読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

スクーの授業「サービスの成果に繋げるためのアクセス解析」で講演をしてきました + いただいた質問への回答

セミナー

というわけで、今日はスクー様で講演をさせていただきました。形式としてはオンラインで配信を行い、受講者がそれを見ながら、感想や質問を書いたりするというオンライン学習の形式になっています。今日は現地受講者という方で6名の方にも来ていただきました。


原宿にあるUSTREAM STUDIO+ Livedouga原宿から配信という形で40分の講演+20分の質疑応答をさせていただきました。

実際のページと近々公開される動画などは、こちらから確認することができます。


ちなみに会場の雰囲気はこんな感じで、複数台のカメラに囲まれており、いつもとは違った雰囲気になります。一緒に写っているのは、スクーの中西様です。司会や質疑応答でご協力いただきました!


講演時間は40分、質疑応答は20分という短期決戦でした。時間が短い講演のほうが、やはり難しいですね。かなり盛り込んだので、うまく伝わっていると良いのですが(汗)終わった後は現地受講者の皆様と名刺や情報交換させていただきました。



さて、質疑応答のコーナーで沢山の質問をいただいたため、応えきることが出来ませんでした。ここでまとめていただいた内容について回答させていただきます。講演のときと違う内容で回答していたらごめんなさい(笑)

どのくらいの期間でまわしていくもの??

サイト改善のPDCAサイクルに関する質問ですね。ポイントは、「現在サイトを改修しようとする時にかかる時間」と「サイト上でのユーザーの行動がどれくらい頻繁に変わるか」という部分です。たとえば、「新規コンテンツを作成してアップする」とか「バナーを差し替える」とか「メールマガジンの件名を2パターン作って半分ずつ配信する」などに、どれくらい今は時間がかかっていますか?まずはこのタイムスパンにのせるところから始めてみましょう。PDCAを回して数値や結果が出てくれば、自然と優先度が上がり、サイクルは早くなるかと思います。ただ、改善個所によって回すスピードは変わってくるため、まずは「ボリュームが多い かつ 施策をテストするのに時間がかからない」ところからはじめていきましょう。他にも目指すべき目標から逆して施策の回数を決めてしまう、サイト規模に応じてテストの結果が出るまでの日数から決める、といった手法もあります。

実例出してやってくれたら、よかったかも。。

そうですね。理解のしやすさや伝えやすさという意味では事例をベースに話したほうがよかったですね。主に時間の観点から実例を出せなかったのですが、ブログやSlideshareなどの今後共有していければと考えております!

生データは恣意的に選べば仮説に沿わせることもできるので、中立の立場から客観的に分析するのが難しいです。。

ここは2つの考え方があるかと思います。まず「恣意的にデータを出すこと」はある程度可能です。ただし、恣意的にデータを出すことによって、結果までがよくなるわけではありません。施策を実現しやすくなったり、見かけ上結果をよく見せること、仮説に添わせることはできるかと思いますが、最終的なゴール(主に「売上」「利益」)は厳然たる数値で、そこは変えることが出来ません。そして「客観的に分析するのが難しい」というところですが、そういう側面はあるかと思います。解決方法は「外部から数値を見てもらう」「利害関係のない人に数値を見てもらう」あるいは、「客観的に分析できなくても、結果がついてくればOKと割り切る」あたりかと思います。最後の方法は、それはそれでアリだなと思っています。


先生の本めちゃ欲しい。

わーい!リンク貼っておきます。
「ウェブ分析論」
ウェブ分析全般を理解できる方法。データの見方・アクセス解析用語・分析手法・サイト内外の改善方法など、アクセス解析をしっかり学ぶのにおすすめの一冊です。初級〜中級向け


ウェブ分析レポーティング講座
分析した結果をどういう形でレポートにまとめて伝えるか。具体的なコミュニケーション手法やレポートの作成方法などを詳しく説明しています。中級〜上級向け


マンガでわかるウェブ分析
マンガ+解説が交互に続く一冊。ペットショップのECサイトを題材に、わかりやすくアクセス解析の特徴や魅力を説明しています。初級向け


評判や感想などは、検索していただければ。。。

ECサイトと「WEBメディア運営」での大きな違いはありますか?

ECサイトの場合は、明確な売上というゴールがあるので、収益に関する指標(ROI・利益額・集客施策別の評価)などが取得しやすく、売上をダイレクトに見ながらサイトの評価や改善を行うことが出来るのが大きな特徴です(ちゃんと売上データをアクセス解析ツールで取得できるように実装することが前提ですが)。Webメディアサイトの場合は、その目的に応じて必ずしも売上がゴールではありません。ウェブで人を集めてオフラインで収益化することもありますし、立ち上げ時は売り上げや利益の優先順位を下げて、UU数や会員数を重視することもあります。今日、紹介したビジネスロードマップを取り入れて、どの指標がもっとも重要なのかを考えて、会社内で認識をあわせることがメディアサイトの場合は非常に大切です。

適切なKGIを設定するのはどうしたらいいのか

1.自分だけでは決めない(決めるケースは少ないかと思いますが)。サイトやビジネスの方針にかかわる重要な部分なので、社長や上長から数値とその背景をしっかり確認しましょう
2.もし自分が設定する場合は、改めてもっとも重要なことが何かを考えて決める必要があります。そのあとに決めるKPIや施策も、基本的にはその指標を改善することに直結することになります。そして、これをちゃんと納得して腹落ちさせなければいけません
3.設定したものは定期的に見直すことで、ズレてきたら軌道修正をすることで、適切さを保つこと

詳しくは「ウェブ分析論」にて。(って宣伝になっちゃいますが 笑)

指標を金額換算する際のポイントは何かあるでしょうか。

オフラインで最終的なコンバージョンが発生する場合は、逆算することが大切です。
オンライン資料請求100件に対して、商談が20件、契約が10件。1契約あたりの平均売り上げが100万円。まずは、この情報を集める必要があります。
数値が可視化できたら、以下のように計算をします

オンライン資料請求経由の売上=100万円×10件=1000万円
1資料請求あたりの売上=1000万円 ÷ 100件 =10万円

という形になります。「売上」を利用するか「利益」を利用するかはKGIによって決めてください。たとえば利益で見た場合、1件の資料請求獲得にかかるコストが10万円以上であれば赤字、10万円未満であれば黒字といえます。上記の係数や割合に関しては、定期的に数値をとって都度見直していきましょう。


メディアサイトであれば、会員獲得数 ⇒ 会員に告知してセミナーに参加した人数 ⇒ セミナーの売上 から逆算なども可能でしょう。
逆にまったく収益を上げないサイトであれば、金額換算をすることの意味は減るのですが(そもそもKGIや「売上」や「利益」にならないため)、そのような場合は「会社として獲得にいくらまでかけてよいか」で決めるという方法もあります。

改善の提案をしてもなかなか理解してもらえずPDCAが回りません、どうしたら上手くまわっていくでしょうか?

非常に難しい問題です。考えられる方法としては、「過去にやった施策をヒアリングして、分析を行い、良いものを数値とともに提示。その内容を活用・応用したものを提案する」「提案者が時間・コストかからずにできるような小さな施策から、まずは提案し、小さくてもよいので成果を作り、そこを突破口にする」「理解できるようなシンプルな内容にする」あたりですが、ここはフリーランスあるいは実際に同じような業務をされている方からのご意見をうかがいたいところです。私はとにかく数値で説得力をもたせるように意識はしています。後はめげずにいろいろなアイデアを出し続けることですね(笑)

改善施策は幾つか候補があると思いますが、大きく「デザインを変える」「コンテンツを変える」「新規機能を実装する」の内、どれが効果が高いですか?(経験則で構いません)

こちらは回答者によって意見が割れそうな内容ですが、私だったら「コンテンツを変える」のが一番効果が高いと感じています(サイトのタイプにもよりますが)。効果が高いかは実施してみないとわからないので、とにかく施策を行いやすいところ(PDCAの回数がもっとも増やせそうな)コンテンツにまずは注力します。そしてコンテンツの良いところは、自社の効果が良かったところを横展開したり、同業他社の内容を活用したりと、改善のアイデアが出やすいという点にもあります。「デザイン」に関しては、UI周りの改善はピンポイントで行うことはあっても、変えすぎると「慣れていたものが変わってしまった」という観点で数値が落ちることもありますし、「新規機能」は時間・工数・リスクともに大きいので、順番は後回しにします。ただ、どちらも「コンテンツ」での改善幅が小さくなってきたら、実施しないといけないものです。

WEBマーケティング、分析、改善提案の外注はスピードが落ちると思うのですが、やはり内製でノウハウを貯めるのがおすすめですか?

最終的には内製でノウハウをためるべきです。しかし、内製では「リソースが足りない」「突破が出来ない」といったケースがある場合は、まずは外注に入ってもらうという方法もありです。結局、「継続して改善するには内製じゃないと続かない」という部分と「目標に対する本気度の違い」などが内製を推奨する理由です。どちらかというと、外注に入ってもらう場合は、彼らの分析手法やテクニックや提案方法などを良い部分は盗むという考え方のほうがよいのではないでしょうか。

データから提案をするためのポイントは?

見せるデータは必要最小限にする。
数値ではなく文章や図で説明する。
データは施策を生まないので、データはあくまで「従」で、施策の内容を「主」とする。

広告測定ツール、CMS、顧客管理システムでおすすめツールは?

こちらは正解はありません。個人的な好みはありますが、結局それらで何をしたいのか、自社はどういう体制やスキルを持った人がいるのか、予算はいくらくらいあるのかといった条件を購入する側はできる限り明確にし、ツール会社にRFPを出して、もっともよいものを選びましょう。ツールの選定に関しては、Markezineで書いた以下の記事が参考になるかもです。
アクセス解析ベンダーに質問するべき、15の項目
有料アクセス解析ツールを使って何がしたいのか?現状の不満を要件に落とし込む


はじめて選ぶ場合は、個人的には無料ツールからスタートするのが良いかと思います。それで不満や使い勝手がわるいところなどに気づいたら、はじめて有料ツールに移行するほうがスムースですし、説得の手間も省けるかと思います。ただ顧客管理システムは無料のものはほとんどないので、有料ツールからはじめないとですね(すいません、顧客管理システム周りはあまり詳しくないです。。。)

分析をして気付くことが重要とのことですが、その気付きの能力を磨く方法はありますか?

気づきの能力に関しては、場数を踏むのが一番良いのですが、データの見方も非常に大切になります。「ウェブ分析論」でも詳しく触れていますがデータを「トレンド」あるいは「セグメント」してみることで、気づきを見つけやすくなります。また、当ブログで書いた以下の記事も参考になるかと思います。

アクセス解析を使ってサイトの課題を発見する12のステップ


WEBメディアサイト改善のポイントは?

ユーザーにサイトをどのように使ってほしいかを定義する(頻度高く来てほしいのか、会員登録してほしいのか、コメントをつけてほしいのか など)⇒それを数値で計測できるようにする(あるいはすでに取得できている)⇒その数値が高い条件を見つけてそれを増やしていく(特定のジャンルの記事を読んでいる、ソーシャルから流入している など)


上記が基本かなと思っています。いずれにせよ最初の「状態の定義」をしっかりやっておかないと、なんとなく人やPV数を増やそうっていう形になってしまいます。後は、あんまり分析だけに依存しないことも大切かと(笑)。今後流行る内容や大勢の人が興味を持ちそうな内容というのは、過去の数値にはあらわれないので。

目的を達成する為にKPIはどのくらい出すものでしょうか?改善幅が大きいKPIに集中するべきでしょうか?

多くても3つかと思います。そして書いていただいた通り、改善幅が大きいところにまずは集中するべきです。どれが改善幅が大きいかは「ボリューム」「改善のアイデアがどれくらい思いつくか」「現状の数値がもっとも悪いもの(悪いものを普通にするほうが、良いものをさらに良くするよりやりやすいです)」という観点で決めると良いでしょう。

Webマーケティングにノウハウは必要ないのでしょうか?異なるサイトでは同じ事をしても同じ結果にならないということでしたが。。

Webマーケティングというと範囲が非常に広いため、回答が難しいのですが、「知識としてはあったほうがよいが、専門家である必要はない」といったところでしょうか。集客やUXやソーシャルに関する知識はあったより無いほうがよいのですが、必須とは感じていません。そして基本的な考え方は学ぶことが出来ますが、ノウハウは実践でしか生まれません。自分が集客を担当しているなら、SEOやリスティング・アドネットワークなどを実際に運用してみることが、ノウハウがもっともつきます。すべてをやろうとするといくら時間があっても足りないので、自分が担当している業務や責任を持っているKPIの部からまずははじめましょう。学んでから実践というよりは、実践するために学ぶという考え方でしょうか。

ウェブサービス起業して最初のロードマップはどのように書いていったら良いのでしょう。ポイントやこつなどありますか?

自分のビジネスやサービスがどう収益化するかという大きな流れは、もちろん理解しておく必要があります。しかし、最初はデータも少ないし、少ないデータで判断してしまっては、誤った結論を導いてしまうこともあるため、最初のころは全体像は書くものの、数値などは特にいれなくて良いです。分析するまえにある程度の集客と母数が必要です。

季節性の変動によるKPIへの影響は、どのように考慮すれば良いでしょうか?

季節性を加味してKPIを設定して数値を比較することです。
変動する場合は、年間の月平均で50万件ではなく、8月は40万件、12月は70万件といった形にする必要があります。また伸びているか、改善しているかなどを比較する際には、前月比較ではなく、前年同月比較を利用して、同じ季節変動条件で比較するようにしましょう。

時間があればでいいのですがなぜ、パンダを表紙に選んだのですか?アップデートにかけたのですか?

ウェブ分析レポーティング講座」の表紙のことですよね(笑)時々聞かれるのですが、パンダアップデート上野動物園で生まれたパンダとは関係ありません(どちらもタイムリーでしたが 笑)。本屋さんでの見た目のインパクトなども加味してデザイナーさんにお任せいたしました。ちなみにあのパンダの写真を実際に素材として提供している会社の担当者が、私のセミナーを受講されていました(笑)。

企業の解析への取り組みは日本と海外で差はありますか?

はい、あります。ただしあくまでもハイエンドかつ大企業に限られます。平均は海外(=米国)のほうがちょっと高いか、変わらないくらいで、最大値は日本と比べてものすごく高いといった感じでしょう。

大きなPDCAを回すには小さなPDCAを回すのが大切だと思う。Pをやる中にも小さなpdcaがたくさんあると思うので、それをしっかりとやっていくことが重要だと思う。

非常に良いコメントだったのでピックアップしました!
それぞれのステップを改善するためのPDCAも非常に大切です。

競合が海外サイトになる場合(国内に競合となり得るサイトが見当たらない場合)、どのような点に注目して競合の良い所を盗みますか?

基本的に考えかたは一緒なのですが、デザインやUIに関しては国ごとの特徴があるため、あまり参考にならないかもしれません。どちらかというとクリエイティブや商品の見せ方、宣伝方法などが参考になるでしょう。しかし、それをただ流用してもうまくいかないことが多いので、顧客やユーザーのことを考えたうえで、どうアレンジするかが大切かと(抽象的な回答で申し訳ないです。具体的にこのサイトとかあると、より適切な回答が出来るかも)

季節変動や経済動向など、アンコントラーブルなものと上手く付き合うには?アドバイスいただけるとありがたいです。

季節変動に関しては、過去の数値からトレンドが見えているはずなので(数年分データがたまっていれば)、比較的KPIの設計時や予測には考慮しやすいかと思います。本当にコントロールできないものは、どうしょうもないので、それが発生した時にどれくらいの影響があったかを記録しておき、次回以降役立てるという感じですかね。会社やサイトの規模にもよりますが、経済動向などは案外、影響なかったりすることのほうが多いです。

webサイトの状況をヒアリングする際に最も重要視する点は何ですか?

1.ビジネスとウェブサイトの目的・目標を確認すること
2,改善に向けて取り組んでいること/出来ていないこと
3.実際に最近行った改善とその結果(どこまでPDCA回したり、数値が取得できているかの確認にもなります)
3.業界や自社サイト・ビジネスに対する仮説や今後のプラン
4.サイトやビジネス改善に対して感じている最大の課題

あたりを重要視しています

1つのサイトでもTOPページの離脱や商品詳細ページの離脱、登録フォームの離脱など離脱の原因が多くあると思いますがどこから改善したらよいでしょうか?

これも講演の内容で触れた「ボリューム」「改善施策の思いつく数」「離脱率がもっとも悪い数値」の3つから判断するのが良いかと思います。

ABテストでの計測にはどの位の数値があれば説得力ありますか?

ツールによっては自動的に有意差判定してくれるものもあるので、(Google Analyticsのウェブテストもそうです)そちらを信頼するのもよいですが、基本的にはサイトのゴール(商品購入・資料請求)に対して300件はほしいところです。あるページをテストした場合、そこ経由の成果の件数が300件たまったらという感じです。ABテストや数値の判断に関しては、Markezineの記事「Google アナリティクスの新機能「ウェブテスト」でサクッとA/Bテストにトライ!」で詳しくふれていますので、ご覧下さい!


回答漏れなどありましたら、申し訳ないです。
自分にとって非常に楽しいかつ勉強になる講演でした。

また、どこかでお会いできること楽しみにしております!