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結局、有料アクセス解析ツールはどんなサイト(企業)が導入するべきなの?

(別題:有料アクセス解析ツールの導入を検討するにあたり、満たすべき7つの要素)


Google Analyticsのアップデートが意味する物の記事で、GoogleAnalytics(以下GA)の大きなアップデートにより、GAが有料ツールと比較しても遜色が無いツールである事を紹介いたしました。それに伴い、有料ツールは必要なのだろうか?ということを改めて考えてみました。この記事は有料ツールとGAの簡単な比較及びどういう企業にとって有料アクセス解析ツールが必要なのか?という内容になります。


※ちなみに筆者が今まで有料で使った事があるツールVisionalist・SiteTracker・ClickTracks・SiteCatalyst・AdPlan程度であり、その範疇での比較になっていること、ご了承ください。


サイトの規模がGAの制限にひっかかる

GAが無料で使えるのは500万PV/月です。これ以上のPVを利用する場合、入札を行っているAdWordsのアカウントが必要です。中規模以上の会社のサイトや、EC系のサイトであれば、このPV数を超えているケースがほとんど、かつ、大抵はAdwords等は使っている可能性が高いので、それほど制限にならないかもしれません。


GAの機能では分析要件を満たせない場合

GAは無料ツールとしては、非常に機能が豊富、それでも有料ツールと比べると劣る部分がいくつかあります。Google Analyticsのアップデートが意味する物の記事で掲載したもの+追加分をリストアップすると

※特に多くの企業で必要そうなものを太字にしています。


リアルタイム計測
セッション単位ではなくユーザー単位での分析
四則演算による新たな指標作成
オフラインデータのインポート
ローデータそのものの取得
詳細な権限管理
ツールとの連携(SiteCatalystのGenesis等)
フラッシュや動画計測
URLに対してページIDや名称を付ける機能
ダッシュボード作成機能
アラート機能
Excelからのアクセス解析データ取り込み
変数の取得
モバイル解析

太字部分の機能概要及び利用シーンを記載いたします。


リアルタイム計測

実際には数分〜数時間の遅れがあるので完全にリアルタイムではないですが、GAのように翌日まで待つ必要がありません。すぐに修正が加えられるキャンペーンやバナーの初速、TV・新聞・ラジオ等の影響調査、障害が起きた時の早期検知などに使えます。

オフラインデータのインポート

オフラインのデータを取り込むことにより、クライアントやユーザー等の情報とアクセス解析情報がツール上で紐付け可能。「商品を購入した20代の男性はどういうキーワードでサイトに入ってきて、どういう遷移をたどって購入を行っているか?」「クライアントの出稿額に対してどれだけクライアントのページに、どういう属性の人を送客出来ているか」などがわかるようになります。これによって出稿する広告のクリエイティブでターゲッティングを行ったり、クライアントの掲載コストの最適化などを行うことができます。

ローデータの取得

アクセス解析上では出来ない「多変量分析」であったり、「オフラインで持っているBIツールとの連動」、「営業レポートの作成」など、自社システムへのデータ取り込みや解析が行えるようになります。

変数の取得

「サイト内の検索でどういう条件を入力して検索したか」「会員IDの取り込み」「ポストクリック(広告の間接効果計測)」などはサイトのURLに入っている変数、あるいはサイト側から変数を渡す事によって取得・分析が可能となります。これによりサイト内の分析で行えることは大きく広がります。

モバイル解析

そのままですね。Mobile版のGAは存在しません。モバイル分析を行いたい場合は別のツールを使う必要があります。ちなみにモバイル分析に関しては「myRTmobile」等の無料ツールもあります。


有料ツールならではの(広義の)「サポート」を必要とするか否か

GAではサポートに関してはオンラインにとどまって限定的なものになります。しかし有料ツールに関しては、通常以下のようなものが(有料・無料含め)存在します。

電話でのサポート
コンサルティング業務
導入対応(打ち合わせの場での導入説明等)
他導入企業の事例やノウハウ
充実したマニュアル
SLA(サービスレベル契約)やNDA(秘密保持契約)が結べる
常駐スタッフの手配
ツール利用のためのトレーニング

これらサポートはGAでは今後も得ることが難しそうな内容です。


結局、有料のアクセス解析ツールはどんなサイトが導入するべきなの?

これら紹介してきた機能やサポートはあなたの企業にとって必要な物なのでしょうか?それを判断するポイントも含め「結局、有料のアクセス解析ツールはどんなサイトが導入するべきなの?」という質問への解答を書きます。


以下の条件を全部(あるいは大半は)「満たせる」あるいは「満たしている」企業は有料アクセス解析ツールの本格検討が必要かと思います。まだほとんど満たせていない場合は、導入を本格検討する前に行わなければいけない事がありそうです。


では、質問に対する回答です。

★有料アクセス解析ツールの導入を検討するにあたり満たすべき7つの要素★

1.アクセス解析ツールに対する上司や経営陣の理解がある(費用対効果が説明難しい製品のため、必要性を理解して貰えないとそもそも導入ができません)


2.無料ツールの機能不足が、(サイトの)売上増加やコスト削減の足かせになっている。


3.アクセス解析要件レベルが「集客最大化」のステージを過ぎており、「集客効率化」「導線最適化」「成果の分配」の必要性がある。


4.アクセス解析ツールを使った分析を行える、スキルを持った人員の確保が出来る。


5.アクセス解析からの気付きを、実際のサイト改善ポイントに落とし込み、サイトに反映し分析する社内体制とフローが出来ている。PDCAサイクルの実現。


6.アクセス解析によるサイト改善に貢献した場合、それが給料等に反映され評価される仕組みがあるアクセス解析担当者のモチベーション向上に必要)。


7.システム部門あるいはサイトコンテンツ作成・管理チームがその必要性を理解し、導入及び運用のための工数確保を行ってくれる。

見てのとおり有料アクセス解析ツール導入の必要性を判断するのにあたり「機能」や「サポート」に依存している部分は限られています。実際これらの要件を半分でも満たせている企業は非常に少ないと感じており、ほとんどの会社では有料アクセス解析ツールの導入が必要ありません。実際アクセス解析が進んでいるアメリカでも「アクセス解析ツールシェアの70%強がGoogle Analytics」という調査結果も出ています。


ただし、もちろん上記を満たせていなくても有料アクセス解析ツールの導入が必要な例(譲れない機能があったり、サポートが非常に重要な場合)もありますし、有料ツールを使いこなせる環境にあるが無料ツールで我慢しないといけない例(会社の業績が悪い、ネット売上の比率が少ない)もあります。


よく言われることですが、アクセス解析ツールは名前の通り「ツール」なので、それを使う「人達」が使えることによって初めて機能する物です。


結論はありがちですが、7つのポイントは参考になるのでは、と思います。自分の企業及びサイトの場合はどれくらい満たしているのか?を考えてみてはいかがでしょうか。