「ウェブ分析法」とは、アクセス解析ツールのデータを中心に、サイトの課題や強みを見つけるための手法です。本連載では、明日から使える、便利な技を隔週、月曜日を目処に紹介いたします。題名の通り5分で読める(また5分で実施できる)分析法が中心になります。初心者〜中級者向けの連載になります。
それでは始めます。
その8 :2つの比率で入力フォームへの遷移率を確認する
多くのサイトでは、ゴールを達成してもらうため、フォームの入力が必要となります。商品の購入、サービスの会員登録、資料請求などが代表例としてあげられるでしょう。この際、「【5min.ウェブ分析法】 その2:成果に貢献したページを簡単にチェックしよう」で、紹介したような成果への貢献ページを見つけることも大切ですが、同じようにフォームの入口へ連れてきた人も分析する事が大切です。
早速、分析方法を確認してみましょう。
1.フォーム入口の「前のページ」を確認する
どのページからフォームに来ているかを確認します。成果ページの「前のページ」を確認する事で内訳を確認する事が出来ます。これらページが、「成果に誘導しているページ」になります。利用規約などが手前にある場合は、利用規約=フォーム入口 としてください。
この手法を使って、まずはターゲットとなるページを明確にしましょう。
2.「前のページ」からフォーム入口への遷移率を確認する
これは、フォーム入口の前のページから、何%がフォーム入口に来ているかを確認する事を指します。例えば、アクセス数が少ないけど、フォーム入口へのクリック率が高いページもあれば、逆にアクセス数が多いけど、フォーム入口へのクリック率が低いぺーもあるでしょう。
この分析を行うことによって、「アクセス数が少ない だけど クリック率が高いページ」のアクセス数を増やす、あるいは、「アクセス数が多い だけど クリック率が低いページ」のクリック率を増やす といった施策を考えることが出来るようになります。
下の図をご覧ください。この例ですと、a.html及びc.htmlに関してはアクセス数を増やす、b.html,d.html及びe.htmlに関してはクリック率を増やすことで、更にフォームへの流入を計ることが出来ます。
入力フォームの1つ前のページ | フォームへの流入比率 | PV数 | 前ページからの遷移率 |
a.html | 21.88% | 4,002 | 16.25% |
b.html | 9.08% | 27,855 | 1.03% |
c.html | 7.21% | 1,046 | 21.85% |
d.html | 3.53% | 16,562 | 0.68% |
e.html | 3.46% | 38,108 | 0.29% |
3.更に分析をする場合
ツールによっては、「a.html→フォーム入口→その次のページ」といった遷移を確認する事が出来ます。もし、可能であればこの遷移だけは確認してみましょう。例えば遷移率が以下のような形だとしましょう。
a.html → フォーム入口 → (離脱)
100% 65% 80%
b.html → フォーム入口 → (離脱)
100% 25% 20%
a.htmlのほうがフォーム入口への貢献は高いのですが、その次の離脱率もb.htmlと比較してかなり高くなっています。つまり、せっかくフォーム入口の送り込んでいるのですが、その後、コンバージョンする事なく離脱しています。
これは、a.htmlでの事前情報が足りなかった場合があります。何故、これからフォーム入口にいって入力する必要があるのか。その説明が正しく行われていないと、このように次のSTEPに進む事なく、離脱してしまいます。
この場合は、b.htmlからフォーム入口への誘導クリエイティブや見せ方をa.htmlに反映させる事で、改善する可能性もあります。
まとめ
サイト内の細かい導線分析は、母数が少ないため、個人的には改善幅が少ないため、それほど推奨しています。しかし、フォーム回りの導線分析だけはしっかり行っておく価値があります。せっかく多くの人を連れてきて、フォームで「だだ漏れ」していては、もったいないです。ぜひ、一度は確認してみてください。
過去の記事
【5min.ウェブ分析法】 その1:入り口ページでは直帰率を、新規とリピーターに分けてチェックしましょう
【5min.ウェブ分析法】 その2:成果に貢献したページを簡単にチェックしよう
【5min.ウェブ分析法】 その3:「直帰以外のセッション」を使って改善幅を読む
【5min.ウェブ分析法】 その4:「閲覧開始ページ × 流入元」で入口ページを評価する
【5min.ウェブ分析法】 その5:「Yahoo! vs Google」で比較を行う
【5min.ウェブ分析法】 その6 :ブログの記事を分析して更にアクセス数を稼ぐ(その1)
【5min.ウェブ分析法】 その7 :成果への貢献を「金額」で見られるGoogleの「$インデックス」機能