ここ半年〜1年くらいは主にアウトプットが多かったので、今年の残りはアウトプットを行いながらも、その量を少し減らし、インプットを増やしていきたいと思います。というわけで、月2回くらいのペースで、アクセス解析及びその周辺の書籍を読み、書評というか感想などを書いていく予定です。
では、早速第一弾いってみましょう。
今回紹介するのは、「Google AdWords&Yahoo!リスティング広告対応 リスティング広告 成功の法則」です。SEM-LABOを運営されている阿部さんの書籍です。
章の構成は以下の通りです。
Chapter1:リスティング広告を始める前に理解しておくべきこと
Chapter2:キーワードの展開方法
Chapter3:広告文の作り方
Chapter4:AdwordsとYahoo!リスティング広告の個別機能のテクニック
Chapter5:さらなる最適化の技法
Chapter6:モバイルリスティング広告について
対象者
リスティング広告初心者向けの書籍です。新しいECサイトを立ち上げて集客を行いたい。「リスティング」という単語は聞いたことあるけど、どれくらいコストがかかって、何をどうすれば始められるかが?という事がわからない人に向いていると思いました。
良かったところ
・丁寧にリスティングの概念やメリット・デメリットを最初に説明しているところ。いきなり入稿の仕方とか「文章作り」に進むのではなく、リスティングの限界や、予算の考え方についてしっかり読者に伝え、暖めてくれます。特にChapter1.10-14の「リスティング広告4タイプ」で自分のサイトがどのタイプに属するかを見極め、本書を読む上で、常に自分のサイトを当てはめていくと良いでしょう。
・Chapter1.16の「正しい目標CPA」は目から鱗でした。リスティングの場合はこのように設定するのか!という事で、勉強になりました。
・Chapter2とChapter3のキーワード及び広告文に関しては、説明が細かくされており非常に参考になります。例も数多くあり、自分のサイトだったら、こうするかもと妄想しながら、進めることが出来ます。実際にリスティングを行う際に、改めて戻ってきたい部分です。Chapter3.6の『広告文は「クリックさせる事が目的」ではいけない』は1ページですが、非常に重要な項目です。特に集客はとかく名前の通り「集めること」をメインに考えてしまいますが、コンバージョンさせて初めて「見込み客→客」となります。
・Chapter4は、効果をあげるために即使えるTIPSが並んでいます。特に「住所指定オプション」「地域限定配信」「曜日、時間帯配信」の3つは読んでいて、全てのECサイトで実施すれば、スグにでも費用対効果が上げられそうな内容でした。ぜひ本書を読んで、その内容を活用してみてください。
・Chapter5.6の「アカウント設計」が、個人的には本書で最も「刺さった」部分です。予算配分に関して、とってもわかりやすいカン変え方を提示してくれます。CPCの高さだけを気にしている、あるいは、予算内にコストを納めることだけを考えて、リスティングを行っている方にはぜひ読んでいただきたい内容です。
こういう情報も欲しかったなところ
・キーワードの関連のツールがいくつか紹介されているのですが、もう少し説明があったら嬉しいですね。具体的な活用方法、それをどう活かすのかを、例と共にストーリーだててくれると、よりツールの価値が伝わったかと思います。
・運用の部分に違う角度から触れて貰えたらよかったなと思いました。例えば、
- 年単位でリスティングを運営して行く際の注意点や目標管理手法
- サイトタイプや規模、広告グループ・ワードに応じて、リスティングにどこまで時間をかけるべきなのか?
- 広告文などは、どこまでA/Bテストを続ければ良いのか
本書とは少し外れてしまうかもしれませんが、読者の参考になるのではと思いました。
★まとめ
オススメの一冊です!
初めてリスティングを行う人は、本書を手に取ってレジまで向かってください!*1。リスティングをはじめてみたけど、ほとんどを手をいれていない人も、本書を活用して次のSTEPに進みましょう。驚くほど改善幅が残っていることに気づくかと思います。
筆者も書かれていますが、リスティングは「短い目で見ないこと」と「Try&Error」が大切な施策です。本書を手元に置き、書かれている手法を実践しながら、継続的に、PDCAを回してください!
*1:あるいはAmaazonでぽちってください