アクセス解析の画面あるいはログデータを実際に扱う人は、よくいろいろなレポートを出してくれ!と言われたりするかと思います。
「このレポートの出し方がよく分らないから代わりに出して(マニュアルに載っているでしょうが)」とか
「データの出力が遅いから代わりに裏からひょいひょいと(裏ってどこだよ)出してくれ」
というレベルの物から、画面で出てこないような
「会社名だけで流入してきた人と、会社名+地域という複数検索ワードで入ってきた人、どっちがコンバージョンレートが高く、また売上に貢献しているか」とか
「A→Bに直接遷移し、その後に1回でもページCを踏んだセッションのコンバージョンレートを知りたい」
「過去に一度でもメルマガのリンクを2回以上踏んだ人のその後の購入率を知りたい」
といった物まで様々な依頼が舞い込んできます。そんな人を(昔は自分も含め)大勢見てきました。こういった山ほど来るデータ出し依頼に対して、どう対応していけば、データ依頼側も納得し、出す側もスケジュール通りに正しいデータを提供出来るのでしょうか?
データ出力依頼があった時に、以下の質問を自分あるいは相手にしてみてください。
1)売上や利益に影響があるのか
データが無いと売上や利益が落ちるのか?ただ興味本位で見たいデータであれば優先順位は当然下がるべきである。会社の売上や利益に貢献するのが会社で働いている一員の勤めですからね。
2)誰がデータを必要としているのか
自分の同僚なのか?あなたの上司なのか?上司の上司なのか?いろいろ思うことはあるかもしれないが、偉い人に依頼された物は優先順位を上げて早く提出しよう。世の中そんなもんです(笑)
3)依頼内容の難しさは
依頼内容の難易度によって、結果を出せる時間は変わってきます。想定時間を算出出来るようになる事はとっても重要です。非常に時間がかかりそうな場合は「何がネックになるのか?」を考えてみよう。それを迂回する方法があるのだろうか?もし迂回しても得られる結果に大きな違いがないのでは、より短い時間で結果を出せる方法を相談してみてはどうだろうか。依頼する側も出す側も早いに超したことはないので。
4)依頼元でデータを出す方法は無いのか?(ちゃんと教育をしよう)
簡単なデータ依頼出しに関しては、データを出してあげるのではなく、その手法を教えるべき。教えるのにちょっと時間かかっても、その後、毎月毎月データ出しを依頼される事の苦労を考えれば、手法を教えてあげるほうがよっぽどお互いのためだろう。すぐにデータが出せるような物ばっかりやっていると、ちゃんとした分析に使う時間が無くなってしまいますよ。
5)いつまでにそのデータは必要なのか?
取得や分析に時間がかかるデータ出しは明日出てくる可能性は低い。特に他にも出さないデータがいっぱいある時は。依頼する側は「なるはや」という言葉が大好きだが、受ける側はこれに対して「期待値調整」をしなければいけない。また本当にいつまでに必要なのかという「ヒアリング」が大切だ。これを見誤ると、1週間後に必要なデータを、徹夜して翌日に出す羽目になります。
6)そのデータは何に使うのか?(あるいはどういう問題に答えようとしているのか?)
何故そのデータが必要なのか?を伝えることは依頼する側がやるべき事である。興味本位で知りたいのか、あるいは何かの判断をしたいからなのか。データを出す側は「何故」を聞くことにより、もしかしたらより早く、より意味があるデータを提案出来るかもしれない。現実は、依頼する側はデータの利用目的を伝えてこない場合が多い。であれば、データを出す側が聞くしかない。これもお互いのためになる行為だ。
7)結果を基にどのような判断を下せるのか?
前項目と似ているが、データを依頼する側は結果を想定する必要がある。大抵求めている事に対して解答は2つだ。「はい」か「いいえ」この二つしかない。それぞれの結果が出たとして、どのようなアクションが取れるだろうか?これを事前に考えておくことによって、データ出しを待っている間に出来る作業があるかもしれないし、もしかしたらそのデータ自体が必要なくなる可能性があるかもしれない。
データ出しを依頼する側も、データを作る側も、お互いに内容をはっきりさせた上で、気持ちよく仕事が出来るような環境を作っていきましょう。上記以外にも何か気をつけていることや聞いていることがあったらコメント欄で共有いただければと思います。