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分析部署として貢献するための10の考え方

分析手法

今までいくつかの会社で、(主にウェブサイトの)分析部署で働いてきました。全社スタッフとして様々なサービスや機能を見るケースもありましたし、特定のサービスのアナリストとして従事した事もあります。また、時々転職や社内での異動を行っていることから、改めて新しく分析の部署に入ってきた時、あるいは、部署が出来た時に大切なことをまとめてみました。

ここで言う「貢献する」というのは、その分析によってビジネスに貢献する直接的・間接的な活動を指します。分析の部署は必ずしも売上に直結する現場に属していないことがあるため、分析結果を誰かに伝えてその内容を元に施策を行なってもらう必要があります。もちろん自ら分析結果を元に施策を考えて実施することもあるでしょう。どちらのケースでも参考になる内容を書きだしてみました。

1.待ちではなく攻めのレポーティングや集計を

集計や分析依頼を受けた時に、その通りに返しているだけでは、その後どのように使われたかも分からないし、本当にビジネスに良い影響を与えているのかも分かりません。このような依頼を受けた時は必ず「集計や分析の目的」「その結果をどう活用しようとしているのか(依頼者の理解促進なのか、誰かへの貢献なのか)」を確認しましょう。また、出来ればデータや表をただ渡すだけではなく、自分が見て気づいた最低限の気づきを箇条書きなどで伝えてあげましょう。依頼者が知りたいのは数値そのものではなく、得られた結果の背景やそこからのアクションです。

2.データを出すことを目的にしない

1番と似ていますが、データを出せば仕事が終わりではありません。極端に言うと、いくらレポートを作っても、分析をしても売上に貢献する事は出来ません。「今日は20個グラフを作った」というのは自己満足です。データを出すのはあくまでもスタート地点であり、野球やサッカーで言えばウォーミングアップが終わった段階です。得られた結果を元に気づきを発見し、施策を考え、自らあるいは誰かに実行してもらうことで、はじめて結果に貢献できる(可能性があります)。

3.データ取得にかける時間を減らす(が、最初はしっかり時間をかける)

データ取得には意外と時間がかかります。クエリを書いて正しいか検証したり、アクセス解析ツールにログインしてレポートを加工してダウンロードしたりなど、周囲が思うほど簡単ではありません。取得時間を減らすために、期間を見なおしたり、定期配信を行ったりして、なるべく時間を減らしましょう。しかし、新たな実装を行なって新規のデータを取得したり、初めてデータベースからデータを取得したりする場合は、少し時間かけてでも、仕様を理解して正確なデータ取得を行いましょう。「もしかしたら、このデータちょっと怪しいかも」と思った場合は(残念ながら)大体あたっています。取得するデータに自信を持つために、最初は時間をかけてもよいでしょう。遅いデータより不正確なデータのほうが危険です。

4.分析の目標も売上に貢献する目標設計を

分析の貢献を可視化するために、可能であれば売上への貢献がわかる目標を設計しましょう。分析の部署は気をつけないと、社内での評価が曖昧になってしまいます。たくさんレポートを作ったり、勉強会を開いたり、見かけの数値だけを追いかけても、ビジネスに貢献出来ていないのでは?と思われてしまうこともあります。改めて自分達の分析業務を振り返り、売上に繋がったアクションがどれくらいとれたのかを確認しましょう。

具体的には「分析から生まれた施策の数(あるいはその施策によって生まれた売上)」「(自ら施策も担当している場合は)分析から行われた施策による売上増加分」などが考えられます。他にも「分析結果のお陰で売上が向上したと答えた社内の人数」「分析効率化によって削減出来た工数分の人件費」でもよいでしょう。この辺は部署の役割の広さによっても変わってきますが、(無理矢理でも良いので)金額換算することをオススメします。売上貢献を意識することで、分析業務の取捨選択や優先順位付けも可能になります。

5.施策を担当する部署や人との関係性作り

繰り返しになりますが、分析と施策は連動していないといけないし、分析する部署にとっては自分の分析が活かされることが大切になります。そのためには、分析を依頼してもらうことも大切ですし、その結果を活用シてもらうことも大切です。自らが施策を行わない場合は、該当部署や担当者との連携が重要になります。そのためには、「信頼を得る」ことが何より重要です。データや分析に関して相談したり、相談してもらったりする関係性を作るという事です。関係を作ることが出来れば、より多くの情報を得ることが出来、多くの情報を提供出来るようになります。その結果、分析の精度やビジネスへの貢献もあがるでしょう。

では、このような関係性をどう作っていくか。分析の部署から見ると、最初はまずちょっとしたことでも良いので、データ出し⇒分析⇒提案から始めると良いでしょう。場合によっては、「こういったデータを得られる」というシンプルなものや、「他の部署で上手くいった事例を共有する」という内容でも良いでしょう。定期的にコンタクトを取りながら、顔と役割を覚えてもらう事が大切です。

6.依頼はスピード+αで対応

何かしらの依頼や相談が来たら、すぐに対応しましょう。他の業務の優先順位を下げてでも取り組むことをオススメします。納期に関しては事前に伝えておき、必ずその前に提出をしましょう(=必ず納期前に間に合う日にちを伝えましょう)。1番でも書きましたが、ちょっとした気付きやポイントなどを書いてあげると、「ただデータを出す人」という認識ではなく「意見やアドバイスもくれる人」という認識に受け手は変わり、今後更に相談などが来るかもしれません。また、少し時間に余裕があれば、関連する集計や分析結果をあわえて伝えてあげると、更に相手の信頼を得られるのではないでしょうか。

7. 取り組みをしっかりアピールする

ビジネスに貢献することが出来たら、おめでとうございます!ぜひ、その内容や事例を広めることに時間を使って下さい。アピールすることは自分達のためでもありますが、上手くいった事例や考え方は多くの人が知りたい内容でもあります。結果そのものの共有だけではなく、「何故うまくいったか」という背景を共有出来れば、受け取った人が「自分(あるいは自分の部署)だったら、こう活かせる」と自分事として考えることが出来るようになります。メールを活用したり、印刷物を配ったり、社内勉強会を行ったり、と方法はいくらでもあります。「自分達で思って言うほど、自分達の事は知られていない」と思って活動をしていきましょう。

8.ビジネスの目標設計に関わるようにする

多くのビジネスにおいて売上あるいはそれに類する目標が設定されています。分析の部署は目標設計や設定にも関われる(はずの)部署です。目標設計や設定に関わるということは、それらを決定する上長や役員とも接することが出来ます。自分達の取り組みを理解し、覚えてもらう上では貴重な場です。目標設計のための集計や分析依頼などが来たら、ぜひ積極的に関わっていきましょう。また、そのような依頼が来ない場合でも、上長とビジネスの目標に関するコミュニケーションは積極的に行っておきましょう。

9.空き時間を有効活用する

分析は割と忙しさに波があり、時々「空き時間」が生まれる事もあります。そんな時は、ぜひその空き時間を有効活用しましょう。もちろん、今まで見ていなかったデータを確認しても良いのですが、ぜひ同業他社のサイトを利用してみたり、アクセス解析に関する情報を仕入れたりする時間に活用しましょう。普段は忙しくて、なかなか出来ない事をこの機会に行っておくと良いでしょう。「施策を提案する分析部署」になるためには、施策の引き出しを増やすことが大切です。様々なサイトや情報に触れることは、引き出しを増やす上でも非常に有効です。ぜひ、分析以外で知識を広げるものに時間を使ってみてはいかがでしょうか?

10.出来ないことは出来ないと伝えてください

分析では解決出来ないことも沢山ありますし、もしかしたら前提の時点で大きくずれてしまっているかもしれません。なんとか分析を行なって、それっぽいデータを出すのは最終的にお互いにとって不幸になります。集計や分析を行う前に「果たしてこれは意味があるのか?」を再度自分に問いかけ、出来ないことは出来ないと伝え、前提が間違っている場合は分析を行う前に相談をしましょう。「おかしいと思っていた」というのは後からいっても仕方ありません。

最後に

私自身も全部出来ていませんし、他にも良い方法があるかもしれません。分析組織として価値を発揮するために、取り組んでいる内容がありましたら、ぜひ教えて下さい!


分析部署は気をつけないと、ルーティングワークに陥ってしまい、それで満足してしまうというリスクがあります。ルーティングワークが悪いわけではないのですが、その内容が本当にビジネス貢献しているかを改めて考えてみましょう。もし、自分が行っている業務に意味があるのか?という気持ちを抱いたのなら、ぜひ業務を見直すきっかけにしてみてください。自分自身の成長という観点でも、新しいことにチャレンジする事は大切です。


と、まぁ割と真面目な内容で書いてみたのですが、毎日が充実した日を過ごすのは難しいものです。ジャンプのためのホップ・ステップが必要なのは当然ですし、分析の部署の場合そういった業務は必ずついて回ります。美味しい所をだけに取り組んだりすることは難しいですが、データ整備や集計・分析がビジネスのゴールに正しく向いてさえいれば、全て意味があるものです。今まで以上に少しだけビジネス貢献を意識してみましょう!


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