しての質問等ありましたら、以下サイトから匿名で 質問することができますので、どうぞー!本記事に追記する形でご返信いたしますね。