成果分析に特化した、「社長に見せる」アクセス解析サービス「WebAnalyst」を使ってみた

「社長に見せるアクセス解析ツール」という目をひくキャッチで気になっていた、WebAnalystが「3ヶ月無料デモアカウント提供中」という事で、2週間ほどタグ入れをして使ってみました。果たして、本当に見せてもわかってもらえるのか?レビューしてみたいと思います。

注意:
1)ツールの使用時間は15時間ほどです。一部の機能や設定を見逃している可能性があります。

2)過去のツール紹介記事と同様「広告記事」ではありません*1

3)2009/9/15に公開された正式リリース版のレビューになります。

4)画像はWebAnalystのサンプル画像を一部利用させていただきました。

WebAnalystの概要

WebAnalystはPCサイト向けのアクセス解析サービスです。タグをページに挿入する形で計測を行います。成果となるページごとに「成果」「目標」「対策」の3つのレポート群を見る事が出来ます。料金や支払いに関しては、こちらのページをご覧ください。10,500円/月から利用出来ます*2


ここからはWebAnalystの機能を紹介していきます。

成果がいくつでも登録出来る

概要に書いた通り、WebAnalystは成果の分析に特化した内容となっています。いくつでも登録する事が可能です。ページ(URL)単位ではなく「サイト滞在時間30秒以上」や「訪問回数2回以上」というように条件での設定も可能なため、結構多く使うことになりそうです。ちなみに複数URLをまとめたいなどの要件がある場合は、成果ページ専用のタグを入れることで対応が可能です。


一点気をつけないといけないのが、成果の設定が有効になるのは、成果を設定した日より後になります。成果登録の制限数が無いことを良いことに、とりあえずなんでも登録しておく…というのも良いかもしれません(ベンダーにとっては優しくないかも)。


見られるレポートの紹介

各成果ごとに「成果レポート」「目標レポート」「対策レポート」の3つのレポートを見ることが出来ます。

成果レポート


成果レポートの上部の画面です。線グラフでサイトへの訪問回数、棒グラフが成果数という形で両方のデータを表示してくれます。棒グラフの色がついている所は変化が顕著だった部分になります。緑色が成果が大きく増えた日、赤色が成果が大きく減った日になります。


これを色で表示してくれるだけではなく、右側にある「日別詳細」でそれが起きた原因を簡単に記載してくれます。「メルマガ配信日」と書いてあるのは自分で任意に追加出来るメモになります。


対策を打つためというよりは、わかりやすく現状を教えてくれるといった側面の方が大きいですね。


ページ下部には成果に関するいろいろなデータが紹介されています。

成果のあった誘導元(検索エンジンの場合は検索ワード+リンク元URL)
成果のあった検索ワード 上記レポートからキーワード分を切り出した物
リンク元ドメイン(上記からリンク元だけを切り出した物)
成果のあった進入ページ
成果のあった訪問回数
成果のあった地域
成果のあった曜日傾向
成果のあった時間帯傾向

といった情報を見ることが出来ます。




それぞれのレポートに対して、その内容をまとめた文章を書いてくれるのが嬉しいです。どういった条件でこの情報を抽出してくるのかはわからないですが、表から読み解かなくて良いのは、ツールのうたい文句通り「社長を意識」しているのかもしれません。


しかし、まとめるだけではなく、より詳細に分析をするための機能も備わっています。「検索ワード」や「リンク元」をクリックすると、検索ワード単位での分析が行えます。このレポートでは、検索ワードごとの流入とコンバージョンを検索エンジン別に表示する事も可能です。


また、実用というよりは参考程度ですが、検索エンジンごとの掲載順位の傾向も表示をしてくれます。大きく順位が上がった・下がった場合に使えるかと思います。



目標レポート

次の目標レポートは月の目標に対して、どこまで到達しているか?というのを見るためのレポートです。成果数が増減した時はその理由を記載してくれたり、予想到達率を表示してくれたりというレポートがあります。目標数は自由に画面上で変えることが出来ます。



対策レポート

キーワード・リンク元URL・キーワード広告から、成果数と訪問数をベースに4つの象限を作成。それぞれの内容とアドバイスをくれる。文章で書いてもわかりづらいかと思いますので、以下の画像をご覧ください。



自分も分析をする時、データに対して二軸にわけて特徴を把握するという手法を使うのですが、作成するのが手間なため、その分析をオンラインで出来るのが嬉しいです。見るデータや軸をもう少し豊富に設定出来たら更にいろいろわかる事がありそうですが、分かりやすさは犠牲になってしまうかもしれませんね。

もう少し詳しい機能説明やガイドに関してはWebAnalystの機能特徴ページをご覧ください。

欲しい機能

「社長に見せる」という観点と「必要なデータのみを選定した表示しているが、もう少しこういう数値があっても良いのでは?」という観点から、個人的に必要と思われる数値や機能に関して書いてみました。


まずは「金額設定や金額単位での目標」が設定出来ないことは改善ポイントかと思います。社長は到達数を見てもよく分からないことが多いです。「で、いくら儲かったの?」という肝心な部分が今のツールでは見られません。専用タグや実装は必要かもしれませんが、EC系サイトを中心に金額が設定出来る機能とタグは必須になってくるかと思います。


また「サマリーレポート」があればなと思いました。A3あるいはA4、1枚で印刷出来るような専用画面&レポートがあっても良いと思います。社長が画面上でデータを見るとは限らないので、印刷しやすいレイアウトやPUSH型で情報を配信出来るといいですね。と思っていたら最近、週や月単位でのレポートがメール配信される機能が実装されました。


他にも「新規・リピートという観点」「アドバイス機能の強化」「月だけではなく、特定期間でも出来る目標設定」「対策レポートの指標や軸の充実化」といった機能があれば更に分析が進むのでは?と思いました。


まとめ・感想

機能を絞って分かりやすく表示したツールでした。作成側も「これ単体でサイトの分析が出来る」という風には思っていないのでは?と感じます。特にGoogleAnalytics等の無料アクセス解析サービスとの併用を前提に考えているかと思います。そういった意味では、アクセス解析サービスの補完サービスの一種ではないでしょうか。


またはじまったばかりで、これから機能の充実などが行われていくかと思います。社長*3に見せるという方向性は非常に好きなので、更にその方向に突き進んでいただければ何よりです。


使う側としては、わかりやすく・必要な情報だけを簡単に印刷できたら、とってもらくちんです。「必要最低限なレポート+的確な傾向やアドバイスが文章で書かれている」。これだけでも評価は上がるってなもんです(笑)。今後も継続的にチェックしていきたいツールでした。現在も3ヶ月間無料トライアルを実施しているので、ぜひ体験をしてみてくださいな。



社長に見せるアクセス解析ツール「WebAnalyst(ウェブアナリスト)」

*1:当ブログではアクセス解析サービスの広告記事は受けておりません

*2:PVによる制限は基本的にありません。500万PV/月を超える場合は要相談との事

*3:あるいは上司などアクセス解析サービスが詳しくない人