コンパクトにPC版の内容をまとめた、Google アナリティクスの公式iPhoneアプリをチェック

3年ほど前にGoogle アナリティクスのデータを見ることが出来るiPhoneアプリのレビュー記事を書いたのですが、2014年7月17日にiPhone版のアプリが登場しました。私自身も数日使ってみたのですが、雑感なんぞを書いてみたいと思います。ちなみにAndroid版は2012年6月から登場していますが、レイアウトや内容が若干違っています。



Google Analytics 開発: Google, Inc.

使い方

まず、アプリを起動したらアカウントのログインIDとパスワードを入力します。これはPC版と一緒ですね。後は利用したいアカウント>プロパティ>ビューと選んでいきましょう。


見たいレポート(ビュー)を選ぶとサマリー画面が表示されます。一番上にリアルタイムが出ているのが、ぱっとチェックしたい時に利用する事を意識した形になっていますね。大体10秒単位で数値が更新されていきます。同じビューをPCとアプリで比較したのですが、ほぼ数秒くらいのズレで特にアプリだからリアルタイムの表示が遅れるという事もありませんでした。


利用「出来る」機能やレポート

また右上にあるオレンジ色のアイコンをクリックすると、Google アナリティクスの特徴でもある「セグメント」を選ぶことができます。新規・リピートなどの訪問に絞り込んでデータを見ることが出来る機能ですね。自分で作成したカスタムセグメントは対象外ですが、デフォルトで用意されているセグメントは利用することが可能です。


そして左上の「≡」ボタンを押すと、レポート画面の一覧が出てきます。PCのレポートを使っている方であれば、馴染みのある名称が並んでいます。PCと近いインターフェースで利用出来るのが嬉しいです。



よく利用するレポート(例:ランディングページ・キーワード・目標・eコマース)に関しては一通りアプリ版でも網羅されています。


集客系のレポート


コンバージョン系のレポート



また、各レポートで表示されるのは指標とディメンションがそれぞれ1つずつなのですが(例:キーワードごとの流入回数、ページごとのページビュー数など)、指標あるいはディメンションの部分(下記画像の、青文字の「参照元/メディア」や「訪問数」の部分を選択することで指標やディメンションを切り替えることが出来ます。



参照元/メディアのレポート



参照元/メディア」のリンクを選択すると、他の粒度(細かさ)や指標に変更が可能です



「訪問数」のリンクを選択すると、他のディメンションに変更が可能です


利用「出来ない」主なレポートや機能

さすがに全てのレポートを見ることは出来ません。ユーザーフローやゴールフロー、目標到達プロセスなどの導線系レポートは閲覧不可です。またAdwords系やマルチチャネル系のレポートなどもありません。後はカスタマイズが必要なマイレポートやカスタムレポートにも非対応です。大体PC版で用意されているレポートの半分程度という感じでしょうか。主な機能で利用出来ないものは、期間の比較(日付の任意選択は可能)・セカンダリディメンション・バブルチャート・表エリアの見せ方切り替え(円グラフ・棒グラフなど)・レポートのダウンロードや配信・アラート機能あたりです。いくつかよく利用する機能もありますが、分析ではなく現状確認という用途を考えると、無くてもそれ程困らないかもしれません。なお、目標設定・アカウント追加などの管理系の機能は一切使えません。


使ってみた感想

User Interfaceも分かりやすく、レポートがスムーズに(それこそPCより早く)表示されるので、使っていて気持ちよかったです。アカウントやビューの切り替えも簡単に行えます。使い勝手に関しては今まで出たGoogle アナリティクスアプリの中では最もよいと感じました(どれがリンクになっているか気づきにくい部分はありますが)。またレポートや機能に関しても必要充分な物が用意されており、ちょっとした数値の確認から、数値の変化の原因特定まではこのアプリ内で完結することができます。さすがに「分析」までは難しいですが(カスタムセグメントやセカンダリディメンションが使えないので)、それはアプリという形式に求めるものではないかと。


一つだけ要望があるとすれば、Notification機能を使ったアラート表示や設定がアプリ内で出来たら嬉しいなと思いました。例えばその日の訪問数が10000を超えたら表示を出すであったり、何かしら数値の大きな変化があったらアプリアイコンの右上に「(1)」って表示するといった形のものですね。スマートフォンであればいつも持っていることが多く、そういった急激な変化や数値の達成などが告知されたら、すぐに気付けて嬉しいのではないでしょうか。しかし、アプリを数日使ってみて、このアプリが一番使いやすいということで、今は公式アプリのみ利用しています。


ちなみにそれまでは AnalyticsPMを利用していました。こちらは一画面しか無いのですが、表示する項目をカスタマイズしたり並べかえたりすることが出来ます。リアルタイムにも対応しています、公式アプリが対応していない期間比較にも対応しています。公式アプリ以外であれば、こちらのアプリがオススメですので、ぜひ興味がある方は両方とも試していただければと思います。個人的にはPCのGoogle アナリティクスに慣れていたので、公式アプリのほうが使いやすかったです。


AnalyticsPM


Google アナリティクスはここ数年で多くの方が導入されるアクセス解析ツールとなりました。またスマートフォンウェブやアプリでの導入も増えています。数値の状況をさくっと確認したい。だけどわざわざPCの画面にログインをするのは手間という方は、アプリを使ったレポート確認がオススメです。データを見るまでのスピードはアプリの方が断然早いです。Google アナリティクスを導入されている方は、ぜひインストールしてみてください!



Google Analytics 開発: Google, Inc.