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Google Analyticsのアップデートが意味する物

ツール

数日前にGoogle Analyticsのバージョンアップが行われました。主なバージョンアップ内容は公式ブログを参照いただければと思いますが*1、今回のアップデートが意味する物、有料のアクセス解析との比較と、今後のアクセス解析ツールの行く末を、夜中の頭があまり回っていない状態に思うがままに書いてみます。戯れ言におつきあいいただければ幸いです。*2

グーグルはアクセス解析に対して本気だ

今回のアップデートは他社の無料ツールでほとんど実装されていなかった物を多く実装しています。多次元クロス集計、セグメンテーション機能、バブルチャートによる多次元分析などは、有料のツールでも高機能な物だけにしか実装されていません。無料で提供されているGoogleAnalyticsは今回のバージョンアップで、有料ツールと比較しても遜色がない*3性能を持っています。これを実現するためにコストと時間をかけているところにGoogleの本気を感じます。大勢の人にとっては喜ばしいことです。


何故、ここまでやるのか?という事に関してはいろいろ考え方はあると思います。「よりGoogleのサービスを使って貰いたい(接触頻度を増やしたい)」あるいは「今回のリリースでGoogleの収入源にもなっているAdWordsとのデータリンクも出来るようになり、AdWordsの売上増に貢献出来るから」とか単純に「インターネットの世界をよりよい物にしたい」などなど。


しかしGoogleにとって何より重要なのは「多くのサイトのログデータをGoogleが保持している事」だと思われます。1年ほど前に「Googleの順位決定にGoogle Analyticsのデータが使われていたことが判明!」といった記事が話題を呼びました。真偽の程は不明ですが、Googleは何らかの形でログデータを利用する事を考えているのではないでしょうか。Google Analyticsのデータを元に最適なAdsenseが出すといった行動ターゲッティング的な事や、ログデータを元にユーザーにカスタマイズされた検索結果を出すというような事はGoogleなら不可能ではないと思われます。あるいはもしかしたら既に利用されているのかも知れません。


他の無料ツールや有料ツールは無くなるの?無くならないの?

これだけ高機能な物が無料で利用される。という事は他のツールは利用されなくなってしまうのでしょうか?米国ではアクセス解析ツールシェアの70%強がGoogle Analyticsです(ページ中央のFLASH参照)。単体で使っているのが58%、他のツールとの併用が15%あります*4。これだけのシェアを持っているGoogleAnalyticsに対して、無料・有料ツールはどうなっていくのか?ここからは私見ですが、以下のようなことが起きると考えています。


無料ツール:GoogleAnalyticsに対抗していくのは難しいため、GoogleAnalyticsが持っていないようなニッチな機能やサービスに特化したツールというのは既に出現しているし、今後も増えていくかと思います。充実したインターフェース・リアルタイム計測及びサイトにアクセスしている人とメッセンジャーでコミュニケーションが取れる「Woopra」、どこをクリックしているかをレイヤーで表示してくれる「Crazy Egg追記:コメント欄で現在は有料アカウントしか無いとの情報をいただきました、アクセス元の組織及び年代と性別を推計する「なかのひと」、ユーザーのマウス移動やクリック行動がビデオで見られる「ClickTale」、PVという概念から脱しようとしている「NuConomy」などが例に挙げられます。


有料ツール:ここは大きく二つに分けられると思われます。GoogleAnalytics同等あるいはそれ以下の機能を有している有料ツールを持っている会社(主に中小規模の会社)は岐路に立たされるかと思います。*5既存の顧客が流れるリスクはもちろんのこと、本来ターゲットとしている中小及び個人規模の見込み客もGoogleAnalyticsに流れていくでしょうし、すでにその動きは加速しているかと思われます。GoogleAnalyticsが提供していないようなサポート・ノウハウ提供・コンサルを充実させて差別化を図る事になりますが(最近のデジタルフォレスト社の動きはまさにその流れかと思います)こういった動きを取れる会社は限られてくるでしょうし、厳しい戦いなのは間違いないでしょう。


ただし、GoogleAnalyticsも最先端のツールと比較するとまだ足りない部分が多いです。分りやすい例をいくつかあげると「リアルタイム計測」「セッション単位ではなくユーザー単位での分析」「四則演算による新たな指標作成」「オフラインデータとの連係」「詳細な権限管理」「ローデータの取得*6」などは現在実装されていません。時間もコストもかけて分析を行なえる大企業にとってはGoogle Analyticsでは要件を満たせないので、GoogleAnalyticsに対して引き続きアドバンテージを持つ努力を行えば、棲み分けは出来るのかなと考えています。またGoogleにデータを預けることをリスクとして考えている企業もいるのではないでしょうか。


モバイルサイトの計測はGoogle Analyticsでは行えません。将来的に対応する可能性は十分あるかと思いますが、特に日本においては計測が難しいため、例えGoogleAnalyticsのモバイル版が米国でリリースされても、日本版はリリースされない可能性もあります。全米の有料ツールで一番人気があるSiteCatalystも日本のモバイル計測に関してはMobylogという株式会社セランのシステムを使っています。なのでモバイルに関しては(特に日本においては)GoogleAnalyticsの影響は少なく、数日前に無料での利用が発表されたmyRTmobileや、その他の有料ツール含め、いろいろビジネスの可能性があるのではないでしょうか。


まとめると無料ツールは機能特化の物が生き残り、有料の物に関してはハイエンドの物が残る。モバイルに関してはいろいろ可能性あり!といった所でしょうか。

API公開とそのインパク

今回のバージョンアップで実は一番可能性を秘めているのはAPI公開です。これにより他のサービスやツールでログデータを活用出来るようになります。ここから何が生まれてくるかはまだわかりませんが、「ローカルでレポートを作るためのアドオンツール」や「ログデータを元にしたサイトコンテンツの作成」を始めとした様々なサービスや製品が登場する可能性があります。想像もつかないような物が登場する事を期待しています。


電池切れ(体力切れ)なので、今回はこれくらいで。
清書も読み返しもしていないので、気づいた点ありましたら、ご指摘下さいな。

*1:ちなみに現在の日本語版にログインしても新機能は使えず来月にかけてブログで紹介されている機能が順次導入されていく形なので、実装し使ってみたらまた記事を書こうと考えています

*2:あきらかに変なところや誤字脱字は直しました。

*3:あるいは多くの有料ツールより優れた

*4:ちなみにその次にシェアが高いのはSiteCatalystを提供しているOmnitureです

*5:以下、この段落の最後まで最初書いた記事に追加しています

*6:まだ詳細が判明していないAPIで取得出来るかも知れませんが