GinzaMetricsの機能紹介+セミナーメモ

先週、GinzaMetricsのセミナーに参加させていただきました。
クローズドな場でしたが、書いても良いとのことでしたので、とったメモを公開しておきます!


GinzaMetricsの概要

その前に簡単に私の方でツールの概要をまとめました。私のブログで1~2ヶ月ほど利用させていただいたスクリーンショットも追加しています。


GinzaMetricsはひとことで言うと「SEOに関するダッシュボード」です。ウェブ上で自サイトの様々なSEOに関連する情報を確認できます。


主な機能としては
・主要キーワードの検索結果上位100位までを毎日取得してレポート化
・平均順位・変化・流入件数・コンバージョン数・コンバージョン率をひとつの画面で確認可能
・サイトのHTMLを分析し、SEOの観点から直せる箇所をアドバイス
・上記を実現するためアクセス解析ツールとの統合が可能。Google アナリティクス上であればオンライン上で出来ますし、SiteCatalystなども依頼すれば設定が可能です

などがあります。


主要な6つのレポートは以下のとおりです。


1.ダッシュボード機能

アカウントのサマリー情報。設定したキーワード群の平均順位や変化、流入件数などを確認出来ます。また流入元の内訳なども確認可能です。

2.ページレポート

ページごとの検索結果順位などを確認

3.キーワードレポート

キーワーごとの順位や変化・進入件数・コンバージョンなどの情報を確認

4.アドバイスレポート

サイトを3つの視点から評価し、SEO的になおせる個所をその重要度とあわせてまとめて表示してくれます。SEO対策を行うための第一歩として非常に大切です!

5.コンバージョンレポート

設定したコンバージョンごとの達成状況や達成したときのキーワードの順位など

6.レポート機能

時系列で主要な指標の変化やコンバージョン数・順位などを表示してくれます。大きな変化を確認するためにはまずはこのレポートをチェックしましょう





以下からは、参加したセミナーのメモになります。メモなので、全ての内容を網羅していないのと、誤字なども含め分かりづらい部分があるかと思いますが、ご了承ください。

GinzaMetricsの役割(Ray Grieselhuber, CEO & Co-Founder of Ginza Metricscs)

検索エンジンからの流入と売り上げを増やす
より大きなマーケットに向けてのスケーリング
SEOキャンペーンのROIをあげる
既存のデータを利用する事が可能


クリック率はSEOと比較して9倍近くSEOが高いが、かけられている予算は逆の数字

米国でのSEOトレンド

エンタープライズでのプライオリティがあがっている
・ユーザーと検索の関わり方が変わってきている
SEOという用語では現状足りなくなってきている、コンテンツ最適化といっている

検索の仕方が変わってくる

・「One Answer」が求められる「この近辺で最も美味しいタイ料理は」
・声での検索(Siri)
・ローカル検索
・モバイル検索
 検索のパターンが大きく違う。モバイルではWikipediaなどをみるケースが少ない
 pcより家電・レストラン・自動車などの検索比率が高い(よりマネタイズしやすいワードが多い)

SEOでもソーシャルでも考え方は変わらない

・両方のチャネルを使いながら、マーケティングゴールを達成する
SEOがうまくいっている=コンテンツの制作と管理がうまくいっている
・ソーシャルでうまくできていない部分は、コンテンツ制作にも問題があるのでは?


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楽天市場でのSEO楽天株式会社 企画部の方)

GinzaMetricsは5月に契約、9月から本格的に利用している

課題

350万店舗、7500万商材
商品を探しにくいという状態になってしまっている。そこでSEOに注力する事に

楽天市場のサイト構造

www → TOP
ranking event search review → コンテンツごとのサブドメイン
item → 出店店舗のサブドメイン
SEOについては実施している部署があったが、形にならなかった。サイト全体を考えて全社を動かす部分を企画部が担当

見つかった4つの問題

・洗いだされた技術的課題は700個
・購買部・編成部それぞれの大組織がサービスを担当(サブドメインごとに大きな組織で横並びが難しい)
マーケットプレイスのため制御可能、不可能ページが混在(店舗が作成する画像だけの縦長なページなど)
・経営層へのレポート、理解してもらうことが難儀

テクニカルな話だけではSEOは絶対に進まない

行った打ち手

2008年 徹底した見える化・個別のページで成果を上げる(検索ランクを上げる)イベントページ・季節ものなど

2009年 市場全体へ施策拡大・市場SEO全課題洗い出し・開発手法に取り込む・報告を定期的に行う

2010年 市場SEO戦略構築 どこをどういう風にキーワードをとりにいく・ドメイントラフィックの集約化 カテゴリ(家電・ファッションなど各領域の競合も意識)

2011年 全体方針は決まった。戦略組織を作成。SEOの質的変化
トラフィックをとる流れから、狙ったものをとりにいく。人で運用したいたものを統一的な指標で人の能力に関わらず使えるようにツール化。LPOをしっかりやっていく ノウハウ仕組みか

体系化された商品マスタが中心にある

レグザのテレビを30社が取り扱っている。どこにランディングさせれば良いのか→新たに一つに取りまとめたページを作成することを提唱。
楽天プロダクト」立ち上げて、集客の集約化をはかっている。


商品コードと商品データにひもづいている店舗を並べる。ハブにして店舗に流す。制御できるところでできない部分があったが、その血の流れをよくするという戦略を提唱。アマゾンではないので、楽天の独自性や今の資源を生かしつつ、血流を良くするという方策で進めている。

次のステップ

・サイトチェックを特定の人間のみで行う事の限界
・流通につながるSEO改善=LPOの具体的指示には改善余地あり(マンパワーの限界がある)
 SEO改善結果のレポーティング作成にリソースがかかる
 順位測定やSEO評価などのツールはあるが、今後さらに良いものを作ろうとするとリソースがかかる

SEOは個別にお金がかからず開発の中で対応しておくものというイメージが上層部にはある

SEOにかかる人件費を下げつつ、属人的にならないサイト評価ツールを構築し、
SEOからLPOまでを推進できる仕組みを作る。

そのため、コンサルティングツールの会社を探している
日本で提供している会社や海外大手でも要望に添うものがほとんどなかった
独自ツールを作るにはコストと期間がかかりすぎ。その中で、Ginza Metricsが楽天の要望を満たした。

GinzaMetricsで出来るようになること

統一的な指標で判断、評価、利用、計画に活用できるようになった
施策実行担当者も目線をあわせて改善を進める事ができるようになった
計測するツール、報告レポートがシンプルになった

SEO推進側

全社的な数値を見ている
課題立案・改善推進管理(100個の案を優先順位つけてサービスごとに報告をした)
 H1入れる・被リンク・パンくずなど
細かい運用をしていたが、Ginza Metricsがやってくる。

ランディングページのコンバージョンなども確認できる。
評価やアドバイスがだせる

サイトが何%かわったか、狙ったキーワードでコンバージョンがどれくらい変わったかという
流通につながるSEOが意識できるようになった。PDCAのサイクルがうまくまわりはじめた

楽天市場ではなくて、全社導入の動きとなっている



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ソーシャル時代のSEOとGinzaMetricsの今後(GinzaMetrics Country Manager – Japan 清水様)

1:SEOは終わった?

新たな黒船 Linked In あるいは Tumblr(3000万ブログ)Instagram(1000万人)
エンジニアもサーチからソーシャルへ。検索系からソーシャルに人が異動しはじめている


しかし検索クエリはまだ米国で増えている
2009年7月 136億回
2010年7月 166億回
2011年7月 192億回


ソーシャルor/and SEO


・ソーシャルは細いけど大きくのびている
SEOは母数が大きくて右肩あがり
・マーケティング人員は横ばい
・マーケティング予算は横ばいから微増
→限りあるリソースをどう配分するか?


SEOはキャッシュカウ(主な収入源)
SEOは市場はものすごくのびていないが、自社に対する流入のシェアが大きい
→戦略セオリーは投資よりはコスト削減のフェーズ&現状シェアの維持
 できるだけ自動化・投資を控える


ソーシャルは市場はものすごくのびているが、まだ自社に対する流入のシェアが小さい
→「問題児」に対する戦略


SEOはコスト削減しつつ、死守
・自動化できることは機械がやる
SEOアウトソースコストの精査


ソーシャルメディアは新規事業
・お金も人手もかかるがうまくいくかはわからない
・その裏で未実施だったミドル・テールワードでのSEO流入増を

今までできなかったのは、そういったプロダクトがなかったため
GinzaMetricsで少しでもその負荷を減らしていく

2:ソーシャルメディアSEO

ソーシャルメディア自体が上位表示

ソーシャルメディア内でのSEO

Facebookの検索窓ってどれくらい使えるの?→米国ではまだ使えないと判断
ウォールの内容がひっかかってこない。しかし近々扱ってくるであろう


Facebookだと投稿した時にDescriptionがのってくれる
ソーシャルでの効果を考えてMeta Descriptionを作っていく

Googleソーシャルサーチ(+1でのソーシャルグラフも検索結果に影響)
どうすれば良いのか?→コンテンツをどう作っていくかの参考に


ソーシャルシグナルがSEO検索結果に影響するのか?
300億シェア/月
50億Tweets/月
まだ模索している段階だが、影響を及ぼし始めているのは間違いない
増えたときに検索順位があがっている(だけど長続きはしない)


Bingのブログの記述

Search is better when it's not just based in math ahd algorithims,
but also infused with the opinion of people

リンク購入に依存しているサイト・古いドメインに依存している企業から影響が出やすいといわれている


現時点では影響しているかわからないが…
Ginzametricsというキーワードをうつ、米国・TechCrunch・日本語
その後に複数のブログが出てくる。全体の中で一番と2番目にTweetされているものが上位に出てきている


コンテンツが重要という事は引き続き変わらない


SEOもコンテンツが重要
・消費者の要求に対する制作
・スケーラブル
・差別化


検索しないものについてコンテンツを作っても意味がない
(リスティングのワード選定と同じ発想)


3つとも共通しているのがテクニックではなく、これからのSEO
どちらかというと戦略的・業務を作っていくという発想がより重要になってくる

3:Ginzametricsの今後

まだスタート地点


ツールができたのが1年前


現在は「順位監視」「コンバージョン分析」「アクセス解析連携(GA完全連携・SCも連携可能・アクティブコアやデジタルフォレストなどとも調整中)」「ページ内部評価(全ページを30項目くらいで自動的に分析)」「ワードグルーピング(1個づつ見ていくのではなく、アカウント単位でグルーピングするような感じで管理する)」「ダッシュボード」


今後のリリース機能(時期未定)
「時系列レポート」「ファネル分析(順位・流入・CV・売り上げ 以外にも検索回数をとれるようにしてファネル分析を行う)」「競合分析(指定した競合のワードグルーピング単位での比較やワードの中で上位率など)」「キーワード発見」「リンク分析」「シミュレーション機能」



最後に

GinzaMetricsの簡単な機能とセミナーのメモを紹介させていただきました。この分野ではソフトウェアとしては「GRC」というツールが有名です。しかしASPサービスでの決定的ツールはまだ出て行きません。使ってみてきた間隔から言うと、現在の機能ではまだ物足りない感じがしますが、清水様が最後に話されていた今後の機能(個人的には「競合分析」と「シミュレーション機能」に特に期待しています)が実装されていくことでによって、より大勢の会社にとって使う価値があるツールになるのではないでしょうか?


私も今後もウォッチしきいきたいと思います。
興味をもたれた方はGinzaMetricsのサイトをぜひご覧ください!