「清水式 ビジュアルWeb解析」をオススメする3種類の人間 1)解析漬けの人 2)目標やKPI設計をする人 3)自社あるいは他社のサイト改善を担当している人

翻訳を除くと、清水さんの初めての書籍になります。献本いただき、ありがとうございます。
ビジュアルWeb解析という今までにはない視点、清水さんしか書けない一冊になります。



私が思うに対象は、アクセス解析初心者ではなく、WebサイトのゴールやKPI設計に携わるWeb担当者・コンサル・マーケター・アナリストになります。特に普段からデータを見て、アクセス解析ツールの指標に慣れてしまっている人にとっては、ぜひ読んでいただきたい一冊です。

それはなぜか、簡単に言うと「今までの解析の指標は使えない!ユーザーの思い→ユーザーのアクションを測定できる指標を見ていこう」という内容になっているからです。つまり、今までの経験則や前提をいったん取っ払って考えることが、改めて大切だと思わせてくれます。特に私みたいな人に最適です(笑)


単なるビジュアライゼーションに終わらず、そこから指標と分析に落とし込むところまで説明しきっており、自らが実践しやすい内容となっています。もちろん、ビジュアライゼーションに関しても、しっかりExcelの機能の使い方や、グラフ作成TIPSなど盛り込まれています。最後の「ナポレオン」の話は、読み物としても純粋に面白いです。


ビジュアルWeb解析というタイトルだけあって、読みやすさ・レイアウト・体裁は非常に工夫されています。今どきのデザインで、シンプルかつわかりやすい構造になっています。また、この書籍の構造自体が、清水さんが本書で提唱する「コンセプトダイアグラム」の作りとなっているところもユニークです。



気を付けないといけない点としては、事例などもたくさんありますが、基本的には「手法」を中心とした書籍であるということです。つまり、解析ツールの使い方は1ページもありませんし、チェックポイントの「目標設定や数値の決め方」なども特に言及はありません。その辺はすでに理解している、あるいはほかの書籍で学んでくださいということです。


書籍を読むと、コンセプトダイアグラムを作りたくなる!そして、その作り方がわかりやすく説明されている!と必ず感じます。そして、作成することでウェブサイト運営側の言葉ではなく、ユーザーの言葉で運営しているサイトやビジネスを語れるようになり、関係者全員で共通の方向性を持てることも間違いないでしょう。



(ここから、宣伝)
この書籍の内容を活かそうと思うと、つまづくポイントが2つありそうです。1つは「社内でしっかり、この内容を共有し理解を得ること」もう1つは「設定したチェックポイントや行ってほしいアクションを、どのように計測し分析するか」ということです。


後者に関しては、宣伝会議主催で、清水さんと一緒にコンセプトダイアグラムのセミナーを行うことになりました。清水さんがメインでお話をされ、私は最後の1時間半でコンセプトダイアグラムを作成した後に、設定したチェックポイントやアクションをGoogle アナリティクスを中心に、どのように計測するべきか・分析するべきかについてお話させていただきます。



詳細は以下リンクからご確認ください。

Googleアナリティクスなどの解析ツールを活用したWeb改善講座

3月27日(東京)
3月30日(大阪)
4月20日(東京)


上記が確定しておりますが、同エリアでの追加開催や、九州での講演も予定しております。


(ここまで、宣伝)


最後に

読んでみて素直に「あ〜なるほど、この視点とコンセプトは絶対に必要だ」と思わせてくれました。読むことで解析の知識がついたり、Google アナリティクスがうまく使えるようになったり、するわけではありません。しかし、それよりもっと大切、そして分析の前提となる、自社とお客様にとって良いサイトを作るための道しるべを手に入れることができます。


データを通じた分析や改善業務を行う中で「なんか、この指標や数値に納得感がないんだよね」とか「上司やクライアントにいまいちレポートや改善提案が伝わりにくいし、通らないんだよね」と思うことがあれば、本書はそれを解決するのに大いに役立ちます!