「DoubleClick Forum」レポート


「DoubleClick Forum」〜進化するネットマーケティング技術とそのトレンド〜 に参加してきました。仕事の都合で、
『「基調講演:次世代マーケティングプラットフォームと経済のリワイヤリング」時事通信 編集委員 湯川 鶴章 氏』
及び
『「アクセス解析で加速する、価格.comのWebマーケティング」株式会社カカクコム プロダクト本部ショッピングメディア部アクセス解析チーム 浅川 暁 氏』
の二つのみの参加でしたが、自分が良いと思ったところ、講演を受けた感じたことを書いてみます。

「基調講演:次世代マーケティングプラットフォームと経済のリワイヤリング」時事通信 編集委員 湯川 鶴章 氏

私のブログでも書評を書かせていただいた「次世代マーケティングプラットフォーム」の内容が中心でしたが、補完・補強する内容が多く、更にいろいろ考えさせられました。


・変化は周辺から起きるが一気に拡大する物ではない。インターネットの接続が、従量制→テレホーダイ→常時接続くらいになって初めて変化がボリュームゾーンになりコアが減っていく。イノベーター理論に通ずる物がある気がする。


・マス文化→個に対するきめ細やかなサービス(1to1ターゲッティング)という流れが起きている。現在はまだ立ち上がり段階なので技術的・コスト的な制約も含め、まだインターネット接続で言う「従量制」の状態だが、この流れ自体は多分止まらないの事。もし止まるとしたら、講演でもあった「プライバシーの課題」。もっと端的に言うと、「なんとも言えぬ気持ち悪さ」というのがストッパーになるかも知れない。クローン技術(その便利さ及び優位性と、倫理観の視点が似ているのかな)とか?よく分からないが(汗)


・まだレコメンドは黎明期。ビジネスチャンスは転がっている。ただし一社が単独で行うのではなく、複数の会社が情報を共有し、協働していく事が必要。私自身も(半匿名でも良いので)ログデータそのものを共有出来る仕組みがないかな?といつも思っています。


・やっぱり鍵はオンラインとオフライン連携。今でも出来無くないのだが、簡単にできないのが難点。Omnitureが提供する、Genesisというサービスはオンライン同士の(しかも違う会社同士の)データを(比較的)簡単に連携させる事が出来るが、オフラインとの連動はまだ出来ない。BIツール等を使ったりするしかないが、まだまだハードルが高く、技術とコストのハードルを越えられる企業は非常に限られている。


・現場レベルで考えると、確かに次のステップである事は間違いないし、大切な事だと考えているが、それを浸透・共感してもらい、決裁を取るところまでは非常に大変。費用対効果が事前に分らないものなので、投資がこの景況の中では結構厳しそうだ。。。


・自分も会社の中で話をしたりしていたり、この講演でも話があったのだが、「最適な情報」だけを提供するのではなく、その周辺の情報をどう提供するか?が難しいところ。つまり「ずらし」が重要なのだが、これをテクノロジー化するのが非常に難しい。


・今回の講演では目線が企業とカスタマーだが、クライアントという視点も重要だと個人的には考えています。カスタマー満足度だけではなく、クライアント満足度を上げる(つまりクライアントへの最適化)という事も行わないといけないのだが、どう考えていけばいいのだろうか?悩ましい所です。

アクセス解析で加速する、価格.comのWebマーケティング」株式会社カカクコム プロダクト本部ショッピングメディア部アクセス解析チーム 浅川 暁 氏

アクセス解析ツール「SiteCatalyst」を導入し、それをどう活用して社内に浸透させているかという現場の貴重な話。とっても参考になる中で、特に大事と感じたり、気づいたこと。


・カカクコムの全サイトにSiteCatalystを導入するのに9ヶ月かかっている。要件定義と設計が大切なツールなだけに、やはりこれくらいはかかるのだなと改めて感じた。


・最適なログデータの取り方(ページ粒度)がやはり大切。この設計を間違えると、問題点の追跡で合ったり、最後の絞り込みが非常に難しく、改善をしていく事が難しい・。


・データを貯めて分析していく事によって「事前把握」が可能。これによってトレンドが起きてから対応するのではなく、トレンドが起きる前にトレンドに備えることが可能に。


アクセス解析を社内に根付かせるためには、「認知」及び「翻訳」が大切。ここで言う翻訳とは「利用する人に対して分かりやすさを担保してあげる」という意味。大半の人にとってアクセス解析は、まだまだ難しい。


アクセス解析担当が分析するのではなく、コンテンツ担当者やサイト管理者が分析をする事が重要。なぜならサイトの事を一番良く分かっているのは、その人たちなのだから。


お礼

改めて考える機会をくださった湯川様・浅川様、前日にご連絡いただいたダブルクリック社のご担当者様、弊社とビジネスを行っていて「ブログ見ているよ」と声をかけていただいた皆様、ありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。