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アクセス解析サポート担当者がよく聞かれる20の質問(解答編)

先日の記事で書いたアクセス解析サポート担当者がよく聞かれる20の質問質問に対する、私なりの解答です。難易度が低い物から高い物までごちゃまぜです。


★注意★
私自身、最近まで社内のアクセス解析システムの問い合わせ対応を行っており、メール・口頭・電話含め月100件くらいに対応していました。その中で選んでいる20の質問なため、多少偏りがあったり、特定の計測方式に特化したりしています。ですので、全てのツールに当てはまる解答ではないこと、この解答を使って何か問題が起きた時は責任が取れないこと(笑)をご了承下さい。



1.リンク元のURLがノーリファラーになるのはどういう時?またその内訳を教えて欲しい。

様々なケースが考えられます。具体的な例は以下の通りです。


・ブックマークからの流入
・メールソフト(メーラー)からの流入
・URL直打ちによる流入
リファラー送信拒否したブラウザからの流入
・リダイレクトにより、最初の計測ページでリファラーが落ちている状態
・(ほぼ全てのブラウザの)httpsからのサイトへの流入
・QRコードからの流入
・ローカルからのアクセス

それぞれの詳細説明は「サイトへのリンク元の種類 及び それらの計測方法と特徴の記事をご覧下さい。」


内訳に関してはno referrer単体を見てもわかりません。また、他の指標を見ても正確な内訳は分りませんが、流入元の種類によっては特徴があり、簡単な推測は出来ます。


QRコードはURLに広告コードを追加すれば計測が可能。

・バナーやリスティングなど広告コードがついているURLで流入し、その広告コード付きのURLをブックマークした場合、(リダイレクト等に寄るリファラー落ちが無い場合)該当広告コードつきのno referrerの流入の大半はブックマーク経由である。
※もちろん広告がついていないURLをブックマークした場合は分からない。

・メールソフト及びブックマークからの流入の「新規率」は(ゼロではないが)非常に少ない。


2.1月1日のユニークユーザー数は10人。1月2日のユニークユーザー数は5人。二日間あわせてのユニークユーザー数は15人でいいの?(同様にAというページのユニークユーザー数が10人、Bというページのユニークユーザー数が5人。二つのページあわせて15人でいいの?)

(ほとんどの場合)違います。


ページあるいは期間をまたぐユニークユーザーを計測する場合は「足し上げ」に気をつけないといけません。例えば1月1日と1月2日、両方の日にAさんが訪れた場合、1月1日〜1月2日のユニークユーザーはそのまま足してしまうと「2人」になりますが、実際は「1人」です。


もちろん、1月1日に訪れた人と、1月2日に訪れた人が全くかぶらない場合は問題ないのですが、そのようなケースは非常に少ないと思われます。この「足し上げ」がどのように考慮されているか、(つまり上記のケースの場合ちゃんと「1人」と表示されるか)はツールに依存するため、ツールベンダーへの確認を行いましょう。


3.セッションの定義って?(どういう条件でセッションが切れるの?)

これもツールによりますが(設定を変えられるか、変えられないかも含め)、一般的なのは「30分」以内に次の計測タグが読み込まれれば、セッションが繋がるというケースです。


ページA→ページB→サイト外→ページC


と遷移したとしても、ページBを開き、30分以内にページCが開かれれば、セッションは繋がる。また、ブラウザを閉じた、パソコンを再起動した、複数のタブを開いた場合もセッションは繋がります。ただし、違う種類のブラウザ(InternetExplorerでサイトを見て、30分以内にFirefoxでサイトを見た)とか、Cookieファイルの削除を行った場合はセッションが繋がらない。


というようなケースが一般的です。ここら辺もツールベンダーへの確認が必要な物の一つです。


4.新規とリピーターの定義って?

アクセス解析ツールが発行するCookieの有効期限と同じ場合がほとんどです。ほとんどのツールでこの期間は設定できます。例えば「30日」と設定しておけば、最初にサイトに訪れてから、30日以内にサイトに再度訪れれば、「リピーター」扱いになります。31日ぶりにサイトに訪れた場合は新規になります。


Cookieが削除された場合は、新規扱いになります。漫画喫茶・大学等のパソコンは再起動あるいはブラウザを閉じるたびにCookieを消しているようなケースも多く、新規の比率が高くなる傾向にあります。


5.日付をまたいだ場合ってセッションとか二つに切れちゃうの?それとも繋がったまま?もし繋がったままだった場合、ユーザー数とか訪問者とかってどういう風に数えられるの?

こちらもツールに依存する部分が大きいです。私が活用しているツールでは、セッションが切れます。例えば


1月1日ページA→1月2日ページB→1月2日ページA


の場合は、二つのセッションに分割されます。


1月1日 ページA   1PV 1訪問 1UU
     サイト全体  1PV 1訪問 1UU

1月2日 ページA 1PV 1訪問 1UU
     ページB 1PV 1訪問 1UU
     サイト全体 2PV 1訪問 1UU


進入ページも1月2日分のデータだけを見ると、ページBからの進入という計測になり、セッションあたりの平均閲覧ページ数は2ページになります。


6.ブックマークした人の数と、そこから流入した人の数をしりたい。

質問1の解答を参照してください。


7.AからCというページへのリンクは無いのに、A→Cという遷移があるのは何故?

4.のセッションの定義の所の例でも説明しましたが、


ページA→サイト外→ページC


という遷移をした時、30分以内であれば通常セッションが繋がり、アクセス解析ツール上ではページA→ページCという形の遷移が計測されます。(例えばページA→ページCへの遷移が無い場合)

また、計測方式としてパケットキャプチャー方式などをモバイルで使っている場合、戻るボタン(あるいは携帯端末の「戻る」操作)を行った場合、戻ったときには計測データが取得出来ないため


ページB→ページA→(戻るボタンで)ページB→ページC


と遷移した場合、アクセス解析ツール上ではページB→ページA→ページCと計測されます。


8.Aのページから、次どこのページに遷移したか?というのを見たときBへの遷移が10件。Bのページに、どこのページから来たか?というのを見たときAからの遷移が8件。何故、このような違いが起きるのだろうか?

ページA→ページB→ページC→ページB→ページA→ページD


という遷移を例に取り、ページAから次にどこに遷移したか、またページBにはどこから来たか?というのを考えてみましょう。ツールの特徴と使う機能によりますが、樹形図のような機能を使う場合


・特定のページから、次にどこに行ったか?というのを見る場合は、セッションの頭から検索をかけていき、特定のページ(この場合はページA)を探し、そこからどこに遷移したのか?というのを見ます(この場合はページB)。

・特定のページに、どこから来たのか?というのを見る場合は、セッションのお尻から検索をかけていき、特定のページ(この場合はページB)を探し、そこにはどこから遷移してきたのか?というのを見ます(この場合はページC)。


上記の様な場合は、例題のようなズレが起こります。


ただし樹形図のような機能ではなく、単純に次にどこに行ったか?あるいはどこから来たのか?というのを「次の遷移だけ」を見る場合、以下のように計測されます。


【ページAからの遷移】
ページB 1件
ページD 1件


なので、問いにあるような数字のズレは起きません。


9.媒体から送られてくる流入数とアクセス解析ツールで見る該当広告からの流入数を比較すると、媒体から送られてくる数字の方が多いんだけど何故?

媒体側では計測出来ているが、サイト側では計測出来ていないケースがあります。代表的な例としては、


・媒体側に出しているバナーはクリックしたが、計測タグが読み込まれる前にユーザーがブラウザを閉じたりを別のページに移動してしまった
・(一部の)ランディングページにタグを入れ忘れていた
・利用者がブラウザ設定でJavaScriptの実行を禁止していた
アクセス解析ツールの設定で、社内や特定のIPからのアクセスを除外している(媒体側ではもちろん除外をしていない)

などがあります。


10.媒体から送られてくる流入数とアクセス解析ツールで見る該当広告からの流入数を比較すると、媒体から送られてくる数字の方が少ないんだけど何故?

媒体側での計測の定義と、サイト側での計測の定義が違う場合があります。代表的な例としては、

・媒体からの流入を広告コードで計測していた場合、ユーザー側で広告コード付きのURLをブックマークし、そこからアクセスして来た場合、アクセス解析側では計測出来るが、媒体側では計測出来ない。
・同じく広告コードで計測した時に、ランディングページをリロードした場合、アクセス解析側で2重カウントをしてしまう可能性がある(ツールによりけり)

などがあります。


11.成果課金型の広告に出稿しており、その広告会社のレポートでは広告経由の成果が20件。アクセスログで見ると、その広告からの流入での成果が10件。水増しされているの?

※広告会社あるいはアフィリエイト会社等が発行する効果測定用のタグが成果ページに入っている事が前提

広告経由の成果の定義が違っている可能性が高いです。

例えばアクセス解析側では、クリックした入ってきたセッション内でコンバージョンした場合は、成果と広告を紐づける。しかし、広告会社側ではクリックし、そのセッション内でコンバージョンしなくても、1週間以内にコンバージョンすれば、成果と広告を紐づける。


他にも計測の指標が、広告側は広告経由で成果にアクセスされた「PV」をカウント(つまりセッション内に複数回コンバージョンした場合は複数回として数えている)しているが、アクセス解析側では、「訪問回数」でカウント(つまりセッション内に複数回コンバージョンしても1回と数え)ているとズレが起きる。

同様に「一括資料請求」のように、1回のコンバージョンで複数のアクションを行える場合、広告側は「1」として数えるが、アクセス解析側では「複数」として数えてズレが起きる。といった可能性もある。


12.PCの新規サイトにアクセス解析ツールを導入したいんだけど何をすればいいの?どれくらいの導入に工数がかかるの?

大きくツールに依存しますが、PCのタグ型ツールで、ツールの自由度が比較的高い場合


1.要件定義(何を見たいか?またそれを見てどう改善に生かせるか?)を決める

2.それを実現するための計測粒度であったり、グルーピングの設定、計測したい変数やいくつかの設定(リピート期間等)を決める

3.計測用のタグとJSファイルを作成

4.計測したいページにタグを挿入(必要に応じて変数を埋め込む作業を行う)

5.意図した通りに計測出来ているかの確認を行う

6.ログイン用のIDとPWを権限設定した上で配布する

7.計測開始


となります。


要件定義をどれくらいきっちり行うか、タグ入れと変数埋め込みの難易度によって、工数は変わってきますが、最初から最後のプロセスまで通常、1ヶ月〜3ヶ月はかかると思われます。ただいろいろはしょってしまえば(特にSTEP1)もっと短い期間での導入は可能です。


13.モバイルの計測ってなんか難しそうって聞いたけど、PCと比べて何が大変なの?

1)セッションをつなぐために端末識別番号を取得しなければいけないという事と(DoCoMoの場合は全てのサイト内リンク、あるいは外部に入稿するURLにパラメータをつけないとセッションが繋がらない)

2)SSLページ(https)内では端末識別番号が取得出来ないケースもあるため、非SSLページ(http)内で取得した端末識別番号をGETないしはPOSTで引き回す必要がある。

3)端末識別番号を使わない場合はサイト側でセッション番号を発行・付与する必要があり開発が必要となる。

4)キャリアの制限によりDoCoMoではリファラー情報が取得出来ない


とか、まぁいろいろキャリアの制限や仕様により、サイト側に改修を入れたり、数字を見るときに考慮しなければいけない事が多くて面倒!って事です。


14.アレもみたい、コレもみたい、計測したい要件がいっぱいあるので、とにかく最小単位で細かく計測をしたいなぁ(って言われたとき)

計測した数字を興味本位で見たいのか、それを改善に生かせるのか?が大きなポイント。


アクセス解析ツールは(私見も入っていますが)ページ単位で精緻に情報を見る物ではなく、集客及びサイト内導線が、成果とどう結びついているかを把握し、改修のヒントを見つけ、実際に改修を行い、その効果を補足するためのツールなので、取得する事により改善に生かせるような施策が考えられるレベルでの計測にしておいたほうが良いと考えています。


例えば求人サイトで、求人を検索するとします。その時に利用者が「地域」「月給」「職種」「業種」「未経験歓迎」「従業員数」「雇用形態」「上場企業」「外資企業」等のオプションで検索が出来るとします。その時に、全ての検索変数を取得する必要があるでしょうか?それを見ることによって、求人にエントリーする数を上げる事が出来る変数はどれだろうか?というのを考え、取捨選択する必要があります。


全部とっておけばよいじゃん!という問いのような意見もあるかと思いますが、取りすぎることによるデメリットとして

1)データ量が多すぎて分析に時間がかかる(レポートの取得の時間がかかる)
2)それがコストに跳ね返ってくる可能性がある
3)最初の導入設計に余分に時間がかかってしまう


などがあります。*1


15.広告からのランディングページあるいはサイト内でURLのリダイレクトをかける時って計測にどんな影響があるの?

リダイレクトの仕方や転送の仕方を気をつけないと、リファラー情報が落ちたり、転送ページの計測が行われたり/行われなかったりします。


・リダイレクトに関してはHTTP status code 301,302等で転送を行う場合は、リファラー情報が引き継がれます。

JavaScriptやMETA Refreshにより転送を行う場合は、リファラー情報は引き継がれません。

・転送ページにタグを入れていた場合、転送が行われる前にタグが読み込まれれば、転送ページの計測は行われます。読み込まれる前に転送される場合(例えば META refreshの時間を0秒に設定していた場合)は計測が行われません。

 ※これに関連して、「じゃぁ何秒待ってから転送すればタグは読み込まれるのか?1秒?3秒?」と聞かれることもありますが明確に答えることは出来ません。利用者のネット回線スピード等の変動要素が利用者側に大きいためです。


16.AというページからBというページにリンクしている箇所が2カ所あるが、どっちのリンクがクリックされているかを知りたい。

通常のままでは計測出来ません。


リンク先を指定するURLにパラメータ等を入れて、URLを一意にする必要があります。


例)ページA→ページBへのリンクを
http://www.example.com/b.html?type=1
http://www.example.com/b.html?type=2


という風に分け(typeという変数名の値が違っても表示されるページ内容は一緒)それぞれの変数のカウントをアクセス解析側で行うという手法です。サイト側に改修が入るため、現実的にはなかなか実装されないケースがほとんどです。


17.親フレームがあり、その中に子フレームが二つある場合、計測用のタグはどこに入れれば良いの?

子フレームの方に入れてください。


アドレスバーで表示されるURLは、子フレーム内で遷移してもずっと親フレームのURLの物だとしても、子フレームの方にタグを入れておけば、アクセス解析ツール上で計測されるURLは子フレームの物になります。


18.動的ページを計測する時に気をつけなければいけない事は?

14の問いにもありましたが、どの変数を計測対象として取得するか?という事を決める必要があります。


また動的ページ→静的ページにmod rewriteをしている場合(例 SEO対策のため、search.cgi?keyword=音楽 → search/音楽/index.html などを行いキーワードごとに静的HTMLが生成され、大量のページがある場合)ある程度ページをグルーピングして行いたいと、PV数が少ないページが山ほど出来ていまい、導線分析等が非常に困難になります。


19.●●というデータが見たいんだけど、出し方がわからないorデータが重くて落ちてこないので出して欲しい。

基本はデータ出し作業を代わりに行うことはやらない方が得策(今後、定常的な運用にのってしまう可能性もありますし。。。)取得の方法を面倒でも説明しておいた方がお互いのためです。また、何故そのデータが必要なのか?という事を聞き出す事で、よりよい「見るべきデータの提案」が行えるかもしれない。


詳細はデータ出し依頼の優先順位をつけるために自分/相手にするべき7つの質問を参照してください。


20.アクセス解析ツールの費用対効果は?入れる意味あるんだっけ?

データ見ているだけじゃ入れる意味ないです。


データを見てそれを改善までつなげて初めて費用対効果を考えられます。ただし、「アクセス解析ログの貢献度合い」を計るのは非常に難しく、費用対効果の議論に持って行くこと自体が得策ではありません(笑)また、アクセス解析を使っての改善は「売上増加」も大事ですが、まずは「コスト削減(特に集客の)」という所の方が、やりやすく、まずは手をつけるべき箇所かと思います。

最後に

かなりヘビーな記事になってしまいました。何か使えそうな物があれば、ぜひ自己責任で活用してみてください。もっと良い答えがあるよ!とかあればぜひ教えてください。ベストな答えは一つではないし、状況に寄って変わる物だと思っております。


こういったQ&Aという物は、ベンダーに任せるのも一つの手ですが、なるべく社内で貯め、それを閲覧・活用出来る仕組みを作ってしまう事が、ある程度の規模を超えると必要かと思います。問い合わせの中に、要件や課題が隠されているケースが多く、問い合わせから生まれる改善も多々あります。聞かれた質問にただ答えるだけではなく、その意図や背景を理解する事が一番大切なのだと思います。

*1:あまり上手く説明出来ていない気がしたきた 汗