ウェブコンサルや勉強会講師の「料金の決め方」と「公開している理由」(HAPPY ANALYTICSの場合)

私が代表を務めている HAPPY ANALYTICSではウェブサイトの分析・コンサルティング・勉強会などを業務としており、その料金を公開しています。

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例えばコンサルティングであれば以下の通りです。

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勉強会であれば以下のページをご覧ください。

happyanalytics.co.jp

 

このように料金をオープンにしており、また会社の大小や、依頼主との関係性などは考慮しない一律の値段となっております。カスタマイズの大小によって若干値段はぶれますが、8割くらいの案件は書いてある通りそのままの値段です。

 

この記事では「どのように料金を決めたのか」そして「公開している理由」について紹介をいたします。基本、社員は私(と奥さん)しかいないので、それを前提にした記事内容となっております。

 

注:2020年1月時点の内容と状況であり、今後変わる可能性があります+既にこの記事を読んでいらっしゃる時点で変わっている可能性があるのでご了承ください。

 

 

勉強会の場合の料金体系

勉強会については割とシンプルです。外部でご講演の依頼をいただく際に、依頼元から提案いただく料金を参考にしています。

 

外部からの講演依頼金額は1回あたり数万円~数十万円くらいです(テーマや講演時間によって変動)。そこで社内勉強会や社員研修等でも、同じくらいの金額を意識し5万円/1時間を基本としています。

 

稼働1時間で5万円は高いのでは?という意見もあるかと思いますが、勉強会に関しては「今までの知見」と「資料作成時間」もあるので、これくらいの金額で行っております。

 

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なお、該当セミナーや勉強会の参加人数で値段は変えていません(また主催者が有料or無料で開催するかも考慮していません)。

 

人数が多いと金額を上げるという考え方もありますが、人数が多いほうが「解析の事を伝えられる人数が増える」という事を私としてはメリットに感じているので、人数によって変えない形をとっています*1人数によって変えるのが面倒というのもある。

 

複数回の開催で、間で宿題を出してフィードバックを行っていく形式だと、その部分での工数が発生するので金額が変わってきます。
基本的にはなんとなく「相場」があってそれをベースに考えているという感じですね。

 

コンサルティングの場合の料金体系

コンサルティングの場合は大きく分けて3種類あります。

1:分析やレポート作成など具体的な作業が発生するもの

2:知見を提供するためにミーティング等に参加する

3:その他もろもろ

 

それぞれについて説明していきます。

 

1:分析やレポート作成など具体的な作業が発生するもの

こちらに関しては(想定)稼働時間 × 時間単価 で工数を計算しています。案件をいただいた時に、かかる時間を今までの経験から算出します。例えばある案件でかかる時間が10時間だとしましょう。

 

その後に、10時間 × 時間単価 = 見積もりのベースとなる金額

 

という形で算出しております。

 

時間単価に関してはある程度、自分の中でガイドラインがあり、

 

1.5万円~3万円/時間
1人月(160時間)換算で 240万円~480万円

 

といった金額帯になります。時間単価の幅は難易度や希少性によって変化します。例えば英語で資料作ったりすると単価が高めになるので。

 

valueagent.co.jp

 

例えば上記記事で紹介されている、金額のざっくり1.5倍~2倍くらいかなと。また他のコンサルティング会社やツールベンダーのコンサルティング費用などを元に設定をしております。

 

ウェブアナリティクス界隈の(自称)上位プレイヤーの一人としては、安すぎるのはあまり良い影響がないと考えており、これくらいの金額感で行っています。*2

 

なお金額のレンジに関しては会社規模等では変えておりません。あくまでも案件の難易度やスキルの専門性(例:英語でTableauを使ったレポート作成と分析を行うなど)などによって変わってきます。

 

【余談】成果報酬型に関して

コンサルティングを成果報酬型にするのが良いのでは?という話を時々聞きますし、私も何度か検討しました。例えば「サイト改善によってコンバージョン率や数が●●まで上がったら■■万円とする。上がらなかった場合は0円あるいは最低コストとする」みたいな契約形態です。

今まで何度か提案をしたり、議論したりしたのですが結果実現に至っていません。そして実現に至らない理由は双方にあるのかなと思っています。

 

コンサル側からすると(事前ヒアリングや調整していたとしても)提案施策を実行してもらえない可能性がある。あるいは聞いた話だと、契約終えた後にその施策が実行されていたという話も。

クライアント側からすると、大体事前に決裁を取るが、決裁金額がFIXしないため社内で通しにくい

 

「施策が実行される可能性が極めて高い+相手が役員や社長でそういった予算レンジがあっても決裁可能」及び「条件定義が明確に出来る」場合に限り実行出来る可能性があるかなと。ということで色々と難しいなと。

 

時間単価に関しては色々とご意見あるかとおもいます。「安すぎる」「高すぎる」などありましたら、ぜひコメント欄か個別にご連絡いただけばー! 

 

2:知見を提供するためにミーティング等に参加する

こちらに関してはシンプルに講演と同じ感覚で決めております(5万円/時間)。

 

知見提供には「ミーティング中にGoogle アナリティクスのアカウントを見せてもらいその場で分析して改善案を出す」「実施予定のキャンペーンや施策に関してのアドバイス」「先方のレポートや施策の数値を見ての振り返りや改善点の提示」など多岐に渡ります。

 

なので基本的には「知見」に対しての費用という考え方になるので、勉強会と同じにしています。

 

3:その他もろもろ

例えば「ニフティライフスタイルの社外取締役」「ウェブ解析士協会の顧問」といったちょっと特殊なパターンの場合です。

 

この場合は作業量とは必ずしも比例せず、「私の名前や経験・知見を利用していただく」という側面もあるので、都度の判断となっております。この辺りは一般化するのが難しい感じですね。基本的には月での固定金額という考え方になります。

  

何故、金額を公開しているか?

コンサルティングや勉強会・セミナーなどを行っているサイトでは、金額感を出していない会社も結構あります。しかし弊社ではこの辺りの金額は全て出すようにしています。

 

出していない会社に関してはそれぞれの理由があるとは思いますが(同業他社対策・見積もりに幅を持たせておきたいなど)HAPPY ANALYTICSでは金額を公開するほうが楽なので公開をしています。

 

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出している3つの理由は

 

1:オープンにすることでお問い合わせ時の受注率が上がりやすい

2:会社規模等によって金額を変えることが無く、やりとりを減らせる

3:自分自身のユーザー体験から出すべきだと感じた

となります。

1:オープンにすることでお問い合わせ時の受注率が上がりやすい

オープンにしておくことで金額感が合わない場合の問い合わせを減らすことが出来る。つまり事前に期待値を調整出来ることにより、「見積もりを出した後に金額が高いからやっぱりやめる」といった失注ケースを大幅に減らすことが出来ています。

 

依頼主そして弊社にとってお互いに工数削減を出来るし、依頼主が値段を見て断りたい時の理由を考えるメールを作ったり、などの手間も省けるのも良いかなと。

 

また金額を出しているため、コンペにもなりにくいです*3

 

2:会社規模等によって金額を変えることが無く、やりとりを減らせる

書いてある通りですが、あくまでも内容と工数で決めているため、記載している金額より極端に高く・安くなることはありません。

 

そのため値段交渉も応じてはいないし、依頼主も金額感が分かっているので、最初の打ち合わせから具体的な内容についてお話することができます。

 

特に私のような会社だと、自分の工数に上限があり、こういった部分でのやりとりに時間を使うのがもったいないというのもあります。

 

また新規案件の場合、打ち合わせ時に「大体どれくらいの金額になりますか?」と聞かれるのですが、すぐその場でだいたいの金額を伝えちゃいます。自分が社長だからというのもありますが、想定工数×単価=金額 なので、想定工数さえその場である程度分かれば、すぐにお伝え出来るためです。

 

【余談】

会社規模によって金額を変えないは賛否両論あるかと思います。私の会社のコンサルの金額感だと、手掛ける案件は、どうしても小規模の会社だと金額が合わないこともあるでしょう。

 

しかしそのような場合は、正直分析やコンサルにお金払うより、集客やサイトのコンテンツ作りにお金を使ったほうが良いのかなと思ってもみたり…

 

ただ制作会社や広告代理店の場合は、その会社の規模関係なく、その先のクライアントの数や規模によるので、費用対効果は合うかなと!

  

3:自分自身のユーザー体験から出すべきだと感じた

単純に金額書いてあったほうが分かりやすいし、嬉しいよねという自分自身が事業会社で働いていた時の経験が大きいかなと。10年以上事業会社で働いていましたが、コンサルやツールの選定などや調査などに関わることが多かったのですが、値段が掲載されていないとどうしても後回しになりがちなんですよね…

 

掲載されているだけで、問い合わせや検討の優先順位が上がりやすいかなと。それだけでも同業他社との差別化になるのではと思っております。ただ掲載しない理由もよくわかるので、一概に正解とは言えませんが。

 

まとめ

というわけで「料金の決め方」と「公開している理由」について紹介をしてきました。あくまでも私個人の考え方ですし、今後も変わっていく可能性があります。しかし1つの参考になればと思い、記事を書いてみました。

 

以下の「資料・ホワイトペーパー」のページでは、「コンサルティング」及び「勉強会」に関してより具体的な金額や事例、勉強会のラインナップなどを記載した資料をダウンロード可能です。

happyanalytics.co.jp

 

興味がありましたら、ぜひご覧くださいませ!

 

 

HAPPY ANALYTICSの稼働やお金周りが気になる方は、以下の記事もどうぞ!

analytics.hatenadiary.com

*1:これは弊社のミッションが1人でも分析に興味を持ってもらい実践してもらうことをゴールにしているからというのもあります

*2:以前はもう少し安かったのですが、結構色々な人から安すぎると言われたりしたので…

*3:今までコンペの案件はコンサルを8年近くやっていますが2件しか無かったです